夏の邦楽ソング名曲ベスト50 (40-31)
40. 素敵なサマー・デイズ/杉真理 (1983)
杉真理のアルバム「STARGAZER」収録曲で、シングルカットもされたサマーソングである。ビーチ・ボーイズやサーフロックからの影響を随所に取り入れたご機嫌なチューン。サマーソングばかりを集めた1987年のアルバム「HAVE A HOT DAY!」にも収録された。
39. 暑中お見舞い申し上げます/キャンディーズ (1977)
キャンディーズの14枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高5位を記録した。「パラソルにつかまり あなたの街まで飛べそうです」というのだから、相当なテンションである。途中、ハワイアン的な間奏が入るところもおもしろい。この曲がヒットしていた時に、「普通の女の子に戻りたい」と解散宣言をしたことが思い出される。
38. まっ赤な女の子/小泉今日子 (1983)
小泉今日子が後にKYON2と呼ばれるようなニュー・ウェイヴ的に文化人受けするようになったきっかけは、このシングルがリリースされるぐらいのタイミングで髪をばっさり切ったことだとも思われがちである。「ぬれたTシャツ ドッキリ 脱げばキラリ 赤いビキニ Yeh! Yeh」と、青少年受けしそうなわりとベタなことが歌われていたとしてもだ。野々村文宏・中森明夫・田口賢司のいわゆる「新人類」トリオが朝日出版社の週刊本から出していた著書名は「卒業-KYON2」に向かって」であった。
37. 夏のお嬢さん/榊原郁恵 (1978)
1970年代後半はニューミュージック全盛で歌謡ポップス界は大御所ビッグスターたちが大人気だったことにより、フレッシュアイドルにとってはなかなかしんどかった。とはいえ、榊原郁恵、石野真子、大場久美子などには人気があった。矢沢永吉「時間よ止まれ」、サーカス「Mr.サマータイム」などの印象が強い1978年の夏(サザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」でブレイクし、ビリー・ジョエル「ストレンジャー」、ビー・ジーズ「恋のナイト・フィーバー」といった洋楽もヒットしていた)、歌声そのものが天真爛漫な夏の陽気のような、榊原郁恵のこの曲はオリコン週間シングルランキングで最高11位、「ザ・ベストテン」では最高5位のヒットを記録した。
36. ナツノヒカリ/GRAPEVINE (2002)
「ロッキング・オンJAPAN」を読んでいるようなタイプの女子大生にくるりなどと共に人気があったことは、身近にいた人の動向によってなんとなく知っていたのだが、12枚目のシングルとしてリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高16位を記録したこの曲は、あやふやな季節としての夏の記憶や、忘れてしまいたい心のかさぶたをマイルドに剥がしていきそうな気配を漂わせながら、永遠の夏などというものはやはり無かったのだという残酷な真実をもほのめかしている。それはずるいよね。
35. Magic Motion No.5 (2019Remodel)/WHY@DOLL (2019)
札幌出身のオーガニックアイドルユニット、というキャッチフレーズ的なものを個人的には100回では済まないぐらい書いたことがあるような気もするのだが、これは元々は2014年にリリースされ、オリコン週間シングルランキングで最高13位を記録した初期の代表曲をラストアルバム「@LBUM~Selection 2014-2019~」収録にあたってリモデルしたバージョンである。キュートなボーカルとポップなサウンドがはじける真夏のディスコチューンで、とても良い。
34. 真夏のSounds good!/AKB48 (2012)
AKB48の夏のシングルといえば全国握手会イベントの参加券といわゆる選抜総選挙の投票券(シリアルナンバーカード)が封入されていたことなどにより、1人で大量に買う人たちが続出したことにより売れに売れまくり、ヒットチャートの権威がなんだかよく分からないものになるきっかけにもなった。しかし、ある時期までは楽曲が良いというようなこともわりと言われがちで、それゆえに2010年のベストアルバムは「神曲たち」だったりもした。それで、水着を着たメンバーたちがビーチなどで踊りまくるタイプのミュージックビデオが定番にもなるのだが、思うところはいろいろあるにせよ、間違いなく当時の日本を代表する一般大衆的なポップカルチャーであったことは否めない。
33. サンシャイン日本海/Negicco (2014)
新潟を拠点に活動する3人組アイドルグループ、Negiccoのシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高11位を記録した。Original Loveの田島貴男が初めてアイドルに提供した曲としても話題になった。新潟が素晴らしいところであるということを、個人的にはこのグループを好きになることによって知ることができたのだが、この曲にはご当地ソング的な側面もあり、ミュージックビデオにも新潟のいろいろなところで撮影されている。
32. SUMMER SONG/YUI (2008)
YUIの12枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。当時とても流行っていたので有線放送などではよく耳にしていたのだが、それほど強い思い入れはなかった。個人的にこの年の夏の終わりに13年ぶりぐらいに旭川の実家に帰って、親が運転する車で田舎を走っていた時にこの曲が流れてきて、景色とマッチした時にとてつもない名曲に聴こえたという記憶がある。ほとんどそれだけでここにランクインしているといっても過言ではない。
31. 蝉/Berryz工房 (2004)
Berryz工房のデビューアルバム「1st 超ベリーズ」に収録された曲で、当時まだ小中学生のメンバーたちが歌っている。ローティーンの頃の里帰りの記憶という、なかなかニッチなテーマを扱ったアイドルポップスだが、ノスタルジックな感じがとても良い。お土産にハッカのお菓子を買ったり、ラーメンにバターを入れたりしていることから、里帰り先は北海道なのではないかというような気もする。