The 500 Greatest Songs of All Time : 80-71

80. Sweet Child o’ Mine – Guns ‘N Roses (1987)

ガンズ・アンド・ローゼズのデビュー・アルバム「アペタイト・フォー・ディストラクション」からシングルカットされ、全米シングル・チャートで1位、全英シングル・チャートでは最高24位だったが、翌年に再発されて6位まで上がった。

ハード・ロック・バンドではあったのだが、普通のロックファンからもわりとよく聴かれていたような気がする。特にこの曲はキャッチーで聴きやすく、とっつきやすかったのかもしれない。

アクセル・ローズが子供の頃の最初の記憶だというどこまでも青い空の感じが、この曲には反映されているという。2022年にはマーベル映画「ソー:ラブ&サンダー」の予告編で使われていると話題になったりもした。

79. Common People – Pulp (1995)

パルプのアルバム「コモン・ピープル」から先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで最高2位を記録した。

1970年代後半に結成したパルプが苦節15年以上を経て、メジャーにブレイクするきっかけとなった曲である。

ジャーヴィス・コッカーが学生時代に出会ったお金持ちの娘とのことが歌われていて、ブリットポップが生んだ最も優れた楽曲として評価されることもある。

78. Good Times – Chic (1979)

シックのアルバム「危険な関係」から先行シングルとしてリリースされ、全米シングル・チャートで1位、全英シングル・チャートで最高5位を記録した。

ベースラインがとにかくとても有名であり、ヒップホップ初期のヒット曲として知られるシュガーヒル・ギャング「ラッパーズ・ディライト」で知らないうちに使われていたり、クイーン「地獄へ道づれ」にインスピレーションを与えたりした。

1970年後半のディスコ・ブームの中心的存在だったが、主要メンバーのナイル・ロジャースは音楽プロデューサーとして1980年に大活躍し、ダイアナ・ロス、デヴィッド・ボウイ、デュラン・デュラン、マドンナなどの楽曲を大ヒットさせた。

77. Walk On By – Dionne Warwick (1964)

ハル・デヴィッドが作詞、バート・バカラックが作曲をした数ある名曲のうちの1つをディオンヌ・ワーウィックが歌ったバージョンで、全米シングル・チャートで最高6位、全英シングル・チャートで最高9位を記録した。

失恋の痛みから立ち直れずにいる悲しくて切ない気分をヴィヴィッドで上品に表現したとても良い曲で、アイザック・ヘイズのソウルフルなバージョンやストラングラーズのニュー・ウェイヴ風味のものなど、いろいろなアーティストによってカバーもされている。

大滝詠一「雨のウェンズデイ」にもピアノのフレーズが少しだけ引用されている。

76. I Want You Back – The Jackson 5 (1969)

ジャクソン5がモータウンと契約してから最初にリリースしたシングルで、全米シングル・チャートで1位、全英シングル・チャートで最高2位を記録している。邦題は「帰ってほしいの」である。

当時、10歳だったマイケル・ジャクソンがリード・ボーカルを取っているのだが、溌剌としていてとても良い。

吉本興業の劇場に行くタイプのお笑いファンには、笑い飯の出囃子としても知られる。

75. thank U, next – Ariana Grande (2018)

アリアナ・グランデが2018年11月にリリースしたシングルで、アメリカやイギリスをはじめいろいろな国々のシングル・チャートで1位に輝いた。

別れた恋人に感謝の思いを伝え、次の恋に向かっていこうという、ひじょうにポジティヴな失恋ソングであり、歌詞には元恋人の実名がいくつか入っていたりもする。このシングルが突然にリリースされる約2ヶ月前に、アリアナ・グランデの元恋人でラッパーのマック・ミラーが急死していた。

クリスマスシーズンらしくサンタクロースのコスプレや映画のパロディーを含む、ミュージック・ビデオもとても良い。

74. Let’s Stay Together – Al Green (1971)

アル・グリーンが1971年にリリースしたシングルで、全米シングル・チャートで1位、全英シングル・チャートでは最高7位を記録した。翌年にはアルバム「レッツ・ステイ・トゥゲザー」にも収録されている。

良い時も悪い時もハッピーな時も悲しい時も一緒にいたいと歌われる感動的なラヴソングで、数多くのアーティストたちによってカバーされているが、1983年のティナ・ターナーのバージョンが特に有名である。

1994年にはクエンティン・タランティーノ監督の映画「パルプ・フィクション」でも使われ、新しい世代のリスナーを多く獲得したと思われる。

73. I Say a Little Prayer – Aretha Franklin (1968)

アレサ・フランクリンのアルバム「アレサ・ナウ」に収録された後、シングル「ジャックの家」のB面としてもリリースされ、全米シングル・チャートで最高10位、全英シングル・チャートでは最高4位を記録した。邦題は「小さな願い」である。

ディオンヌ・ワーウィックのバージョン(こちらの邦題は「あなたに祈りをこめて」である)がすでに全米シングル・チャートで最高4位のヒットを記録していて、アレサ・フランクリンとバック・コーラスのスウィート・インスピレーションズがレコーディングの合間に遊びでこの曲を歌っていたところ、なかなか良いのではないかということになり、正式にレコーディングすることになったようだ。

バート・バカラックとハル・デヴィッドのコンビによる楽曲で、ベトナム戦争に行った男性の無事を祈る女性の想いをテーマにしているが、より広い意味でも解釈することができる。アレサ・フランクリンのバージョンではディオンヌ・ワーウィックのオリジナルと異なり、リード・ボーカルとバック・コーラスとのかけ合いの形式がとられている。

72. Jumpin’ Jack Flash – The Rolling Stones (1968)

ローリング・ストーンズが1968年の初夏にリリースしたシングルで、全英シングル・チャートで1位、全米シングル・チャートでは最高3位を記録している。

「サタニック・マジェスティー」のサイケデリック路線の後、これぞストーンズというべきストレートなロックンロールで、全英シングル・チャートでは1966年の「黒くぬれ!」以来となる1位に輝いた。その後もライブの定番曲となっている。

ちなみにこの曲や「サティスファクション」「スタート・ミー・アップ」などと共にローリング・ストーンズのライブでは定番であった「ブラウン・シュガー」は、奴隷売買をテーマにした歌詞が時代にそぐわなくなったという判断からか、最近のセットリストからは外されている。オール・タイム・ベスト・ソング的なリストでも、「ブラウン・シュガー」よりもアルバム「メインストリートのならず者」から「ダイスをころがせ」が選ばれたがちなような気もする。

71. I Bet You Look Good on Dancefloor – Arctic Monkeys (2005)

アークティック・モンキーズのデビュー・アルバム「ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット」から先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで初登場1位に輝いた。

新人バンドではあったがライブ・シーンやメディアではすでにかなり話題になっていて、デモ音源を積極的に配布たりする草の根的な活動も功を奏していた。楽曲の内容はダンスフロアで踊っている女性に声をかけるというもので、歌詞にはデュラン・デュラン「リオ」に関係する表現やごく内輪のネタなども含まれている。

ミュージック・ビデオはバンドの演奏を撮影したシンプルなものだが、演奏前に「Don’t believe the hype」などと不敵に言い放ったり、1970年代から1980年代にかけて放送されていたイギリスの音楽番組「オールド・グレイ・ホイッスル・テスト」の雰囲気を再現したりしていた。