50 Greatest Summer Songs of All Time (40-31)

40. Under the Boardwalk – The Drifters (1964)

ボーカルグループ、ドリフターズによって全米シングル・チャートで最高4位を記録した曲で、「渚のボードウォーク」の邦題で知られる。リードボーカルを取る予定だったメンバーが病気で亡くなるという悲劇を乗り越えてレコーディングされたこの曲には、グループの以前のヒット曲「アップ・オン・ザ・ルーフ」のフレーズが引用されているところもある。ボードウォークとはつまり遊歩道のことであり、その下でというシチュエーションに秘密裡的な良さを感じたりもする。ローリング・ストーンズやトム・トム・クラブなど数多くのアーティストによってカバーされているが、俳優のブルース・ウィリスによるバージョンはイギリスではドリフターズのオリジナルが全英シングル・チャートで最高45位だったのに対し、最高2位の大ヒットを記録している。

39. Summer Nights – Olivia Newton-John & John Travolta (1978)

ミュージカル映画「グリース」のサウンドトラックからで、主演のオリヴィア・ニュートン・ジョンとジョン・トラヴォルタによってデュエットされている。それぞれが夏の熱いロマンスについて、友人たちに話す場面で歌われる。全米シングル・チャートでの最高位は5位、イギリスでは全英シングル・チャートで7週にわたって1位を記録し、この前のシングル「愛のデュエット」の9週と合わせ、この年の夏、イギリスではオリヴィア・ニュートン・ジョン&ジョン・トラヴォルタの曲が合計16週にもわたって1位だったことになる。ちなみに映画「グリース」は日本では正月映画として公開されたわけだが、夏にはこれまたジョン・トラヴォルタが主演した「サタデー・ナイト・フィーバー」が大ヒットしていた。

38. I Like It – Cardi B, Bad Bunny & J. Balvin (2018)

カーディ・Bのデビュー・アルバム「インヴェイジョン・オブ・プライバシー」から4枚目のシングルとしてカットされ、全米シングル・チャートで1位に輝いた。プエルトリカンのラッパー、バッド・バニーとコロンビア出身のシンガー、J・バルヴィンをフィーチャーし、サルサ風味のトラップとでもいうような新感覚のポップスが実現している。

37. Rock Lobster – The B-52’s (1979)

ニュー・ウェイヴ・バンド、B-52’sの初期の代表曲で、1978年にローカルレーベルからリリースされた後、デビュー・アルバム「警告!THE B-52’S来襲」のために再録音されている。全米シングル・チャートで最高56位、全英シングル・チャートでは最高37位を記録した。ジョン・レノンが1980年に生前のインタヴューでこの曲に言及している。子犬や赤ちゃん、ロブスターなどの画像をスライドで写すナイトクラブがあったらしく、それにもインスパイアされたビーチパーティー・アンセム的な楽曲である。

36. In the Summertime – Mungo Jerry (1970)

イギリスのロック・バンド、マンゴ・ジェリーのデビュー・シングルで、メンバーのレイ・ドーセットが10分ぐらいでつくったという。夏の悩みごとがなく開放的な気分をテーマにしていて、全英シングル・チャートで1位に輝いた。 

35. Island in the Sun – Weezer (2001)

「ウィーザー(ザ・グリーン・アルバム)」からシングル・カットされ、全英シングル・チャートで最高31位を記録するなど、アメリカ以外では最もヒットしたウィーザーの曲となっている。とはいえ、メンバー自身は実はそれほど気に入っていなかったらしく、アルバムにも収録しないつもりだったのだが、プロデューサーであるリック・オケイセックの意見によって採用されたようだ。

34. Cemetry Gates – The Smiths (1986)

ザ・スミスのアルバム「クイーン・イズ・デッド」収録曲で、シングル「アスク」のカップリング曲でもある。ザ・スミスの楽曲の中でも清涼感が感じられがちだが、ジョニー・マーがつまらないのでボツにしようとしていたギターリフをモリッシーが気に入って、それを元につくられた曲らしい。晴れた日に友人と墓地に行って、ロマン派詩人の人生に思いをはせたりするという内容の曲である。

33. Girls and Boys – Blur (1994)

ブラーのアルバム「パークライフ」からの先行シングルで、全英シングル・チャートで最高5位はこの時点ではデビュー以来で最も高い順位であった。60年代のブリティッシュ・ポップに影響を受けたような音楽を前作でやっていたブラーが、突然にディスコ・ポップ化して度肝を抜かれたりもしたのだが、これによってインディー・ロック以外の一般大衆にも人気が広がり、ブリットポップの盛り上がりにつながっていった。

32. Surf City – Jan & Dean (1963)

サーフ・ロックを代表するヒット曲で、全米シングル・チャートで1位に輝いている。ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンとメンバーのジャン・ベリーによって書かれた架空のサーフスポットについての曲だが、歌い出しの「2ガールズ・フォー・エヴリ・ボーイ」というフレーズのわりには、ジャケットではジャンとディーンの2人の男性に対して、女性が1人しか写っていない。

31. Here Comes the Sun – The Beatles (1969)

ビートルズのアルバム「アビイ・ロード」に収録された曲である。メンバーのジョージ・ハリソンがビートルズの度重なるビジネス・ミーティングにうんざりして、キャンセルしエリック・クラプトンの家を訪れた時にできた曲らしい。春の訪れに安堵する気持ちなどがあらわされているといわれ、レコーディングされたのが夏だったとしても夏の曲とはけしていえないのではないかというような気もしていたのだが、夏のコンピレーション・アルバムやプレイリストなどに選曲されているのを見たり聴いたりしているうちに、夏の曲ということでもいいのではないかという気分になっていった。