Real Life POP Top 10 (August 12 2023)

夏真っ盛りで最高な日々、個人的にはほぼ渋谷の最たるスポットにいることが多く、「熱中時代・刑事編」で水谷豊が演じた早野武ばりに「ご機嫌だぜ」という気分を無理やりに盛り上げているわけだが、奇跡的に「心のベストテン第一位はこんな曲だった」的なやつの奇跡的にも飽きずに3週目をお送りしていきたい。

10. 青と夏/Mrs. GREEN APPLE

Mrs. GREEN APPLEが2018年の夏にリリースしたシングルである。つまり5年前の曲なのだがいまだに聴かれまくっている。というか、おそらくデジタルネイティブのZ世代あたりにとってはバリバリの夏の定番ソングらしい。

夏の恋をテーマにした快汗ロックという風情ではあるのだが、おそらくそれはいつか終わってしまうのだろうということだとか、忘れられてしまうに違いないという真実なども踏まえた上で、それでもとにかくいまを生きようという正しいメッセージ性が強く感じられ、感動的ですらある超名曲である。

9. サマータイムシンデレラ/緑黄色社会

フジテレビ系で毎週月曜の21時から放送されているいわゆる「月9」ドラマ「真夏のシンデレラ」の主題歌で、CDシングルはどうやら9月6日まで発売されないらしいのだが、配信はすでにはじまっていて、ミュージックビデオも公開された。

いつもながら長屋晴子のボーカルが上手くてとても良い。聴きやすくて癒し効果すら実感できる上に、ポップソングとしての満足度も高いので最高である。渋谷のバスケットボールストリートことセンター街でも、先週何度か耳にしたような気がする。

夏よまだ終わらないでというような気分が歌われてもいるところが個人的にはとても好ましく、いまのところまだ夏真っ盛りなので心配はないのだが、これが後半になってきて本格的に寂しくなりがちな頃合いで再び寄り添ってくれそうな予感もする。夏最高。

8. 美しい鰭/スピッツ

スピッツのアルバム「ひみつスタジオ」からの先行シングルにして、劇場版アニメ「名探偵コナン 黒鉄の魚影」の主題歌である。

リリースが4月12日で、それからずっとよく聴かれ続けているロングヒットである。特にスピッツのようなベテランバンドにとっては快挙だともいえるわけだが、歌詞の内容や曲の雰囲気からいっても、夏にこそ真価を発揮する楽曲のようにも思える。

7. 地球儀/米津玄師

宮崎駿監督のアニメ映画「君たちはどう生きるか」の主題歌である。

スタジオジブリ映画を観てきて、思い入れもある米津玄師が恩返し的な意味合いも込めてつくった曲のようであり、壮大なスケール感と真摯な想いが伝わってもくる。

6. アイドル/YOASOBI

この曲を主題歌とするテレビアニメ「【推しの子】」はすでに放送を終えているのだが、いまだに聴かれまくっている。

テレビアニメそのものの魅力ももちろんあるのだが、ポップソングとしての情報量であったりクオリティーが驚異的である。

「夜に駆ける」その他ヒット曲の数々によって、令和初期の日本のポップミュージックシーンにおいて間違いなく最も重要なユニットの1つとして知られるYOASOBIだが、この曲においてはタイアップ元のニーズに応えることによって新境地を開拓するのと同時に。ポップソングの最新型を更新したということもできる。

アイドルポップソング的要素の導入やラップパートを含むボーカルパフォーマンスにおけるIkuraの変幻自在ぶりなど、圧倒的な素晴らしさである。

5. Magic/Mrs. GREEN APPLE

Mrs. GREEN APPLEの第2フェーズ開幕後、最初のアルバムとなった「ANTENNA」からの先行トラックにして、コカ・コーラのCMにも起用された。

人々の自己肯定感を低めがちな要素で満ち溢れている現在において、このバンドが圧倒的な支持を得ている理由の1つは、そういった現場にリアルに寄り添いながらも、ポジティブでアップリフティングなメッセージを発しているところであろう。

ケルト音楽的なフレーズや80年代シンセポップ的なサウンド、超キャッチーでありながらアップリフティングな「Hey! 白昼夢スターライト」などのくだり、ファルセットなども駆使した素晴らしいボーカルパフォーマンスなど、ポップソングとしてシンプルに俄然強めである。

4. 青のすみか/キタニタツヤ

人気テレビアニメ「呪術廻戦 懐玉・玉祈」のオープニングテーマ曲である。

ロック的なサマーチューンであり、歌詞はアニメ登場人物同士の関係性を思い浮かべた上で聴くとさらに味わい深いようなのだが、それを抜きにしても青春に対しての郷愁や消えない想いなどをテーマにした超名曲だということができる。

3. Super Shy/NewJeans

韓国のガールズグループ、NewJeansのEP「Get Up」から先行してリリースされた、ライトでブリージィーなポップソングである。

内気すぎて想いを素直に伝えることができないし、あなたは私の名前すら知らないという状況ではあるのだが、楽曲とパフォーマンスからは未来への期待とポジティブティーを感じることができ、それらはおそらく現在の世界が最も必要としているものの1つであろう。

2. ETA/NewJeans

NewJeansのEP「Get Up」からシングルカットされた楽曲である。iPhone 14 ProのCMでも使われている。

ポップミュージック界のトレンドでもあるジャージークラブというサブジャンルからの影響を受け、ホーンのフレーズが特に印象的である。

特徴であるナチュラルでクリーンなボーカルで恋人の浮気というようなダークなテーマを扱ってもいるのだが、セルフエンパワメントでガールズパワー的なメッセージ性も感じられてとても良い。

1. Seven/JUNG KOOK & Latto

韓国の超人気グループ、BTS(防弾少年団)のメンバー、JUNG KOOKのソロデビューシングルで、アメリカのラッパー、Lattoをフィーチャーしてもいる。

2023年夏のサウンドトラックの1曲としておそらく多くの人々に記憶されていくことになるであろうこの曲は、すでに全米シングル・チャートでも1位に輝いている。

月曜から日曜まで、7日間すべて愛したいとエモーショナルに歌われるのだが、サウンドはわりとクールめであり、そのバランスが絶妙でとても良い。