洋楽ロック&ポップス名曲1001:2001, Part.1

Gorillaz feat. Del the Funky Homosapien, ‘Clint Eastwood’

アニメーションのキャラクター4名によるバーチャル・バンド、ゴリラズのデビューシングルで、全英シングル・チャートで最高4位を記録した。ブラーのデーモン・アルバーンとコミック作家のジェイミー・ヒューレットが中心となっていることは周知の事実である。

タイトルの「クリント・イーストウッド」はもちろん同名の人気俳優から取られているが、この曲の雰囲気とクリント・イーストウッドが主演した「続・夕陽のガンマン」「荒野の用心棒」といった映画のサウンドトラックとの類似性に由来している。

ゴリラズの楽曲にはショーン・ライダー、デ・ラ・ソウルをはじめ有名アーティストがゲストとしてフィーチャーされがちだが、この曲ではデル・ザ・ファンキー・ホモサピエンがラップで参加している。

Missy Elliott, ‘Get Ur Freak On’

ミッシー・エリオットのアルバム「ミスE…ソー・アディクティヴ」から先行シングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで最高7位、全英シングルチャートで最高4位を記録した。

バングラと呼ばれる音楽の独特なビートを取り入れ、反復的だがひじょうに中毒性の高い楽曲になっている。曲の初めに「これからみんなでメチャクチャ踊って、騒ごう、騒ごう」と日本語で言ったり、途中で「1、2、3、4」が「いち、に、さん、し」とカウントされるところなどもとても良い。

The Strokes, ‘Hard to Explain’

ザ・ストロークスのデビューアルバム「イズ・ディス・イット」からリードシングルとしてリリースされ、全英シングルチャートで最高16位、アメリカではビルボードのオルタナティブエアプレイチャートで最高27位を記録した。

ニューヨーク出身のザ・ストロークスの登場は当時ひじょうに衝撃的であり、メタルラップ的な音楽が流行していた当時のオルタナティブロックシーンにおいて、ニューウェイブ的なクールな感覚を復活させたり、ガレージロックリバイバルを巻き起こしたりもした。

すべてを理解しようとすることはけして良いことではなく、物事はあるがままにとらえるべきであり、心配する必要はないというようなことが歌われたこの楽曲にも特徴はあらわれている。

ロマン・コッポラとヨハネス・ギャンブルによって監督されたミュージックビデオはバンドが演奏する映像や映画、テレビドラマ、CM、ビデオゲームなどのコラージュになっている。

Roots Manuva, ‘Witness (1 Hope)’

イギリスのラッパー、ルーツ・マヌーヴァのアルバム「ラン・カムズ・セイヴ・ミー」からリードシングルとしてリリースされ、全英シングルチャートで最高45位を記録した。

エレクトロニックなベースラインとオーガニックなファンク感覚、そしてテレビ番組「ドクター・フー」のテーマソングにメロディーを意図的に似せていることなどによるイギリスらしさが特徴的であり、当時としてはエポックメイキングでもあった。

マット・カークビーが監督したミュージックビデオはルーツ・マヌーヴァがかつて実際に通っていた小学校を訪れ、在学中には得意ではなかったスポーツで次々と優勝していくという内容になっている。

The White Stripes, ‘Fell in Love with a Girl’

ザ・ホワイト・ストライプスのアルバム「ホワイト・ブラッド・セルズ」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高21位、アメリカではビルボードのオルタナティブエアプレイチャートで最高12位を記録した。

デトロイト出身のザ・ホワイト・ストライプスはザ・ストロークスと共にガレージロックリバイバルの中心的存在であり、ジャック・ホワイトとメグ・ホワイトの姉弟デュオという設定だったのだが、後に元夫婦が離婚後も一緒に活動していたと発覚した。

アルバムから「ホテル・ヨーバ」に続いてシングルカットされたこの曲は、愛と欲望が迸るパッションを1分50秒間のロックンロールに凝縮したかのような、素晴らしいガレージロックチューンである。

ミシェル・ゴンドリー監督によるレゴブロックを用いたユニークなミュージックビデオは、オールタイムクラシックスの1つとしても評価されがちである。

ジョス・ストーンが性別を入れ替えたカバーバージョン「フェル・イン・ラヴ・ウィズ・ア・ボーイ」をリリースしている。