2024年間ベストソング50: 20-11

20. Sabrina Carpenter, ‘Taste’

サブリナ・カーペンターのアルバム「ショート・アンド・スウィート」の1曲目に収録され、シングルでもリリースされた楽曲で、全米シングルチャートで最高2位、全英シングルチャートでは9週連続1位の大ヒットを記録した。「私は共有することで知られている。彼があなたにキスしているとき、あなたは私を味わうしかないでしょう」というようなことがユーモアを交えて歌われている。1992年のブラックコメディ映画「永遠に美しく…」をモチーフにしたミュージックビデオもバイオレンスでありながら笑える内容になっていてとても良い。

19. aespa, ‘Supernova’

韓国のガールポップグループ、aespa(エスパ)が1stフルアルバム「Armageddon」からリードシングルとしてリリースした楽曲で、サークルデジタルチャートで1位を記録した。アフリカ・バンバータ&ソウルソニック・フォース「プラネット・ロック」をサンプリングしたりヒップホップやEDMといったジャンルの音楽を融合させたキャッチーでありながら、次のフェイズへの扉をひらくかのような新しさをも感じさせるハイパーなダンスポップになっている。メインストリームのK-POPシーンでいま最も勢いのあるグループだということができる。

18. Shaboozey, ‘A Bar Song (Tipsy)’

ナイジェリア系アメリカ人のラッパー、シャブージーによるカントリーポップ的な楽曲で、全米シングルチャートでは19週連続1位とリル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード」と並び、歴代で最も長く1位に滞在した楽曲となった。また、ビルボードのカントリーチャートではビヨンセ「テキサス・ホールド・エム」に続いて、1位を記録した2人目の黒人アーティストとなった。仕事の憂鬱などは忘れて、ウィスキーを飲みながら楽しく過ごそうと歌われるこの曲は、アメリカのラッパー、J-クウォンが2004年にヒットさせた「ティプシー」という楽曲をベースにしている。

17. Nilüfer Yanya, ‘Like I Say (I runaway)’

イギリスのシンガーソングライター、ニルファー・ヤンヤがアルバム「マイ・メソッド・アクター」からのリードシングルとしてリリースした楽曲で、時間が足りないというマイルドな強迫観念をテーマにエレガントでありながら不思議な強度を感じさせるメロディーと美しいボーカルパフォーマンスによって表現している。

16. Rachel Chinouriri, ‘Never Need Me’

イギリスのシンガーソングライター、レイチェル・チノウリリがデビューアルバム「ホワット・ア・ディヴァステイティング・ターン・オブ・イヴェンツ」からのリードシングルとしてリリースした楽曲で、有害な共依存的関係から自分自身を切り離し、より幸福度を高めていこうというようなとても重要なことが歌われている。

15. Clairo, ‘Sexy to Someone’

アメリカのシンガーソングライター、クレイロのアルバム「チャーム」からリードシングルとしてリリースされた楽曲で、以前のベッドルームポップ的な音楽性からより70年代のソフトロック的なテイストにシフトし、オーガニックでありながらマイルドなセクシーさも感じられるところがとても良い。

14. Ariana Grande, ‘we can’t be friends (wait for your love)’

アリアナ・グランデのアルバム「エターナル・サンシャイン」から2曲目のシングルとしてカットされた楽曲で、全米シングルチャートで1位、全英シングルチャートで最高2位を記録した。ユーロポップからの影響が感じられるシンセポップチューンで、ロマンスの終わりをテーマにしているが、アリアナ・グランデ自身とマスメディアとの関係について歌っていると解釈することも可能である。ミュージックビデオは2004年の映画「エターナル・サンシャイン」へのオマージュにもなっている。

13. Rosé and Bruno Mars, ‘APT.’

K-POPグループ、BLACK PINKのロゼがソロデビューアルバム「ロージー」からのリードシングルとしてリリースしたブルーノ・マーズとのコラボレーション曲で、全英シングルチャートで最高2位、全米シングルチャートで最高8位を記録した。トニー・バジルが1982年にヒットさせた「ミッキー」を引用してもいるポップパンク的な楽曲で、タイトルは韓国でポピュラーな飲酒ゲーム、アパートメントに由来している。

12. JADE, ‘Angel of My Dreams’

2022年に活動休止したガールグループ、リトル・ミックスのメンバーであるジェイドによるソロデビューシングルで、全英シングルチャートで最高7位を記録した。自身の体験に基づいた音楽業界に対しての痛烈な批判が歌詞には込められているが、失恋ソングのようにも聴こえるようになっている。1967年のユーロビジョンコンテスト優勝曲であるサンディ・ショー「パリのあやつり人形」がサンプリングされている。

11. Megan Thee Stallion, ‘HISS’

ミーガン・ジー・スタリオンのアルバム「ミーガン」から2曲目のシングルとしてリリースされ楽曲で、全米シングルチャートで記録した。以前のシングル「コブラ」から蛇のイメージは継続され、敵対したり貶めようとする人たちに対しての反撃がテーマになってもいる。