洋楽ロック&ポップス名曲1001:1951

Jackie Brenston and His Delta Cats, ‘Rocket 88’

ジャッキー・ブレストンと彼のデルタ・キャッツ名義のシングルなのだが、演奏しているのはアイク・ターナーのキングス・オブ・リズムスで、リードボーカルをとっているジャッキー・ブレストンはバンドのサックス奏者であった。

後にサンレコードを設立するサム・フィリップスがプロデュースしたこの曲は、最初のロックンロールソングとされることもあるのだが、そうではないという意見もある。

アンプが車から落下して破損したため新聞紙を詰めるなどしたのだが、それが原因で歪んだ音が出て、これはなかなかカッコいいのではないか、ということになったといわれる。

タイトルは当時、最先端だった自動車の名前に由来している。アイク・ターナーがピアノを弾いているが、後にリトル・リチャード「グッド・ゴリー・ミス・ゴリー」に引用される。

ビルボードのR&Bチャートで1位を記録した。

Elmore James, ‘Dust My Broom’

元々はロバート・ジョンソンが1936年に「アイ・ビリーヴ・アイ・ダスト・マイ・ブルーム」としてレコーディングした楽曲である。

ブルースを基調としながらブギーのリズムを用いた初期の例として知られる楽曲だが、スライドギターの演奏によるアレンジが加えられたエルモア・ジェイムスのバージョンは、最もポピュラーなブルースのギターリフを有し、様々なアーティストに影響をあたえた。

Johnnie Ray, ‘Cry’

アメリカのソングライター、チャーチル・コールマンが書いた楽曲で、最初はルース・ケイシーによってレコーディングされたが、ヒットしたジョニー・レイのバージョンで有名になった。

悲しいときには泣きなさいというようなことを歌った胸をしめつけるようなボーカルパフォーマンスは、後にエルヴィス・プレスリーなど多くのアーティストたちに影響をあたえたといわれる。

聴覚障害を持ち、後に補聴器をつけてパフォーマンスを行うようになったことや、奔放な性的嗜好などによっても知られ、デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの80年代のヒット曲「カモン・アイリーン」の歌詞でも言及されたり、時代を象徴した事件や人物名などを取り上げたビリー・ジョエル「ハートにファイア」の歌詞にも登場する。