ブロウ・モンキーズ「ディギング・ユア・シーン」

「ディギング・ユア・シーン」はスコットランド出身のドクター・ロバートを中心にイギリスで結成されたポップバンド、ブロウ・モンキーズの2作目のアルバム「アニマル・マジック」に先がけてシングルとしてリリースされた楽曲で、全英シングルチャートで最高12位、全米シングルチャートで最高14位のヒットを記録した。

聴くとすぐに分かるのだが、とにかくジャジーでお洒落な楽曲である。ザ・スタイル・カウンシルあたりを気に入って聴いていたリスナーたちには日本でも大いに受けてわりと人気があったような気がする、というか個人的にもそういったタイプのリスナーであり、大学進学と同時に住みはじめた小田急相模原のワンルームマンションでテレビ神奈川の何らかの番組で流れるこの曲のミュージックビデオを見て、何だかすごく好きだなと感じていたことなどが思い出される。

とはいえ、この曲には確かにそんなお洒落なムードが漂いまくってはいるわけなのだが、歌詞はなかなかシリアスであり、エイズこと後天性免疫不全症候群とそれにまつわる同性愛者に対しての偏見や嫌悪をテーマとして扱った最初のヒットソングだともいわれている。

当時、どれだけのリスナーがそれを認識した上でこの曲を好んで聴いていたのか、あるいはそういったトピックゆえのヒットだったのかはいまとなっては定かではないのだが、少なくとも個人的には大学生になったばかりで浮かれまくっていた頃に、なんとなく気に入っていたお洒落な楽曲というイメージであった。

とはいえ、他にもレコードだけではなく、お金を使う要件はいろいろあったため、この曲を収録したレコードは買わないままで夏休みになったのだが、帰省したときに訪れた留萌で祖母にもらったお小遣いで、ブロウ・モンキーズ「アニマル・マジック」のLPレコードをダリル・ホール「ドリームタイム」と一緒に買った。

小田急相模原のワンルームマンションには本厚木のマルイで買ったCDプレイヤーがすでにもうあって、初めて買ったCDソフトはザ・スタイル・カウンシル「アワ・フェイヴァリット・ショップ」だったのだが、ブロウ・モンキーズ「アニマル・マジック」やダリル・ホール「ドリームタイム」は実家のステレオですぐに聴きたかったのと、そもそもCDとしてすでにリリースされていたのか、留萌のレコードショップで取り扱いがあったかは定かではなかった。

いずれにしても1986年の夏休み、ブロウ・モンキーズ「アニマル・マジック」のLPレコードは留萌のレコードショップで普通に購入することができたし、買ったのは自分だという事実は意味もなく記録しておきたい(知らんがな)。

米米CLUB(当時の表記は「米米クラブ」)がこの年の10月10日にリリースしたアルバム「E・B・I・S・U」は本厚木のすみやでCDで買ったのだが、「トラブル・フィッシュ」というなかなかの「ディギング・ユア・シーン」歌謡が収録されていて、早いしとても良い。