邦楽ロック&ポップス名曲1001: 2014

ギミチョコ‼︎/BABYMETAL(2014)

BABYYMETALのファーストアルバム「BABYMETAL」に収録された後、イギリス限定のデジタルシングルとしてもリリースされた。

アイドルグループも多様化していろいろな音楽をやる人たちが出てくる中でBABYMETALが選んだのはヘヴィメタルだったわけだが、演奏が本格的な上に歌もダンスもとても上手いということで多方面において評判となる。

この曲は「あたたた たたた たたた ずっきゅん」というようなよく分からないのだがなぜだか中毒性が高いフレーズを歌っていたかと思うと、メロディアスなアイドルポップスになり、パラッパッパッパーなどと軽快に口ずさまれたりもするという素晴らしい展開で、内容はチョコレートは食べすぎると太るのが悩みの種だがそれでもやはり食べたいというようなものでとても良い。

愛はおしゃれじゃない/岡村靖幸 W 小出祐介(2014)

岡村靖幸とBase Ball Bearの小出祐介によるコラボレーションシングルで、フジテレビ系のバラエティ番組「久保みねヒャダこじらせナイト」のテーマソングである。オリコン週間シングルランキングでは最高12位を記録した。

「モテたいぜ君にだけに」(「君だけに」ではない)という身も蓋もないが深刻な問題について、熱くエレガントに歌ったとても良い楽曲である。Base Ball Bearのミニアルバム「初恋」に収録された「君はノンフィクション」を岡村靖幸はすでにプロデュースしていたのだが、世代は違えど必然性が感じられるコラボレーションだということができる。

アイネクライネ/米津玄師(2014)

米津玄師のアルバム「YANKEE」に収録された楽曲だがとても人気が高く、ストリーミングチャートにも長年にわたってよくランクインしている。

自己肯定感がそれほど高くはない人が恋を知ってしまった時の感激や不安に寄り添ったような内容になっていて、音楽的に流れるようなメロディーかと思いきやオルタナティブロック的なギターや絶妙なシンセサウンドもあってとても味わい深い。

いいくらし/チームしゃちほこ(2014)

チームしゃちほこの6作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した。しゃちほこといえば名古屋城であり、チームしゃちほこはスターダストプロモーションに所属し名古屋を拠点とするアイドルグループなのだが、2018年にはTEAM SHACHIに改名する。

この曲はアシッドハウス的なサウンドが特徴であり、メインストリームのアイドルポップスとしてはかなり攻めているようにも感じられるのだが、それがいかにもアイドル的なキュートなボーカルと合わさることによって、世界中のどこにもないようなオリジナルな快感を実現しているように思える。

R.Y.U.S.E.I./三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE(2014)

三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの13作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで1位、「第56回日本レコード大賞」では大賞を受賞、Billboard JAPAN Hot 100、DAMカラオケリクエストランキング、レコチョクランキングなどでは2015年の年間1位に輝いている。

K-POPからの影響なども感じられるPOP EDMとでもいうべき楽曲であり、ダンスパフォーマンスもすさまじいのだが、サウンド的にもワールドワイドなトレンドに対応したような内容になっていて、これだけヒットしたのも納得である。まさにプロフェッショナルなエンターテイメントだということができる。

ひまわりの約束/秦基博(2014)

秦基博の17作目のシングルで、アニメ映画「STAND BY ME ドラえもん」の主題歌である。オリコン週間シングルランキングでは最高10位、Billboard JAPAN Hot 100では最高2位を記録した。

アコースティックでオーガニックでとても良い曲であり、「そばにいたいよ 君のために出来ることが 僕にあるかな」のところが特に印象的である。

はじまるふたり/さいとうまりな(2014)

大学生の頃に「ミスFLASH2011」を受賞したりした後にこの曲も収録したミニアルバムでデビューしたようなのだが、その後にリリースがあった気配はない。

作詞・作曲は堂島孝平でシティポップ歌謡とでもいうべき爽やかな楽曲なのだが、おそらくそれほどヒットしてはいないとは思うのだが、偶然に初めて聴いた時から超名曲だとしか思えず、やはりこういうのに入れないわけにはいかない。

その歌声も含め素晴らしい点はたくさんあるのだが、歌詞でいうと改札口の前で前髪を直すくだりが特にとても良い。

桃太郎/水曜日のカンパネラ(2014)

ユニークな音楽性と当時のボーカリストであったコムアイのキャラクターなどが話題になっていた水曜日のカンパネラだが、おとぎ話の「桃太郎」をテーマにしたこの曲は特に有名だったような気がする。

ヒップホップやテクノポップなどいろいろなタイプの音楽からの影響がミックスされているとは思うのだが、その調合具合がかなり特殊でありながらキャッチーにも感じられ、歌詞には「桃太郎」がテーマのはずなのに、「ファミコン一日一時間 でもPCエンジン3時間」などというフレーズがあったり、「団子をもらって命を投げ出す物好きなんていない」などと身も蓋もないことを言い出したりもする。

オドループ/フレデリック(2014)

フレデリックのメジャーデビューEPの表題曲で、タイトルは奇妙なというような意味の「odd」と「ループ」とをつなげ合わせた造語のようなのだが、「踊る」ことがループしているのではないかとも感じられる。

「踊ってない夜を知らない 踊ってない夜が気に入らないよ」などと歌われているように、後に改正されるのだが当時はクラブやライブハウスなどで踊ることを禁止していた風営法に対してのプロテストソングでもあったと思われる。

OAD「山田くんと7人の魔女」のエンディングテーマ曲やユニクロのCMソングでもあった軽快な楽曲で、そのようなメッセージを発してもいたというところがとても良い。

Dragon Night/SEKAI NO OWARI(2014)

SEKAI NO OWARIの通算9作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高4位、Billboard JAPAN Hot 100では最高2位を記録した。

エレクトロニカ的な要素を取り入れたユニークな音楽性が特徴的で、オランダのDJであるニッキー・ロメロを共同プロデューサーに迎えている。「人はそれぞれ『正義』があって 争い合うのは仕方ないのかもしれない」というようなことが歌われている。

クロノスタシス/きのこ帝国(2014)

きのこ帝国のアルバム「フェイクワールドワンダーランド」に収録された楽曲で、「”クロノスタシス”って知ってる? 『知らない』ときみが言う 時計の針が止まって見える現象のことだよ」と教えてもくれる。

缶ビールのサイズである「350ml」を「スリーファイブオーエムエル」と歌っているところなども含め、ゆったりと心地よい感じがとても良く、2021年の映画「花束みたいな恋をした」でも菅田将暉と有村架純が演じるその日に出会ったばかりの男女が明大前のカラオケボックスで歌っていた。

orphans/cero(2014)

ceroのとても良いアルバム「Obscure Ride」にも後に収録される楽曲で、家出の計画を立てることなどについて歌われているのだが、音楽的にはヒップホップやソウルミュージックなどからの影響が感じられるネオシティポップとでも呼びたくなるようなものである。

翌年にリリースされたアルバムはオリコン週間アルバムランキングで8位にランクインし、音楽ライターなどからもひじょうに高く評価されがちであった。