邦楽ポップ・ソングス・オール・タイム・ベスト500:170-161

170. さようならパステルズ・バッジ/フリッパーズ・ギター (1989)

フリッパーズ・ギターのデビューアルバム「three cheers for our side~海に行くつもりじゃなかった」の収録曲で、ミュージックビデオも制作された。

この頃は英語の歌詞の曲だけを歌っていて、まだ5人組バンドだった。スコットランドのインディー・ロック・バンド、ザ・パステルズという日本の一般大衆全般にはそれほど知られていないが、ごく一部にとってはカルト的な人気を誇るバンドのことを歌っている。

そして、この曲はイノセンスの喪失や青春の終りをもまた、テーマにしているように思える。

169. すみれ September Love/一風堂 (1982)

一風堂の6枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位、「ザ・ベストテン」では1位に輝いた。

カネボウ化粧品のCMソングに起用されたことがヒットの要因ではあったが、そのニュー・ウェイヴ的な音楽がお茶の間レベルでヒットした事実はわりと痛快であった。

1997年にはヴィジュアル系バンドのSHAZNAがカバーし、やはりオリコン週間シングルランキングで最高2位を記録している。

168. アンジェリーナ/佐野元春 (1980)

佐野元春のデビューシングルで初期の代表曲の1つだが、オリコン週間シングルランキングでは圏外であった。

疾走感溢れるシティ感覚のロックンロールに、日本語の歌詞の乗せ方があまりにも新しく、それが衝撃的で、後の日本のポップシーンにも多大なる影響を与えた。

「今晩 誰かの車が来るまで 闇にくるまっているだけ」という駄洒落まじりのフレーズさえ、とても良い。

167. TOP SECRET MAN/プラスチックス (1980)

プラスチックスのデビューシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高86位を記録した。

P-MODEL、ヒカシューなどと共にテクノ御三家と呼ばれていたが、テクノポップを表現する際によく用いられた「ピコピコサウンド」という表現は、このプラスチックスに最も似合っていたような気もする。

メンバーそれぞれがクリエイター的な別の職業も持っているという軽さや、絶妙にファッショナブルなところなども特に良かった。個人的に中学生だった当時、教室や家の机や文具などにロゴマークを落書するほど、このバンドのことが大好きだった。

166. Orphans/cero (2014)

ceroのとても良いアルバム「Obscure Ride」からの先行シングルである。

シティ・ポップの現代版であったりとか、そのようにも取られがちだったりもするのだが、日本のポップ・ミュージックの最新型を更新し続けているバンドだと思う。

「気が狂いそうな私は家出の計画を実行に移してみる」というようなシチュエーションについて歌われている。

165. ワインレッドの心/安全地帯 (1983)

安全地帯の4枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位、1984年の年間シングルランキングでは、わらべ「もしも明日が。」に次ぐ2位、「ザ・ベストテン」では1位に輝いた。

個人的には北海道旭川市出身のバンドによる大ヒット曲ということで、地元意識的な思い入れもあるのだが、玉置浩二のバンド名に反して危険きわまりない魅力的なボーカルと大人のロック的なサウンドがとても良く、狂おしい気持ちにさせられたりもする。

164. TSUNAMI/サザンオールスターズ (2000)

サザンオールスターズの44枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで通算5週の1位、2000年の年間シングルランキングでも1位に輝いた。

バラエティ番組「ウンナンのホントコ!」内の恋愛リアリティ企画「未来日記Ⅲ」のテーマソングであった。「見つめ合うと素直にお喋りできない」「あんなに好きな女性に出逢う夏は二度とない」といったフレーズが印象的な、ピュアでエバーグリーンなラヴソングである。

1978年にデビューしたサザンオールスターズにとって何度目かのピークを迎えたともいえる楽曲であり、新しい世代のリスナーにも広くアピールしていた。

163. ソバカスのある少女/ティン・パン・アレー (1975)

ティン・パン・アレーのアルバム「キャラメル・ママ」に収録された曲で、作詞が松本隆、作曲・編曲が鈴木茂のシティ・ポップの名曲の1つである。

ボサノバ的な曲調が切なく、胸をしめつけるような楽曲になっている。南佳孝のゲストボーカルもとても良い。

162. A Perfect Sky/BONNIE PINK (2006)

BONNIE PINKの21枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高5位のヒットを記録した。

ファッションモデルとしてカリスマ的な人気があったエビちゃんこと蛯原友里が出演する資生堂ANESSAのCMソングに起用されたことが、ヒットのきっかけとなった。

「君の胸で泣かない 君に胸焦がさない」のフレーズも印象的な、夏の恋の魔法的ゆえに理不尽でもあることによる切なさや悲しみを知る者には刺さりまくる超名曲である。

161. 私自身/いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー (1977)

いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリーのアルバム「アワー・コネクション」の1曲目に収録された曲である。

都会の気ままな暮らし的なサウンドに、いしだあゆみのポエトリーリーディングからのいい女的なボーカルがとても良く、シティ・ポップの名曲認定されがちである。

次回につづく