邦楽ポップ・ソングス・オール・タイム・ベスト500:150-141

150. 冬へと走りだそう/かせきさいだぁ (1995)

かせきさいだぁのデビューアルバム「かせきさいだぁ」やそれ以前にリリースされていたアナログレコードにも収録されていた曲である。

「渋谷系」的なヒップホップソングであり、タイトルはアズテック・カメラ、歌詞には佐野元春、ザ・スタイル・カウンシル、松田聖子などからの引用と思われるフレーズもある。そんな気分なのです。

149. ギミチョコ!!/BABYMETAL (2014)

BABYMETALのアルバム「BABYMETAL」に収録された曲で、イギリスではシングルカットもされた。

ヘヴィーメタル的な音楽をバックに歌い踊るアイドルグループというコンセプトや楽曲、パフォーマンスのクオリティーが高いことによって、世界的にも大人気となった。

「あたたたたた ずっきゅん!」などといった擬音的なフレーズとEDM的でもあるサウンドから、ポップでキャッチーで少し切なげなメロディーに移行し、チョコレートを食べたいけれども体重が少し気になる、というようなことについて歌われている。

148. 若者のすべて/フジファブリック (2007)

フジファブリックの10枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高30位を記録した。

夏の終わりの切ない気持ちや感傷をテーマにした楽曲として次第に評価が高まり、現在では平成を代表する名曲の1つとして知られる。

「真夏のピークが去った 天気予報士がテレビで言ってた」という日常的なフレーズからはじまるが、「何年経っても思い出してしまうな ないかな ないよな きっとね いないよな 会ったら言えるかな まぶた閉じて浮かべているよ」と歌われているように、けして消えることのない深い喪失感こそが本当の主題でもある。

147. 一本の音楽/村田和人 (1983)

村田和人のアルバム「ひとかけらの夏」からの先行シングルで、カセットテープのCMソングとして制作された。山下達郎が編曲を手がけている。

「君の好きな歌をいつもポケットに入れて 一本の音楽が僕の旅のパスポート」という歌詞はいかにもカセットテープのCMにふさわしいが、村田和人の大らかなボーカルが限りない自由をも感じさせてくれるようでとても良い。シティ・ポップの名曲としても知られる。

146. イエロー・マジック・カーニバル/マナ (1979)

マナのデビューアルバム「チャバコトリック」からのシングルカットで、ティン・パン・アレイのカバー曲である。

作詞・作曲は細野晴臣で、オリエンタルなムードとキュートなボーカルがとても良い。テクノ歌謡やシティ・ポップの名曲としても知られる。

145. リライト/ASIAN KUNG-FU GENERATION (2004)

ASIAN KUNG-FU GENERATIONの5枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高4位のヒットを記録した。

インディー・ロックやオルタナティヴ・ロック的な音楽に文学性も感じられるところがとても良く、この曲はテレビアニメ「鋼の錬金術師」のオープニングテーマにも使われたことから、アニソンの名曲としても知られる。

元々は当時、何かと話題になっていたコピーコントロールCDに対する批評をテーマとした楽曲であった。

144. ナチュラルに恋して/Perfume (2010)

Perfumeの10枚目のシングルとして「不自然なガール」との両A面でリリースされ、オリコン週間シングルランキングでは最高2位のヒットを記録した。

「何気ない気持ちがいちばんのほんもの」「キミは人気者だし不安にもなるけれど そうやって寄り添うたび安心しちゃうの」など、テクノポップ的なサウンドにのせて、等身大的な歌詞が歌われる。

全体的にユニゾンで歌われていて、各メンバーのソロパートがないところも特徴である。個人的にはどうにかなってしまいそうな嫉妬心をあえて増強する目的で、意図的に聴き続けていた時期があった。

143. ファンタジー/岩崎宏美 (1976)

岩崎宏美の4枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した。

筒美京平の作曲・編曲によるディスコ歌謡的なとても良い曲のうちの1つである。

個人的には「あなたのこと考えてる私はひとり」というところの物憂げな感じがとても好きなのと、この曲なんかいいかも、というような感じを生まれて初めて覚えた曲として印象深い。当時はまだ見たことも乗ったこともなかった「地下鉄」という単語に都会を感じたりもしていた。

142. スロウライダー/サニーデイ・サービス (1999)

サニーデイ・サービスのアルバム「MUGEN」からの先行シングルとしてリリースされた。

ポップ・ミュージックとは心をここではないどこかへと連れていってくれるものでもあり、急がば回れ的な旅をテーマにしているようでもあるこの曲にもそれを感じたりはする。

急いでいるようでもあるのだが、ゆっくり行っている。それは人生を象徴しているようでもあり、深い悲しみを抱えながらも走り続けていかなければならない、と思わせてくれる。ミュージックビデオもとても良い。

141. 渚にまつわるエトセトラ/PUFFY (1997)

PUFFYの4枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。

作詞が井上陽水、作曲・編曲は奥田民生である。歌詞はナンセンス的で曲やアレンジには様々な洋楽ポップスからの影響が詰め込まれている。

全般的には真夏のイケイケモードなのだが、「リズムがはじけれ恋するモード」のところのメロウな感じや、「私たちはスゴイ ラッキーガール」の2度と戻っては来ない最高の時間をそうとも知らず、いままさに満喫している感じに泣き出しそうになることもある。