洋楽ロック&ポップス名曲1001:1997, Part.4

Roni Size/Reprazent, ‘Brown Paper Bag’

ロニ・サイズ・アンド・レプラゼントのアルバム「ニュー・フォーム」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高20位を記録した。

イギリスのサウスロンドンで誕生した音楽ジャンル、ドラムンベースも細分化していき、ブリストルのロニ・サイズとクルーたちがやっていた音楽は、ジャズの要素を大胆に取り入れたものであった。

クラブミュージックのシーンのみならず、メインストリームの音楽リスナーからも支持されたり、アルバムはマーキュリー賞を受賞したりもしていた。

The Beta Band, ‘Dry the Rain’

スコットランドのインディーロックバンド、ザ・ベータ・バンドの最初のEP「チャンピオン・ヴァージョン」に収録された楽曲で、ヒットチャート上では特に大ヒットしたりはしていないのだが、批評家やインディーロックのリスナーからは大絶賛された。

フォークやサイケデリア、エレクトロニカやトリップホップからエクスペリメンタルロック的な要素までをもブレンドした音楽性はフォークトロニカなどともいわれた。

ジョン・キューザックが主演した2000年の映画「ハイ・フィデリティ」において、中古レコード店のシーンで使われたことによって、ポップカルチャー史にも分かりやすい足跡を残した件についてはグッジョブと全力で賛辞を送りたい気持ちでいっぱいである。

The Verve, ‘The Drugs Don’t Work’

ザ・ヴァーヴのアルバム「アーバン・ヒムス」からの先行シングルとしてリリースされ、全英シングルチャートで1位に輝いた。

ブリットポップブームの真っ只中にメンバー間の確執によって解散したものの、やはりこのメンバーでなければいけないという結論に至り、再結成した後の作品である。

この曲が大ヒットした背景として、ダイアナ元妃の交通事故死によって悲しみに暮れる国民感情に、この悲痛なバラードが偶然にも寄り添ったという事実が大きく影響したのではないか、と考察されることもあったりはする。

Grandaddy, ‘Summer Here Kids’

カリフォルニア州モデストで結成されたオルタナティブロックバンド、グランダディのアルバム「アンダー・ザ・ウェスタン・フリーウェイ」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高83位を記録した。

それほど大きくヒットしたわけではないのだが、ナチュラルでオーガニックなローファイインディーロックシーンが生んだ超絶サマーキラーチューンとして一部では熱烈に支持されているかもしれない。

Natalie Imbruglia, ‘Torn’

オーストラリア出身のシンガーで女優でモデルのナタリー・インブルーリアがデビューアルバム「レフト・オブ・ザ・ミドル」からのリードシングルとしてリリースしたリス・ソーレンセンおよびエドナスワップの楽曲のカバーバージョンで、全英シングルチャートで最高2位を記録した。

アメリカではエアプレイ/ラジオソングチャートで11週連続1位に輝き、実際によく聴かれていたのだが、当時の全米シングルチャートはCDシングルの売上を集計するものだったため、プロモーション用のシングルしか制作していなかったこの曲はランクインしていなく、集計方法が変わったギリギリのタイミングで辛うじて最高42位を記録したのであった。

Elliott Smith, ‘Miss Misery’

エリオット・スミスがガス・ヴァン・ザント監督の映画「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のサウンドトラックに提供した楽曲で、アカデミー賞では歌曲賞にノミネートされた。

歌詞にはスコッチウィスキーの銘柄であるジョニーウォーカーレッドも登場し、やはりエリオット・スミスとアルコールとは切り離すことができないのだという印象をあたえる。