邦楽ポップ・ソングス・オール・タイム・ベスト500:120-111
120. 目を閉じておいでよ/バービー・ボーイズ (1989)
バービー・ボーイズの11枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高8位を記録した。
バンドブーム期に人気があったバンドの1つだが、男女のツインボーカルによって歌われる恋愛模様とサックスもフィーチャーした洋楽的でもあるサウンドがとてもユニークである。
この曲は恋人以外の異性との性愛をテーマにしていて、スリリングでリアルな心理描写が特徴となっている。
119. 桜 super love/サニーデイ・サービス (2016)
サニーデイ・サービスのアルバム「DANCE TO YOU」に収録され、後にシングルカットもされた曲である。
「きみがいないことは きみがいることだなぁ 桜 花びら舞い散れ あのひとつれてこい」というわけで、深い喪失感と桜が舞い踊る風景が重なるとても良い曲で、場合によってはリスナーの魂を失意から救うことさえある。
118. あの日にかえりたい/荒井由実 (1975)
荒井由実の6枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。テレビドラマ「家庭の秘密」のテーマソングでもあったこの曲の大ヒットが、ユーミンの時代を一般大衆レベルにまで強く印象づけたのではないかと思われる。
「青春の後ろ姿を人はみな忘れてしまう」というフレーズがなんとも印象的であり、1980年にアサヒペンタックスのテレビCMに使われた時にも、新しい世代のファンを獲得していたような気がする。
戻りたいけれど戻れない日々を振り切り、未来へと向かっていくのではなく、いつまでもその時のことを考えている。考えずにはいられない。そのような日々をたとえ束の間でも送れたというのは、おそらくとてもしあわせなことなのだろう。
117. WORLD’S END SUPERNOVA/くるり (2002)
くるりの9枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高13位を記録した。
文学的ともいえるインディー・ロックにダンス・ミュージックの肉体性を取り入れたともいえる楽曲で、そのバランスが絶妙にとても良い。「僕らいつも笑って汗まみれ どこまでもゆける」などと歌われていたりもする。
しかし、本当に重要なことは実は歌いだしの「いつだって僕らは誰にも邪魔されず 本当のあなたを本当の言葉を知りたいんです 迷ってるふりして」に凝縮されているような気がしないでもなく、そういった思いで聴いていると、またさらにグッとくる曲である。
116. ピンク・シャドウ/ブレッド&バター (1974)
ブレッド&バターのアルバム「Barbecue」の収録曲で、シングルカットもされている。
シティ・ポップの名曲として近年、評価が高まっているような気がしなくもないが、1980年代には三田寛子がカバーしたりもしていた。
とにかく余裕があってカッコいい大人のポップスという感じなのだが、それでいて「愛してるよ 君だけを」などとストレートなメッセージが歌われているところがとても良い。
115. 星間飛行/ランカ・リー=中島愛 (2008)
ランカ・リー=中島愛のデビューシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高5位を記録した。
テレビアニメ「マクロスF」の挿入歌で、登場キャラクターでアイドル歌手のランカ・リーの声優である中島愛が歌っている。80年代に数々のアイドルポップスを世に送り出した松本隆が作詞をしたことも話題となり、特に「キラッ!」というところのインパクトはかなりのものである。
114. 時をかける少女/原田知世 (1983)
原田知世の3枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位のヒットを記録した。
筒井康隆の小説を原作とする原田知世主演の映画「時をかける少女」の主題歌であり、松任谷由実が作詞・作曲を手がけている。やや不安定でつかみどころがなく、浮遊感を感じさせもするボーカルがとても良い。
113. 聖書 -バイブル- /岡村靖幸 (1988)
岡村靖幸の7枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングでは最高42位を記録した。
「奥さんもいる妻帯者」である「35の中年」と恋をしている「Teenagerのあなた」に対して、「きっと本当の恋じゃない 汚れてる 僕の方がいいじゃない」「同級生だし バスケット部だし 実際青春してるし 背が179!」と憤っている。
後にアルバム「靖幸」や様々なコンピレーション・アルバムに収録されたバージョンはシングルと異なり、より音楽的な実験性が感じられるが、バブル景気や拝金的なムードの「純愛」ブームに対しての違和感のようなものがヴィヴィッドに感じられる楽曲である。
112. マリーゴールド/あいみょん (2018)
あいみょんのメジャー5枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングでは最高25位だが、Billboard Japanでは週間1位、年間2位を記録したりもしている。
1995年生まれのシンガー・ソングライターであり、吉田拓郎と小沢健二やフリッパーズ・ギターなどの「渋谷系」を共に好んで聴いてきたという。ポップソングとしての強度がすさまじく、ボーカルにもひじょうに魅力がある。間違いなく日本のポップ・ミュージックの未来を担っていくアーティストの1人だといえるだろう。
111. 危険なふたり/沢田研二 (1973)
沢田研二の6枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。
美し過ぎる年上の女性との危険な関係を歌う沢田研二のセクシーなボーカルももちろん最高なのだが、イカしたギターのシンプルでありながらたまらなく魅力的な演奏もまた、それを大いに盛り立てている。