邦楽ロック&ポップス名曲1001: 2007, Part.1

Baby Don’t Cry/安室奈美恵(2007)

安室奈美恵の32作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高3位を記録した。

ブレイクのきっかけとなった小室哲哉のプロデュースから離れ、音楽的にはよりR&Bやヒップホップに接近していったり、今井了介、ZEEBRA、VERBALらとのユニット、SUITE CHICでの活動などを経て、フジテレビ系のドラマ「ヒミツの花園」の主題歌でもあったこの曲がヒットして以降、安室奈美恵はまた新たなブレイク期を迎える。

音楽的にも素晴らしいのだが、「散々でも前に続く道のどこかに望みはあるから」というような悲しみや辛さを理解した上でのポジティブなメッセージが強く響いてくる。

笑顔YESヌード/モーニング娘。(2007)

モーニング娘。の32作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高4位を記録した。

国民的アイドルグループとして人気絶頂だった頃と比べると一般大衆的なプレゼンスはわりと落ち着いていた印象はあるものの、アイドルグループのかたちとして新しい価値を創造したようにも思える。

プラチナ期などとも呼ばれるこの時期の楽曲としては特に人気が高いものの1つで、ディスコファンク的な音楽性と絶妙にセクシーな感じが特徴的である。

当時のボーカル面での中心メンバーであった高橋愛、田中れいな、藤本美貴に加え、この楽曲では新垣里沙のウェットなボーカルが真価を発揮しているように思える。

Love so sweet/嵐(2007)

嵐の18作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで1位、年間シングルランキングで4位を記録した。

メンバーの松本潤が主演したTBS系のテレビドラマ「花より男子2(リターンズ)」の主題歌として大ヒットした。

当時の嵐の存在感というのは男性アイドルグループという枠を越えて、大衆的なエンターテインメントとして楽曲やライブパフォーマンスやマスメディアにおけるプレゼンスも含め、実に充実したものだったといえるのだが、特にこの曲については「思い出 ずっとずっと忘れない空」のところの超キャッチーさを含め、その魅力が際だっていたような気がする。

Flavor Of Life/宇多田ヒカル(2007)

宇多田ヒカルの18作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで3週連続1位、年間シングルランキングでは秋川雅史「千の風になって」に次ぐ2位を記録した。

TBS系のテレビドラマ「花より男子2(リターンズ)」の挿入歌として、原作コミックのファンでもあった宇多田ヒカルが書き下ろした楽曲である。

「ありがとう、と君に言われるとなんだかせつない さようならの後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い The flavour of life」と、けして甘いだけではなく、切なくてほろ苦くもある人生や恋愛について、しかしそれはとても素晴らしく価値があるものだ、というようなことが歌われているように思える。

君の好きなとこ/平井堅(2007)

平井堅の26作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高5位を記録した。

日本テレビ系のドラマ「演歌の女王」の主題歌であり、タイトルの通り「君の好きなとこ」の具体例が素晴らしいボーカルで歌われる最高のラヴソングである。

たとえば「照れた笑顔 すねた横顔 ぐしゃぐしゃ泣き顔」「片方だけできるエクボ 朝のかすれた声 唇の色 髪の匂い 抱きしめた温度」などである。

想いが募りすぎて直接に言うことができないから歌詞にして歌っているというようなところも含めて、とても良い。

CHER.R.Y/YUI(2007)

YUIの8作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した。

KDDIと沖縄セルラー電話による音楽配信および書籍閲覧サービス、LISMOのCMソングであった。「恋しちゃったんだ たぶん気づいてないでしょう?」のところがあまりにもキャッチーすぎて特に印象的なのだが、「絵文字は苦手だった だけど君からだったらワクワクしちゃう」「返事はすぐしちゃダメだって 誰かに聞いたことあるけど かけひきなんて出来ないの 好きなのよ」のくだりにもかなりグッとくる。

携帯メール以降、SNS以前のリアルな感覚を記録した楽曲ともいえそうなのだが、令和の若者が大宮アルシェの近くなどでギターを弾きながらこの曲を歌っていたりもするので、時代を超えた名曲だということもできる。

蕾/コブクロ(2007)

コブクロの14作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで1位、年間シングルランキングでは3位を記録した。

リリー・フランキーの小説を原作とするフジテレビ系のドラマ「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」の主題歌として書き下ろされた楽曲である。

メンバーの小渕健太郎が亡き母を想って作詞した感動的な楽曲で、「第49回日本レコード大賞」では大賞を受賞している。