邦楽ロック&ポップス名曲1001: 2015

大器晩成/アンジュルム(2015)

ハロー!プロジェクトのアイドルグループ、スマイレージがアンジュルムに改名してから最初のシングルで、「乙女の逆襲」とのカップリングでリリースされた。オリコン週間シングルランキングでは最高2位を記録した。

中島卓偉が作詞・作曲、鈴木俊介が編曲したとてもカッコいい楽曲で、アップリフティングに熱く盛り上がる。「まあ気長に頑張りなさい」などのところの歌い方のクセなどが特にとても良い。

私以外私じゃないの/ゲスの極み乙女(2015)

ゲスの極み乙女の2作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで最高11位、Billboard JAPAN Hot 100では最高3位を記録した。

川谷絵音が現在のポップミュージックシーンにおいて稀に見る天才であることはおそらく周知の事実ではあるのだろうが、特にどこがすごいのかというと、なかなか変態的な音楽をやっていながらそれでもポップでキャッチーであり、現在という時代の最もカジュアルにエグめな感覚を表現しているように感じられるところである。

キーワードはおそらく自己肯定感というようなものなのかもしれないのだが、それはそうとして音楽的にも様々な実験がコンパクトに行われていながらめくるめく感じがたまらなく良く、現代人はこのバンドにリアルタイムでいられることの価値の高さをもっとありがたがるべきなのではないか、と感じたりもする。

シュガーソングとビターステップ/UNISON SQUARE GARDEN(2015)

UNION SQUQRE GARDENの10作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで最高5位、Billboard JAPAN Hot 100では3週連続1位を記録した。

テレビアニメ「血界戦線」のエンディングテーマとして書き下ろされた楽曲である。

ロックバンド編成ではあるのだが、かつてはロックミュージックの特徴の1つでもあった泥くささのようなものがほとんど感じられず、実にクリーンでスマートなイメージなのだが、そこが新感覚でとても良い。

サマータイムラブ/Shiggy Jr.(2015)

Shiggy Jr.の最初のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高28位を記録した。

池田智子のボーカルがとても良いのはもちろん、楽曲がポップに弾けていてとても良い。

夏だから好きな人ともっと長く一緒にいられるというような楽曲なのだが、それが片想いなのでまたさらに良い。そうでなければ少しはつまらなくなるからである。

夏という最高の季節が永遠に続いてほしいという祈りにも似た切実な想いが恋の気分と共に歌われているのだから、つまりそれは優勝であり最高なのである。

マジックミラー/大森靖子(2015)

「あたしのゆめは 君が蹴散らしたブサイクでボロボロのLIFEを掻き集めて大きな鏡をつくること 君がつくった美しい世界をみせてあげる」というようなことをこのようなアプローチで歌うことができるアーティストはおそらく他にはどこにもいない。

大森靖子のアルバム「TOKYO BLACK HOLE」からの先行シングル扱いということにおそらくはなるのだろうが、道重さゆみが特に好きな大森靖子の楽曲でもあるという事実にも感想を禁じえない。

ねぇバーディア/Negicco(2015)

Negiccoが日比谷野外大音楽堂でライブを行う少し前あたりにリリースしたシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高7位を記録した。

デビュー以来のグループとファンとの関係性をラヴソングのフォーマットに落とし込み、地元である新潟のご当地ネタやキャンディーズやアース・ウィンド・アンド・ファイアーへのオマージュ、ライブでは「好きになってもいいのかな」の後にファンが「いいよ」と合いの手を入れるのが恒例である。

メンバーそれぞれが新潟から各々の手段で個別に東京に向かい、合流したその先に日比谷野外大音楽堂があるというミュージックビデオもとても良い。

トリセツ/西野カナ(2015)

西野カナの27作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで最高6位を記録したのだが、おそらくこの順位がイメージさせる以上にはポピュラーだったような気がする。

タイトルの「トリセツ」とは取扱説明書の略で一般的によくそう言うのだが、それを曲のタイトルにしたセンスがまたすごい。というか、西野カナは日本のテイラー・スウィフトになれたかもしれない天才なので、もう新曲が聴けなくなってしまったことは大変な損失なのだが、一時期でもリアルタイムでいられたことをありがたく思うべきなのだろう。

この曲の歌詞は女性の本音かもしれず、とても面倒くさく感じられるものかもしれないのだが、そこがまたたまらなくいとおしくいてもたってもいられない気分にさせてくれる。そして、やはり適度にファニーでもある歌声がとても良い。

新宝島/サカナクション(2015)

サカナクションの11作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで最高9位、Billboard JAPAN Hot 100では1位を記録した。

サカナとアクションでサカナクションというのがバンド名の由来だが、まずこの2つの単語を繋げようと思ったセンスがかなりすごい。

それでこのオルタナティブなロックでポップでもありながらダンスミュージック的でもある楽曲は実にエポックメイキングというか、キラキラとした希望のようでもある。

ポップミュージックの機能の1つとして意識をここではないどこかへと束の間でも連れていってくれるというものがある、というようなことをすでにもうどこかで言っていたような気もするのだが、この楽曲もまたそのシリーズの一環であり、それらの中でも最新型のうちの1つだということができる。

あつまれ!パーティーピーポー/ヤバイTシャツ屋さん(2015)

ヤバイTシャツ屋さんの2作目のシングル「ピアノロックバンド」の1曲目に収録された楽曲である。

まずバンド名がとてもユニークなのとボーカル・ベースのありぼぼはよく道重さゆみがデザインしたTシャツを着ている印象がある。

シャッシャッシャッシャッシャ×3、エビバーディなどと歌われるクラブでかかっていがちな楽曲(LMFAO feat. Lil Jon「Shots」)を引用し、サブカル的でありながらいわゆるパーティーピープル的な人たちについてポジティブに歌っているところがとても良い。

クリスマスソング/back number(2015)

back numberの14作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位、Billboard JAPAN Hot 100で1位を記録した。

ある世代を境に邦楽のクリスマスソングといえば山下達郎やユーミンではなくback numberというのがコモンセンスになる。

広く共感を呼ぶ絶妙な情けなさのようなものがこの楽曲でも健在なのだが、それがいまどきの気分にはマッチしているようにも感じられるし、さらには「やっぱりこんな事伝えたら格好悪いし 長くなるだけだからまとめるよ 君が好きだ」というような歌詞はポップソングとしてかなり強いと言わざるをえない。