邦楽ロック&ポップス名曲1001: 1991, Part.2

踊るダメ人間/筋肉少女帯(1991)

筋肉少女帯の4作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高22位を記録した。

それにしてもすごいタイトルである。それで、収録アルバムが「断罪!断罪!また断罪‼︎」である。

「ダメ、ダメ、ダメ人間 ダメ! 人間 人間」という身も蓋もないのだがたまらなくキャッチーなフレーズで大いに盛り上がり、「それでも生きていかざるをえない!」となんだか哲学的な感じで終わるところもとても良い。

オレンヂ バナナ/KUSU KUSU(1991)

KUSU KUSUの3作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高43位を記録した。

1989年に「イカ天」こと「三宅裕司のいかすバンド天国」に出演した際に演奏した楽曲で、ばんぐにではFLYING KIDSに僅差で敗れ、イカ天キングとはならなかったが、視聴者投票で決定する「アマチュアバンドベスト10」のコーナーでは10週連続1位を記録した。

アフロポップを取り入れたポップでキャッチーな音楽性とアイドル性をも兼ね備えたキャラクターが特徴で、後にメジャーデビューも果たすのだが、その時点で最も有名だったはずのこの曲は少し後になってからリリースされた。

格好悪いふられ方/大江千里(1991)

大江千里の23作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した。

テレビドラマ「結婚したい男たち」の主題歌である。タイトルからも想像できるように失恋ソングであり、「きみが欲しい いまでも欲しい きみの全てに泣きたくなる」などと歌われる。

SAY YES/CHAGE&ASKA(1991)

CHAGE&ASKAの27作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで13週連続1位、年間シングルランキングで2位を記録した。

フジテレビ系で月曜の夜9時に放送されていたドラマ「101回目のプロポーズ」の主題歌である。浅野温子と武田鉄矢が主演していて、「僕は死にましぇん」というセリフが流行していたはずである。

ポプコンことヤマハポピュラーソングコンテスト入賞(グランプリは獲得していない)をきっかけにチャゲ&飛鳥としてデビューして、ニューミュージック的な「万里の河」をヒットさせたりしていたのだが、いつの間にかCHAGE&ASKAになっていて、この曲を大ヒットさせた。

「愛には愛で感じ合おうよ」などと歌われるラヴバラードで、おそらく日本のポップミュージック史上最も有名な楽曲の1つではあるのだが、2024年1月現在、ストリーミングサービスで聴くことができず、しかしYouTubeではミュージックビデオを公式に視聴することができる。

しゃぼん玉/長渕剛(1991)

長渕剛の15作目のシングルでオリコン週間シングルランキングで1位、年間シングルランキングでは8位を記録した。

主演テレビドラマ「しゃぼん玉」の主題歌である。「いったい俺たちはノッペリとした都会の空にいくつのしゃぼん玉を打ち上げるのだろう?」と歌われるこの曲が、日本でバブル景気というしゃぼん玉が弾けてとんだ(一般庶民にはまだそれほど明確には認識されていなかったが)年にヒットしたというのもなんだか象徴的ではある。

ロサンゼルス録音で現地のミュージシャンたちのフォークロック的な演奏にのせて、痛切さと適度の諦念とが入り混じったようなボーカルが心に響いてくる。

Chop Choo TRAIN/ZOO(1991)

ZOOの4作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高3位を記録した。

JR東日本のスキー旅行キャンペーンソングとして制作された楽曲で、ダンサブルなウィンターアンセムとして知られる。

パフォーマンス時のメンバーが縦一直線に並び、少しずつ時間差をるけて体をグルグル回すダンスも印象的で、一般人を含めいろいろな人たちによって真似されるようになった。

2003年には元メンバーであったHIROがリーダーを務めるEXILEによるカバーバージョンが、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録している。

月の裏で会いましょう/オリジナル・ラヴ(1991)

オリジナル・ラヴの2作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高86位を記録した。

ハイパーメディアクリエイター、高城剛が監督したフジテレビ系の深夜ドラマ「バナナチップス・ラヴ」の主題歌として、流行最先端的な人たちの間ではわりと話題になっていたような気がする。

兼任していたピチカート・ファイヴを「卒業」した田島貴男はオリジナル・ラヴでの活動に専念し、この年にシングル「DEEP FRENCH KISS」と2枚組アルバム「LOVE! LOVE! & LOVE!」でメジャーデビューを果たすのだが、このシングルではクールでスタイリッシュな持ち味を生かしながらも、よりJ-POPのシングル曲であることを意識したようなキャッチーさもあってとても良い。

恋のマジックポーション/すかんち(1991)

すかんちの4作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高23位を記録した。

ローリー寺西(現・ROLLY)を中心とするロックバンドで、バンド名の由来(ヒントは逆さ読みで練習スタジオのスタッフがかかわっている)やビジュアルイメージも含め、コミカルな印象も強いのだが、音楽的にはブリティッシュロックからの影響が色濃く、かなり聴きごたえがある。

この曲は「ダウンタウンのごっつええ感じ」のオープニングテーマソングとして起用され、日曜の夜8時にはわりと多くの日本国民がマイルドな高揚感と共に聴いていた可能性がひじょうに高い。