50 Greatest Summer Songs of All Time (20-11)

20. Miserlou – Dick Dale & His Del-Tones (1962)

曲そのものはかなり昔から存在し、誰がつくったのかすら定かではないようなのだが、ディック・デイルと彼のデル・トーンズによるサーフ・ロックバージョンが1962年にリリースされ、それから32年後の1994年にはクエンティン・タランティーノ監督の映画「パルプ・フィクション」に使われ、さらにポピュラーになった。イントロでハッ、ハッ、ハーッと合いの手を入れたくなる。

19. Saturday in the Park – Chicago (1972)

シカゴのロバート・ラムが1970年7月4日に、ニューヨークのセントラル・パークでアメリカ独立記念日を祝う光景にインスパイアされ、つくった楽曲だといわれている。全米シングル・チャートでは最高3位のヒットを記録している。当時のシカゴの特徴であるホーンを効果的に用いたピースフルなサウンドが魅力的であり、テレビCMなどでも使われがちである。一部、新潟を拠点とするアイドルグループファン界隈ではラインダンス必至の名曲「圧倒的なスタイル」のインスパイア元としても知られる。

18. Wipe Out – The Surfaris (1963)

フリッパーズ・ギター「ワイルド・サマー/ビートでゴーゴー」において「ワイプ・アウト リトル・ホンダ ジャンとディーンもそろえたさ」と歌われているうちの「ワイプ・アウト」である。いわゆるサーフ・インスト曲にあたり、全米シングル・チャートで最高2位を記録している。日本では元ダチョウ倶楽部の南部虎弾がひきいるパフォーマンスグループ、電撃ネットワークがよく使っていたイメージも強い。80年代にはファット・ボーイズとビーチ・ボーイズによるカバーバージョンが、全英シングル・チャートで最高2位のヒットを記録している。

17. That Summer Feeling – Jonathan Richman (1992)

あの夏の気分を思い出さずにはいられない、というようなことがとても詩的に歌われた回想的でありながら美しい楽曲である。つまり、イノセンスの喪失のようなものがテーマになっているようでありながら、実はそれは完全に失われたというわけでもなくて、埃をかぶっているだけかもしれない、という気分にも夏はとかくされがちである。

16. (Love is Like a) Heat Wave – Martha & The Vandelas (1963)

ホーランド=ドジャー=ホーランドによるいわゆるモータウン・サウンド全開のダンサブルでキャッチーな曲で、全米シングル・チャートでは最高4位を記録した。恋をした時の熱く情熱的な気分を熱波にたとえた内容であり、「恋はヒート・ウェイヴ」の邦題もとても良い。ザ・ジャムもアルバム「セッティング・サンズ」でカバーしている。

15. Rockaway Beach – Ramones (1977)

ラモーンズのアルバム「ロケット・トゥ・ロシア」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで最高66位を記録した。パンク・ロック・ミーツ・サーフ・ロック的な楽曲である。ニューヨーク州クイーンズに実在し、ディー・ディー・ラモーンがよく訪れていたというロッカウェイ・ビーチのことが歌われている。

14. Holiday – Madonna (1983)

マドンナにとって初の全米トップ40シングルで、全米シングル・チャートで最高16位を記録している。80年代ダンス・ポップ的なシンセサウンドと、まだスターではなかった頃のマドンナのそれでもすでにチャーミングなボーカルがとても良い。休みというのはとても素晴らしいものだ、という紛れもない真実がテーマになっている。

13. Summer Breeze – The Isley Brothers (1973)

シールズ&クロフツのヒット曲をアイズレー・ブラザーズがアルバム「3+3」でカバーしたバージョンである。全米シングル・チャートで最高60位、全英シングル・チャートでは最高16位を記録している。ボーカルハーモニーやギターソロなど、暑い夏の日や夜などの様々なシチュエーションで聴くのにとにかく最高である。個人的には札幌の玉光堂で1986年の夏休みに買った「NOW-THE SUMMER ALBUM」というコンピレーション・アルバムで手に入れて、すすき野にあった友人のアパートで夕暮れに聴いたのが最初であった。テレビでおニャン子クラブが「夏休みは終わらない」を歌っていた頃である。GREAT3もデビュー・アルバム「Richmond High」で「想い出のサマーブリーズ」としてカバーしていた。

12. Summertime – Sam Cooke (1958)

ジョージ・ガーシュインが1935年のオペラ「ポーギーとベス」のために作曲した曲で、様々なアーティストによるバージョンが存在する。ディフィニティヴと見なされがちなのはエラ・フィッツジェラルドのバージョンだったり、ロックファンにはジャニス・ジョプリンが歌うビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーによるカバーが有名だったりするが、ここではサム・クックのバージョンを挙げておきたい。内容は夏になればお金が入って生活がもっと豊かになるので、坊やどうか泣くのはおよし、というような子守唄になっている。

11. Cruel Summer – Bananarama (1983)

邦題が「ちぎれたハート」で、夏なのに失恋しているという正直しんどい状況について歌われている。MTV時代らしいニュー・ウェイヴ的なサウンドにバナナラナのあまり抑揚のないユニゾンボーカルが絶妙にハマり、とても良い味を出しているように思える。イギリスでは1983年に全英シングル・チャートで最高8位を記録したが、アメリカでは映画「ベスト・キッド」で使われた1984年になってからヒットして、夏も過ぎ去った9月の終わりに全米シングル・チャートで9位まで上がった。