洋楽ロック&ポップス名曲1001:1995, Part.1

The Cardigans, ‘Carnival’

スウェーデンのインディーポップバンド、カーディガンズがアルバム「ライフ」からのリードシングルとしてリリースし、全英シングルチャートで当初は最高72位だったのだが、「シック・アンド・タイアード」がトップ40入りを果たした後に再プレスされ、35位まで上がった。

ニーナ・パーションのキュートなボーカルとノスタルジックなサウンドが日本でも特に「渋谷系」的な音楽ファンの間で大人気となり、スウェディッシュポップブームを巻き起こしたりもした。

好きな男の子と一緒にカーニバルに行きたいのだが、返事がもらえないという切ない片想いがテーマになっている。

Radiohead, ‘Fake Plastic Trees’

レディオヘッドのアルバム「ザ・ベンズ」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高20位を記録した。

スポーティーなファッションでスーパーマーケットのカートに乗りながら、嘆き節のように歌うトム・ヨークが見られるという点で、この曲のミュージックビデオはかなり貴重だということができる。

すべてがフェイクであるような現代社会の虚しさのようなものをテーマにしていると思われるのだが、サウンドトラックで使われた映画「クルーレス」ではアリシア・シルヴァーストーン演じるイケてる女子高校生に「ダサ!かったるい大学生のオヤジ系BGM」などと言われてしまったりもする。

Oasis, ‘Some Might Say’

オアシスのアルバム「モーニング・グローリー」からリードシングルとしてリリースされ、全英シングルチャートではバンドにとって初となる1位を記録した。

ノエル・ギャラガーがマンチェスターからロンドンに引っ越して最初に書いた楽曲であり、初期ドラマーのトニー・マッキャロルが参加した最後のシングルである。

グラント・リー・バッファロー「ファジー」やフェイセズなどの影響を受けていると言われている。サウンドやボーカル、すべてにおいて輝きに満ちていて、新しい時代の訪れを感じさせる。

Underworld, ‘Born Slippy, NUXX’

アンダーグラウンドのシングル「ボーン・スリッピー」のB面に収録されていた曲だが、翌年の映画「トレインスポッティング」で使われたことによって人気が高まり、シングルA面でリリースしたところ全英シングルチャートで最高2位の大ヒットを記録した。

アルコール依存症だったカール・ハイドがその影響下で歌詞を書いたが、貯蔵工程で熟成されたビールのことであるラガーという単語が連呼されることなどから、酒飲みアンセムのようにとらえられたりもしてしんどかったらしい。

「トレインスポッティング」ではひじょうに印象的なラストシーンで使われ、オープニングのイギー・ポップ「ラスト・フォー・ライフ」と共に、最低にも見えがちな日常において、それでも生命を讃美しているように感じられる。

タイトルはメンバーがドッグレース場で見たグレイハウンドの名前に由来している。

Daft Punk, ‘Da Funk’

ダフト・パンクのデビュー・アルバム「ホームワーク」からの先行シングルで、全英シングル・チャートで最高7位を記録した。

ジャンルとしてはテクノやハウス・ミュージックに分類されるが、ウォレン・G「レギュレイト」にインスパイアされ、音楽的にはギャングスタ・ラップからの影響を強く受けている。

1995年に12インチシングルで約2,000枚がプレスされていたが、その時にはほとんど話題にならなかった。

Supergrass, ‘Alright’

スーパーグラスのデビュー・アルバム「アイ・シュド・ココ」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高2位のヒットを記録した。

映画「クルーレス」のサウンドトラックにも使われた、ポップでキャッチーという形容がまさにピッタリな素晴らしい楽曲である。

ミュージック・ビデオにも若さがはち切れんばかりの魅力が満ち溢れていて、これを見たあのスティーヴン・スピルバーグ監督はスーパーグラスでモンキーズ的なテレビ番組を制作したいと考えオファーまでしたが、バンドはこれを断ったという。

McAlmont and Butler, ‘Yes’

マッカルモント&バトラーのデビューシングルで、全英シングルチャートで最高8位を記録した。

バーナード・バトラーがスウェードを脱退してから最初に書いた楽曲らしく、開放感に満ち溢れていて、デヴィッド・マッカルモントによるハイトーンのボーカルも絶妙にマッチしている。

ポジティブなエネルギーが感じられる楽曲ではあるのだが、歌詞には元バンドメイトたちに対しての敵意が込められてもいる。