2024年間ベストソング50選
年末なので年間ベストソング的なやつをやっていきたい。
50. LE SSERAFIM, ‘Crazy’
LE SSERAFIMは2024年に「Easy」「Crazy」と2タイトルのEPをリリースしたわけだが、以前のガールクラッシュ的なイメージや音楽性を脱し、よりクールでスタイリッシュな方向性にシフトしてきた印象が強い。これについては様々な印象や感想があるような気もするのだが、メインストリームのK-POPシーンにおいてかなりユニークな存在感を発揮していることには間違いないように思える。特にこの曲はカジュアルなトレンド感もありながら中毒性がマイルドにえげつなくてとても良い。ここからどのように展開していくかが楽しみでもある。
49. Creepy Nuts, ‘Bling-Bang-Bang-Born’
テレビアニメ「マッシュル-MASHLE」第2期「神覚者候補選抜試験編」のオープニングテーマとして書き下ろされた楽曲なのだが、それを超え純粋にポップソングとしてのキャッチーさが尋常ではなく、めくるめく情報量の坩堝的なリリックも気持ちよい。快楽ではなく快感であり、Billboard Japanでもオリコンでも年間1位の大ヒットも記録した。
48. Sabrina Carpenter, ‘Please Please Please’
2024年に最もブレイクしたアーティストは誰なのかという話になると、おそらくこのサブリナ・カーペンターは間違いなくそのうちの1人であり、この年間ベストソング的なやつでもおそらくこの先に何度か再登場しそうな予感がするのだが、ヒットチャートの最高位的に最も成功したのは、この「プリーズ・プリーズ・プリーズ」ということになるのだろうか。なんといっても、全米、全英いずれのシングルチャートでも1位に輝いているのだ。カントリーミュージック的なポップソングはなんとなくトレンディでもあるのだが、そこに80年代シンセポップ的な風味も加わっているところがこの曲の魅力になっている。
47. Kiss of Life, ‘Sticky’
Kiss of Lifeは2023年にデビューした気鋭のK-POPガールズグループなのだが、グループ名には人工呼吸が転じてK-POP界に新しい息を吹き込むという意味も込められているようだ。アフロビートが取り入れられてもいるこの楽曲はピュアなジョイがはち切れんばかりにほとばしりまくったサマーポップになっていて、もしかするとこういう感覚に出会いたくてポップミュージックを性懲りもなく長年にわたって聴き続けているのかもしれない、という気分にすらさせられたのであった。
46. Charli XCX featuring Billie Eilish, ‘Guess’
チャーリーXCXとビリー・アイリッシュのコラボレーション曲ということ自体が2024年のポップシーンにおいてはかなりのニュースなわけなのだが、タイトルの「Guess」は「推測」であり、何をそうするのかというと下着の色なわけであり、ミュージックビデオにもそれは反映されている。全英シングルチャートで1位に輝いたりもする大ヒットとなりとても喜ばしいことではあり、この曲そのものもかなり良いのだが、チャーリーXCXにとってもビリー・アイリッシュにとっても、これが2024年のベストソングではけしてないというところがまたとても良い。とはいえ、個人的にこの曲のミュージックビデオはとても好きで、おそらく2024年に最も繰り返し見ている。
45. Mrs. GREEN APPLE, ‘ライラック’
ミセスことMrs. GREEN APPLEは2024年現在最も良く聴かれているバンド形式の日本のアーティストなのではないかというような気はするのだが、2024年についてはいろいろあっておそらく計画されていたであろうサマーアンセム的な楽曲がそうはならなかったような気もする。それでもテレビアニメ「忘却バッテリー」のオープニングテーマでもあったこの曲がとても良く聴かれた。自身のサマーアンセム「青と夏」のアンサーソング的な意味合いもあるというこの楽曲のテーマはおそらく青春のようなものなのだが、それは過去に存在していたある時期を美化しているというよりは、いまそれを深刻に生き直しているというような切実さも感じられ、筋金入りの軽快なポップさに畏れ入る思いを新たにしたのであった。
44. Tommy Richman, ‘Million Dollar Baby’
それまでほとんど無名だったトミー・リッチマンがTikTokで公開したこの曲のティーザーがきっかけでブレイクを果たし、全米シングルチャートで最高2位、年間シングルチャートで8位のヒットを記録した。バラク・オバマ元大統領のお気に入りプレイリストにも選曲されていたらしい。とても良い感じにファンキーな楽曲なのだが、まるでVHSのビデオテープで録画されたかのようなミュージックビデオのマイルドなレトロ感覚もヒットに影響したような気がする。トミー・リッチマン自身は2000年生れで完全なZ世代だったとしてもである。
43. Kim Gordon, ‘Bye Bye’
キム・ゴードンといえばアメリカのオルタナティブロック史におけるあまりにも偉大で有名なバンド、ソニック・ユースの中心メンバーの1人として知られ、このバンドはなんとなくずっと続いていくのではないかというような気もしていたのだが、夫のサーストン・ムーアとの別離とバンドの解散があってから久しく、その後もソロアルバムやユニットでの作品リリースなどがあったものの、ソロとしては2作目となるアルバム「ザ・コレクティブ」は絶妙なニューウェイブ感覚やヒップホップからの影響などによってかなりちょうどいい感じになっているということがいえる。
42. Kneecap, ‘Fine Art’
アイルランドのヒップホップトリオ、ニーキャップのアルバム「ファイン・アート」に収録されたタイトルトラックで、レイブミュージック的なサウンドに政治的なメッセージを含むラップをのせるのが特徴である。名声を獲得するに至る架空の物語を描いたドキュメンタリー風映画「ニーキャップ」も好評で、社会派でありながらクールなユーモアセンスを感じさせるところがとても良い。
41. Sexy Red, ‘Get It Sexy’
アメリカのラッパー、セクシー・レッドが2人目の子供を出産するための休養明け最初に発表した楽曲で、「セクシーになろう」というタイトルがすべてを物語っているような内容になっている。重く渦まくようなビートにのせて、ボディポジティブ的でもあるメッセージがラップされていて