邦楽ロック&ポップス名曲1001: 2005

夢で逢えたら/銀杏BOYZ(2005)

銀杏BOYZのアルバム「DOOR」に収録された楽曲である。

GOING STEADYを解散した峯田和伸が結成したパンクロックバンドで、アルバム「DOOR」「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」の2タイトル同時発売でデビューを飾り、オリコン週間アルバムランキングではそれぞれ最高6位と7位を記録した。

この楽曲は「君に彼氏がいたら悲しいけど 『君が好き』だというそれだけで僕は嬉しいのさ」などと歌われる青春感覚満載のパンクロックであり、甘いメロディーやコーラスも最高である。

「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」でエンディングテーマに使われていた曲としても知られる。

さくら/ケツメイシ(2005)

ケツメイシの14作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで1位、年間シングルランキングでは修二と彰「青春アミーゴ」に次ぐ2位を記録した。

00年代に急激に増えたような印象もあるいわゆる桜ソングの中でも特にヒットしたうちの1つであり、いつかの恋の記憶を桜が舞い散る季節に思い出すという内容がラップも混じったやさしいメロディーにのせて歌われている。

萩原聖人と鈴木えみが出演したドラマ仕立てのミュージックビデオも素晴らしく、2021年のベストアルバム「ケツノパラダイス」リリース時には伊藤あさひと久間田琳加が出演する新バージョンが制作されている。

何度でも/DREAMS COME TRUE(2005)

DREAMS COME TRUEの35作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高3位を記録した。

フジテレビ系のドラマ「救命病棟24時」第3シーズンの主題歌とした書き下ろされた楽曲である。「10000回だけでへとへとになっても 10001回目は何か変わるかもしれない」という歌詞が印象的な強いメッセージを含む楽曲として知られる。

東日本大震災や新型コロナウィルスの感染拡大時などにも、応援歌のモダンクラシックとしてよく聴かれた。DREAMS COME TRUEの楽曲ではこれ以上にヒットしたものも少なくはないが、現在では最も人気がある楽曲の1つとなっている。

リルラ リルハ/木村カエラ(2005)

木村カエラの3作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高3位を記録した。

自身が出演したボーダフォン(現在のソフトバンクモバイル)のCMソングであり、レギュラー出演していたテレビ神奈川の情報番組「saku saku」のエンディングテーマにも使われていた。

タイトルは「Real Life Real Heart」の意味ということになっているが、実際にはメロディーロードを鼻歌でデモテープに録音したところそのように聴こえたことが由来だという。

作詞は木村カエラ、作曲・編曲・プロデュースはEL-MALOでの活動などで知られる會田茂一で、レコーディングにはGREAT3の高桑圭や元thee michelle gun elepamtのクハラカズユキも参加している。

スタイリッシュでありながら適度にオルタナティブな感じがあるところも絶妙で、春っぽい感じもとても良い。

全力少年/スキマスイッチ(2005)

スキマスイッチの5作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高3位を記録した。

ユニット名の由来はメンバーの部屋でたまたま目に入った襖の隙間と電気のスイッチを組み合わせたものらしい。

「あの頃の僕らはきっと全力で少年だった」などと歌われるノスタルジックな楽曲なのだが、メロディーの良さと聴き心地のよいボーカルとサウンドによって、00年代を代表するアンセムの1つとなったような印象もある。

「置いてかれんだ」が「老いて枯れるんだ」とも歌われていて実に見事だと思わされるのだが、これはたまたまパソコンで作詞をしていた時にたまたま変換で出てきたのがおもしろかったので採用されたようである。

イッサイガッサイ/KREVA(2005)

KREVAのソロアーティストとしては5作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高11位を記録した。

夏休みがいかに素晴らしい日々であり、それを待ち焦がれる気分も含めて最高であるかということについて、具体的かつ直感的にもヴィヴィッドに表現したご機嫌なヒップホップチューンである。

とはいえ、過剰にアゲアゲというわけではまったくなくて、絶妙に日常的でもあるところがとても良い。

「リゾート気分」と「理想の自分」でさり気なく韻を踏んでいるところからはじまり、ドラマ仕立てのミュージックビデオに至るまですべてが好ましい夏すぎてたまらない。

キラキラ/aiko(2005)

aikoの18作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した。

関西テレビ系のドラマ「がんばっていきまっしょい」の主題歌で、イントロのピアノや素晴らしいボーカルパフォーマンスなどaikoらしさ満載の最高のポップソングなのだが、「その前にこの世がなくなちゃってたら 風になってでもあなたを待ってる そうやって悲しい日を越えてきた」などと何やら怖いかもしれないようなことも歌われていて、そこがまたとても良い。

遠距離恋愛のことを歌っているのか、それとももっと悲しい意味が含まれていて、そうなるとその想いというのもまるで祈りにも似たものなのではないか、ファンやリスナーの間でも様々な考察がされているようである。そして、この曲のタイトルが「キラキラ」であることも含め、実に味わい深いとしか言いようがない。

世界はそれを愛と呼ぶんだぜ/サンボマスター(2005)

サンボマスターの5作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高7位を記録した。

フジテレビ系のドラマ「電車男」のエンディングテーマとして書き下ろされた楽曲である。アニメなどを好む気弱な男性と美しく裕福な女性との関係性をテーマにしたインターネット掲示板スレッドが書籍化されベストセラーになり、それのテレビドラマ化ということでわりと話題になっていた。オープニングテーマ曲はエレクトリック・ライト・オーケストラ「トワイライト」であった。

ライブシーンやロックファンの間ではすでにわりと人気があったサンボマスターだったが、ドラマのエンディングでは秋葉原で撮影された本人たちも出演する映像が流れたりもしたことで、一般大衆的にも知名度を上げた。

青春アミーゴ/修二と彰(2005)

修二と彰のデビューシングルでオリコン週間シングルランキングで通算3週1位、年間シングルランキングでも1位を記録した。

日本テレビ系のテレビドラマ「野ブタ。をプロデュース」に出演した亀梨和也と山下智久というジャニーズ事務所所属の男性アイドル2人による期間限定ユニットである。

「俺達はいつでも2人で1つだった 地元じゃ負け知らず」などと歌われ、裏社会に生きるアウトローというような設定であった。

かつての男性アイドルポップスを彷彿とさせるような、あえて懐古的なイメージを歌詞やメロディーなどに取り入れることによって、わりと年齢層が上のリスナーにも支持され大ヒットした。

粉雪/レミオロメン(2005)

レミオロメンの8作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで最高2位、2006年の年間シングルランキングでも2位を記録した。

フジテレビ系のドラマ「1リットルの涙」の挿入歌として使用され大ヒットした超有名曲であるにもかかわらず、カラオケで歌うことがとても難しいことでも知られる。

永遠の愛というようなほとんど不可能に近いほど困難なものをテーマにしたポップソングというのはひじょうに多いわけだが、それゆえにわりと早く溶けてなくなったりもする雪との比較が効いてくるところもあり、それが最も効果的に実現された楽曲の1つなのではないかというような気もする。