The 500 Greatest Songs of All Time : 220-211
220. I Feel for You – Chaka Khan (1984)
チャカ・カーンのアルバム「フィール・フォー・ユー」からシングルカットされ、全米シングル・チャートで最高3位、全英シングル・チャートでは1位に輝いている。
プリンスが1979年にリリースしたアルバム「愛のペガサス」に収録された「恋のフィーリング」のカバー・バージョンである。この曲はプリンスが「ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」と共にパトリース・ラッシェンに提供したが、却下されていたようだ。
スティーヴィー・ワンダーのハーモニカ、グランドマスター・メリー・メルのラップがフィーチャーされている。プリンスが「パープル・レイン」でブレイクしている真っ只中でヒットして、全米シングル・チャートで最高位の3位を記録した週の2位は「パープル・レイン」(1位はワム!「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」であった。
219. I Wanna Be Your Dog – The Stooges (1969)
ザ・ストゥージズのデビュー・アルバム「イギー・ポップ・アンド・ストゥージズ」からシングルカットされたが、特にヒットはしていなかったようだ。
ヘヴィーでノイジーなサウンドは、後のパンク・ロックなどにも大きな影響をあたえたといわれる。プロデューサーはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルで、この曲ではピアノも弾いている。
218. Heat Wave – Martha & The Vandellas (1963)
マーサ&ザ・ヴァンデラスが1963年7月にリリースしたシングルで、全米シングル・チャートで最高4位を記録している。
モータウンの人気ソングライターチーム、ホーランド=ドジャー=ホーランドによる楽曲で、初期においていわゆるモータウンサウンドの典型を確立した楽曲の一つとしても知られる。
恋の情熱を熱波にたとえたこの曲はモッズ族にも人気が高く、イギリスではザ・ジャム、日本ではザ・コレクターズによってカバーもされている。
217. Because the Night – Patti Smith Group (1978)
パティ・スミス・グループのアルバム「イースター」からシングルカットされ、全米シングル・チャートで最高13位、全英シングル・チャートで最高5位を記録した。
ブルース・スプリングスティーンがアルバム「闇に吠える街」のレコーディング・セッション時につくってはいたが歌詞が完成していなかったこの曲を、パティ・スミスにヒット曲が欲しかったプロデューサー、ジミー・アイオヴィーンから相談を受けて提供することになった。パティ・スミスが歌詞を完成させてレコーディングし、リリースしたところヒットしたという経緯である。
216. Sex & Drugs & Rock & Roll – Ian Dury (1977)
イアン・デューリーが1977年8月にリリースしたシングルだがヒットしなく、すぐに廃盤になったらしい。デビュー・アルバム「ニュー・ブーツ・アンド・パンティーズ」には収録されなかったため、しばらくレコードに入手が難しかったようだが、ジョン・ピールなどのDJがラジオでかけ続けたり、「NME」のクリスマスパーティーで配るために1000枚だけプレスされたりしていたようだ。
タイトルにもなっている「セックス&ドラッグ&ロックンロール」という常套句をややユーモラスに歌い、音楽的にはオーネット・コールマンの曲を参考にするなどひじょうにユニークで、パンク/ニュー・ウェイヴの名曲として後に評価されるようになるが、当時はBBCで放送禁止になったりもしていたようだ。
215. Where It’s At – Beck (1996)
ベックのアルバム「オディレイ」から先行シングルとしてリリースされ、全米シングル・チャートで最高61位、全英シングル・チャートで最高35位を記録した。
オールド・スクール・ヒップホップやエレクトロなどに加え、性教育のレコードまでをもサンプリングした、ハイブリッドで当時としては最新型のポップ・ミュージックである。
214. Don’t Stop ‘Til You Get Enough – Michael Jackson (1979)
マイケル・ジャクソンのアルバム「オフ・ザ・ウォール」から先行シングルとしてリリースされ、全米シングル・チャートで1位に輝いた。邦題は「今夜はドント・ストップ」である。
クインシー・ジョーンズがマイケル・ジャクソンをプロデュースした初期の楽曲であり、ジャクソン5や子供時代のソロ活動を経て、大人になったマイケル・ジャクソンをアピールしながら、当時のトレンドであったディスコ・ミュージックにも対応した素晴らしいポップソングである。
213. 20th Century Boy – T. Rex (1973)
T・レックスが1973年3月にリリースしたシングルで、全英シングル・チャートで最高3位を記録した。
イントロがとにかくとてもカッコよく、マーク・ボランのボーカルもポップにセクシーでとても良い。来日ツアー中に赤坂にあった東芝EMIのスタジオでレコーディングされたらしい。
212. Sexual Healing – Marvin Gaye (1982)
マーヴィン・ゲイのアルバム「ミッドナイト・ラヴ」から先行シングルとしてリリースされ、全米シングル・チャートで最高3位を記録した。
当時はまだとても新しく感じられた打ち込みのトラックにのせて、ただただセクシーなことだけが歌われる楽曲なのだが、グラミー賞で2部門を受賞したり「ミッドナイト・ラヴ」は「NME」で年間ベスト・アルバムに選ばれるなど、カムバックを強く印象づけた。
しかし、リリースの翌々年に実の父によって射殺され、これが生前最後の作品となった。
211. R U Mine? – Arctic Monkeys (2012)
アークティック・モンキーズが2012年2月にリリースしたシングルで、全英シングル・チャートで最高23位を記録した。
ジャンルとしてはインディー・ロックではあるものの、それまでの作品に比べ、ヒップホップやR&Bからの影響がより強まっているようにも感じられた。
バンドの音楽性が明らかに大きく変化してきていることが何となく分かったのだが、それはこの翌年にリリースされ、この曲も収録した素晴らしいアルバム「AM」として結実することになる。