1991年の洋楽ロック&ポップス名曲ベスト50

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30. Dominator – Human Resource

インディー・ロックが好きで「BEAT UK」を見ていた人達の中には、チャートの上位がテクノばかりでつまらないという意見も多かったような気もするのだが、個人的にはわりと気に入っていて、渋谷のHMVでCDシングルを買っては飽きてレコファンに売ったりもしていた。これもそのうちの1曲であった。

29. The Size Of A Cow – The Wonder Stuff

マッドチェスターとブリットポップとの間にはUKインディー冬の時代的なものがあったかもしれないが、その時期にとても人気があったのがワンダー・スタッフで、ビートルズ的ともいえるこのシングルもイギリスではかなりヒットした。

28. Sexuality – Billy Bragg

ビリー・ブラッグといえばポール・ウェラーと一緒に政治的な活動を行ったり、「ミュージック・マガジン」でやたらと評価が高かったり、フォーク・シンガーの印象があったりもするのだが、ジョニー・マーも参加しているこの曲はキャッチーな曲調に乗せてセクシュアリティーというセンシティヴなテーマについて歌っている。歌詞ではロバート・デ・ニーロと三菱(製の)ゼロ(戦)で韻が踏まれていたりもする。

27. A Roller Skating Jam Named “Saturdays” – De La Soul

「デ・ラ・ソウル・イズ・デッド」という倒れた花瓶の花がしおれたジャケットのアルバムからシングル・カットされた曲で、シカゴ「サタデー・イン・ザ・パーク」が引用されたりしている。

https://www.youtube.com/watch?v=_Tu-qDHSSZo

26. Sit Down – James

モリッシーが気に入っているバンドとして知られていたジェームスのヒット曲。フリッパーズ・ギターがイベントか何かで興奮状態の客を座らせようとしてこの曲をかけたらさらに盛り上がったんだよね、というようなことを言っていたような気がする。

25. Enter Sandman – Metallica

メタリカといえばメタルのバンドだが、80年代のある時期に少なくとも私の周囲ではパンクやニュー・ウェイヴとハード・ロックやヘヴィー・メタルは対立する概念とされていて、それでハード・ロックやヘヴィー・メタルを毛嫌いしていたのだが、1991年はそれが崩れかけた年でもあり、特にこの曲が収録されたメタリカのいわゆるブラック・アルバムなどはかなり気に入って聴いていたし、似たような境遇の人々はけして少なくはなかったのではないかというような気もする。

24. Set Adrift On Memory Bliss – P.M. Dawn

スパンダー・バレエの「トゥルー」などという曲を引用している時点でかなり好感を持ったのだが、なんとなく夢見心地のような感じなどもとても良かった。

23. The Choice Is Yours – Black Sheep

ヒップホップが好きな人達の間ですこぶる評判がよく、確かにこれはとても良い。

22. The Fly – U2

U2がポスト・モダン的というかアイロニカルになりはじめたのはこれぐらいの時期からだったような気もするのだが、オルタナティヴ出身とはいえいまや超メジャーなバンドがそれでも新境地を開拓しようとしている良さが感じられた。

21. How I Could Just Kill A Man – Cypress Hill

サイプレス・ヒルはヒップホップではあるのだが、インディー・ロック・ファンにもわりと受けていたような印象がある。この次のアルバム「ブラック・サンデイ」がよく売れるのだが、この頃からすでにオリジナリティーがじゅうぶんに感じられる。

20. Gypsy Woman (She’s Homeless) – Crystal Waters

この曲は当時とても流行っていて、街でもよく聴いたような気がする。その頃における街というのには、CDショップ店内もかなり含んではいるのだが。

19. Pearl – Chapterhouse

いわゆるシューゲイザーという呼称が当時はやや揶揄するようなニュアンスで用いられていたかもしれないとかそんなことはどうでも良くて、いまやすっかり一つの立派なサブジャンル名として定着している様子である。この曲を収録するアルバムの猫のジャケットもとても良いと、少し前のラジオ番組でスピッツの草野マサムネも言っていた。

18. Planet Of Sound – Pixies

オルタナティヴ・ロック・ファンの間ではすでにかなり人気があったピクシーズもこのタイミングでラウド&ヘヴィー化して、それが時代の空気感に合っているようにも思えた。その後、ピクシーズから強く影響を受けたバンドのうちの1つが、まさにポップ・ミュージックの歴史を変えるような作品を発表する。

17. You Love Us – Manic Street Preachers

当時のトレンドとはまったく合っていなく、孤高であったりいかがわしく思われたりはしていたのだが、確信していた美しさを追求し、研ぎ澄ましていった結果、国民的な人気バンドとなる。それはまだ先のことだが、この時点ですでにそこに向かっている確かさとでもいうようなものが感じられる。

16. I’m Too Sexy – Right Said Fred

ノベルティー・ソングのようでもあるのだが、ポップ感覚には卓越したものがあり、その上でメッセージを発してもいる。

15. There’s No Other Way – Blur

インディー・ロックにダンス・ミュージックの要素を取り入れたタイプの音楽が流行っている状況に便乗して出てきたバンドで、一発屋に終わるのではないかと思っていた人達も少なくはない。しかし、結果論ではもちろんあるのだが、いま聴くとこの時からすでに卓越したポップ感覚を持っていたのではないかというような気もする。ミュージックビデオのデーモン・アルバーンはカメラに向かって歌ってばかりいないで、ちゃんと家族と食事をした方が良い。

14. Summertime – DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince

いまや夏の定番となった感もある、とても心地よくご機嫌な曲。フレッシュ・プリンスは俳優、ウィル・スミスとして後に大成功をおさめる。

13. Get Off – Prince & The New Power Generation

「ダイヤモンズ・アンド・パールズ」からよりヒットしたのは全米NO.1の「クリーム」だが、やはりこの曲の方が良いのではないかという人達は、私を含めて少なくはないような気もする。

12. Check The Rhime – A Tribe Called Quest

ジャズを取り入れたヒップホップのアルバムとして、高い評価を得ている「ロウ・エンド・セオリー」からのシングル・カット。ジャジーではあるのだが、地に足がついているのでこれはとても良いし、ホワイトジーンズを履いていない人達にもよく聴かれているような印象がある。

11. Nothing Can Stop Us – Saint Etienne

60年代のポップ感覚を90年代のテクノロジーで、というようなコンセプトがあったともいわれているのだが、当初、ボーカリストは流動的にする予定だったものの、このシングルで起用したサラ・クラックネルがあまりにもハマってパーマネントなメンバーになったともいわれる。収録アルバムのジャケットアートワークも、鼻につかない程度のおしゃれさでとても良い。

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