洋楽ロック&ポップス名曲1001:1998, Part.2
Brandy & Monica, ‘The Boy Is Mine’
アメリカのR&Bシンガー、ブランディとモニカのデュエットソングで、全米シングルチャートで1位、全英シングルチャートで最高2位を記録した。
マイケル・ジャクソン&ポール・マッカートニーの1982年のヒット曲「ガール・イズ・マイン」(マイケル・ジャクソンのアルバム「スリラー」から最初にリリースされたシングルは「ビリー・ジーン」でも「今夜はビート・イット」でもなくこの曲であった)にインスパイアされたと思われる、恋のさや当て的な楽曲である。
いすれも人気アーティストであったブランディとモニカをマスコミは何かとライバル同士的な図式で取り上げがちだったようなのだが、それを逆手に取ったような感じの楽曲で、純粋にコンテンポラリーなR&Bソングとしてとても良かったので大ヒットしたと思われる。
Super Furry Animals, ‘Ice Hockey Hair’
スーパー・ファリー・アニマルズのオリジナルアルバムには収録されなかったシングルで、全英シングルチャートで最高12位を記録した。
当時、イギリスのインディーロック界で最も勢いがあったレーベルといえるクリエイション・レコーズで特に批評家から高く評価されていたウェールズ出身のバンドである。
タイトルはマレットというまったくファッショナブルではないとされるヘアスタイルに由来していて、楽曲そのものには曲者的なバンドがとてもポップでキャッチーな音楽を意図的にやろうとしたときに生じがちなひねくれたダイナミズムのようなものが感じられてとても良い。
Aaliyah, ‘Are You That Somebody?’
エディ・マーフィー主演のコメディ映画「ドクター・ドリトル」のサウンドトラックアルバムからシングルカットされたアリーヤの楽曲で、全米シングルチャートで最高21位、全英シングルチャートで最高11位を記録した。
プロデューサーはティンバランドでクリーンなパーカッションサウンドが印象的なトラックにのせて、アリーヤが以前から目をつけていた男性に深夜の密会を持ちかけるのだが、慎重さは心がけているというような状況について歌っている。
効果的に用いられている赤ん坊の声については様々な説が唱えられたりもしたのだが、実際には単純に効果音ライブラリーから引用したものであり、プリンス「デリリアス」にも同じものが使われているようである。
Beastie Boys, ‘Intergalactic’
ビースティ・ボーイズのアルバム「ハロー・ナスティ」からのリードシングルで、全米シングルチャートで最高28位、全英シングルチャートで最高5位を記録した。
ボコーダーで加工したボーカルも印象的なチープなテクノ感覚溢れるサウンドと、宇宙的なことをテーマにしているようなのだがおそらく深い意味はないような気もする歌詞なども含め、楽しくてとても良い。
メンバーのMCAことアダム・ヤウクが監督したミュージックビデオは当時の東京で撮影されていて、いろいろ懐かしいところもあるのだが、全体的に怪獣映画にかなり適当にオマージュを捧げているようでもあって素晴らしい。
Fatboy Slim, ‘The Rockafeller Skunk’
ファットボーイ・スリムのアルバム「ロングウェイ・ベイビー」からのリードシングルで、全英シングルチャートで最高6位、全米シングルチャートで最高76位を記録した。
エレクトロニックミュージックのサブジャンルであるビッグビートの代表的アーティストとして語られることもあるファットボーイ・スリムだが、この曲は特に「ファンク・ソウル・ブラザー」というフレーズの繰り返しや、ご陽気でダンサブルかと思いきや急にスピードが落ちていったりするところや、サーフロックにも通じるギターサウンドが効果的に使われていたりと、かなり味わい深いのだが一方で踊れるポップソングに仕上がっている。