夏の邦楽ソング名曲ベスト50 (10-1)

10. SPARKLE/山下達郎 (1982)

「夏だ!海だ!タツローだ!」的なアルバム「FOR YOU」(オリコン週間アルバムランキング1位)の1曲目に収録されていた曲である。インストゥルメンタル部分がサントリー生ビールのテレビCMで流れていた。カーステレオやビーチのラジカセに最適だが、部屋のコンポで聴いてもとても良い。ただし海に行く頃には「GREATEST HITS OF TATSURO YAMASHYA!」がすでに発売されていたため、そっちのカセットを持っていってしまった。後にCDで再発された時には、ボーナストラックとしてこの曲も追加されていたのだが。

9. WINDY SUMMER/杏里 (1983)

杏里は1978年に「オリビアを聴きながら」でデビューした頃から注目されていたのだが、1983年にテレビアニメ主題歌の「CAT’S EYE」がヒットして大ブレイクした。次のシングル「悲しみがとまらない」も売れて、これらも収録したアルバム「Timely!」のA面2曲目に入っていたのがこの曲である。発売は真冬だったが、角松敏生の作詞・作曲・編曲による最高のサマーポップで、シティ・ポップ・リバイバルでも再評価されがちである。

8. 渚にまつわるエトセトラ/PUFFY (1997)

奥田民生のプロデュースでデビューしたガールズデュオ、PUFFYの4枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。ディスコソングをはじめとする様々なポップ・ミュージックからの引用と井上陽水のナンセンス気味な歌詞、メンバーのゆるめで自由な感覚が時代の気分にフィットしていたようにも感じられるのだが、すでに四半世紀以上も前の曲ということになる。

7. 渚/スピッツ (1996)

スピッツの14枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。オルタナティヴな感覚も持ち合わせながら、ベタなJ-POPとしても支持されているきわめて特異なバンドだと思うのだが、草野マサムネのラジオ番組「ロック大陸漫遊記」をほぼ毎週聴いていると、なかなか納得がいくものである。聴きやすいのだが奥深い、このトリプルプラチナを記録したヒット曲を聴いてもそう感じずにはいられない。夏らしい曲ではあるのだが、発売されたのは1996年9月9日であった。

6. 若草の頃/カヒミ・カリィ (1995)

「渋谷系」的な気分がオーヴァーグラウンド化してきて、カーディガンズの「ライフ」がものすごく売れていた1995年にカヒミ・カリィがリリースしたミニアルバム「LEUR L’EXITENCE~「彼ら」の存在」を、渋谷ではなくルミネ新宿にあった頃のタワーレコードで買った(現在は無印良品になっているフロアだったと思う)。2曲目に収録されたこの曲はムッシュかまやつとのデュエットで、「La La 私達が手をつなぐ時 すべての風景は理想へと変わる」などと歌われ、そして信じていた。

5. ラテンでレッツ・ラブまたは1990サマー・ビューティー計画/フリッパーズ・ギター (1990)

フリッパーズ・ギターの2作目のアルバム「カメラ・トーク」の4曲目に収録されていた曲である。ボサノヴァ的な曲調であり、クロディーヌ・ロンジュ「フー・ニーズ・ユー」、ザ・スタイル・カウンシル「オール・ゴーン・アウェイ」などからの引用もさることながら、ひとりの日曜日に歯ブラシをくわえてオムレツを焼いているような男の子について歌われているような曲を、好ましく聴けていることに衝撃を受けた。日本のポップ・ミュージック史における、革命の1つであったことは間違いない、と思っていたのだが、よく分からなくなってきた。

4. サンシャイン ロマンス/Original Love (1993)

Original Loveの4枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高48位を記録した。オリジナル・ラヴとかORIGINAL LOVEとかいろいろな表記法が見受けられるが、確かOriginal Loveに統一することになったような気がして、以来ずっとそうしているのだが実はよく知らない。この曲は2016年にNegiccoのMeguがDJでかけていた時に初めて良いと思ったわけで、それまでは聴いたことがなかった可能性がひじょうに高い。「渋谷系」かどうかはよく分からないのだが、とりあえずとても良い夏のポップスであることは間違いがない。

3. サマー・ソルジャー/サニーデイ・サービス (1996)

サニーデイ・サービスの5枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングでは最高65位を記録した。真夏はとても暑いからこそ最高なわけだが、どうかしてしまいそうなくらいの非日常感が感じられるところもとても良い。そういった状況におけるラヴソングとしてひじょうにリアリティーがあり、「それは天気のせい」であり「ほんの八月の冗談」ではあるのだが、「そこから先は Hey hey hey…」というのが想像力をかきたてながらも肯定感に満ちあふれている。

2. サマージャム’95/スチャダラパー (1995)

スチャダラパーのアルバム「5th WHEEL 2 the COACH」に収録された後、シングルカットもされ、オリコン週間シングルランキングで最高56位を記録した。「クラブだね 妥当な線として」「夏! クラブ! ナンパ! 思い出!」というところなどについては、個人的に1ミリたりとも共感するだけの記憶が一切ないのだが、それ以外の本屋やソバや夏用のテープに再放送のドラマ、「熱めのお茶」や「意味深なシャワー」などについては、日本の夏を感じることができた。

1. ENDLESS SUMMER NUDE/真心ブラザーズ (1997)

真心ブラザーズはバラエティ番組「パラダイスGoGo!!」の「勝抜きフォーク合戦」で勝ち抜いたのをきっかけにデビューし、フォーク時代のRCサクセションなどから影響を受けたような音楽をやっていたのだが、90年代に「渋谷系」的なものがオーヴァーグラウンド化してきた頃の距離感などに好ましいものを感じた。それでソウル・ミュージックからの影響を取り入れたような音楽性に変化していって、モテたそうなところがひじょうに良かった。「サマーヌード」は1995年6月21日にシングルとして発売されるのだが、オリコン週間シングルランキングでの最高位は81位とそれほど大きなヒットにはならなかった。それから時を経て、まるで90年代を代表するJ-POPクラシックスであるかのように知られるようになり、2013年にはテレビドラマ「SUMMER NUDE」の主題歌として主演の山下智久によるカバーバージョン「SUMMER NUDE ’13」がオリコン週間シングルランキングで1位に輝くに至った。

それで、この「ENDLESS SUMMER NUDE」なのだが、「サマーヌード」の翌々年にあたる1997年7月21日にSMAP「青いイナズマ」「SHAKE」などで知られるCHOKKAKUのアレンジによって、よりモテやすくなってリリースされたバージョンである。オリコン週間シングルランキングでは最高41位と、「サマーヌード」よりも順位を上げている。