洋楽ロック&ポップス名曲1001:1963, Part.2

Bob Dylan, ‘A Hard Rain’s A-Gonna Fall’

ボブ・ディランのアルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」に収録されたプロテストソングで、邦題は「はげしい雨が降る」だが、かつては「今日も冷たい雨が」であった。

「ロード・ランドル」というトラディショナルなバラッドの影響を受け、問いかけとそれに対する返答を交互に歌っていくスタイルが特徴的である。

キューバ危機の問題が大きく取り上げられていた時期に、人生もそう長くはないと思ったことなどから、いくつかの楽曲の歌いだしの歌詞を1曲に凝縮したとも語られている。

The Kingsmen, ‘Louie Louie’

ザ・キングスメンが1963年にリリースしたシングルで、全米シングルチャートで最高2位、全英シングルチャートで最高23位を記録した。

リチャード・ベリーがリッキー・リレラ&ザ・リズム・ロッカーズの「エル・ロコ・チャチャ」という曲にインスパイアされて書き、自身のバンドであるザ・ファラオズのシングルB面曲として1957年にリリースしたのがオリジナルである。その後、様々なバンドによってカバーされたが、最も有名なのは1963年にリリースされたザ・キングスメンのバージョンである。

レコーディング時にマイクがかなり高い位置に設置されていたため、仰向けに近い体勢で歌わなければいけばかったり、その時ちょうど歯列矯正の器具を付けてうたりで、歌詞がやや不明瞭に聴こえるが、船旅をしてジャマイカにいる女性に会いにいくことがテーマになっている。

初めはそれほど売れなかったようだが、ボストンのラジオで最低の曲として紹介されてから火がつき、爆発的にヒットしたという。ガレージロック代表曲で、後のパンクロックやグランジロックにも多大な影響を与えたという。

モッズ族のバイブル的映画「さらば青春に光」では、クラブのようなところでこの曲に合わせてスティング演じるエースがキメキメで踊り、フィル・ダニエル演じるジミーがそれに対抗してひじょうに危険な状態で踊るというシーンがあった。

Martha and the Vandellas, ‘Heat Wave’

マーサ&ザ・ヴァンデラスが1963年7月にリリースしたシングルで、全米シングルチャートで最高4位を記録している。

モータウンの人気ソングライターチーム、ホーランド=ドジャー=ホーランドによる楽曲で、初期においていわゆるモータウンサウンドの典型を確立した楽曲の1つとしても知られる。

恋の情熱を熱波にたとえたこの曲はモッズ族にも人気が高く、イギリスではザ・ジャム、日本ではザ・コレクターズによってカバーもされている。

The Crystals, ‘Then He Kissed Me’

フィル・スペクターが「ウォール・オブ・サウンド」の技法を用いてプロデュースしたクリスタルズの楽曲で、全米シングルチャートで最高6位、全英シングルチャートで最高2位を記録した。邦題は「キッスでダウン」である。

とはいえ、実際にこの曲のレコーディングに参加しているメンバーはリードボーカリストのドロレス”ララ”ブルックスのみで、コーラスには地元のバックシンガーが起用されている。

後にビーチ・ボーイズがタイトルと歌詞の男女を逆にした「あの娘にキッス」としてカバーして、全英シングルチャートで最高4位を記録した。

The Angels, ‘My Boyfriend’s Back’

アメリカの3人組ガールグループ、エンジェルスのヒット曲で、全米シングルチャートで1位に輝いた。邦題は「私のボーイフレンド」である。

ボブ・フェルドマン、ジェリー・ゴールドスタイン、リチャード・ゴッテラーのソングライターチームによって書かれたこの楽曲はシュレルズが歌うためのデモ音源としてエンジェルスによってレコーディングされたのだが、出来があまりにも良かったことからそのまま発売されたようである。

歌詞はボブ・フェルドマンが目撃した少女と革ジャンを着た少年との口論にインスパイアされたものである。

ポップス黄金時代を代表するクラシックの1つで様々なアーティストによってカバーされているが、ニューヨークのパンクバンド、アリス・ドーナツによって1990年にリリースされたバージョンは特にユニークであった。

Bob Dylan, ‘Blowin’ in the Wind’

ボブ・ディランのアルバム「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」からシングルカットされた楽曲で、「風に吹かれて」の邦題と「友よ、答えは風の中にある」のフレーズでも知られる。

ピーター・ポール&マリーによるカバーバージョンがヒットしたことになどによって、アメリカ公民権運動のアンセムとして知られるようになった。

数々のアーティストによってカバーされているが、日本ではRCサクセション「カバーズ」でも、オリジナルにかなり忠実な日本語詞で収録されていた。