40. Beyoncé, ‘Texas Hold’Em’
ビヨンセのアルバム「カウボーイ・カーター」からリードシングルとしてリリースされた楽曲で、全米シングルチャートで1位に輝いたのだが、カントリーミュージックのテイストとビヨンセの個性が絶妙にミックスされていてとても良い。トランプゲームのポーカーとロマンスとをかけ合わせた歌詞になっていて、軽やかであるがゆえのポップ感覚がまた心地よい。
39. Dua Lipa, ‘Training Season’
デュア・リパの3作目のアルバム「ラジカル・オプティミズム」に先がけてシングルとしてリリースされた楽曲で、全英シングルチャートで最高4位のヒットを記録した。ABBAを彷彿させたりもするユーロディスコ的なポップでキャッチーなディスコポップで、物足りないデートについての不満を表明し、トレーニン期間はもうおしまいというようなことを歌っている。
38. Ariana Grande, ‘yes, and?’
アリアナ・グランデのアルバム「エターナル・サンシャイン」からリードシングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで1位、全英シングル・チャートで最高2位と順当に大ヒットした。軽快なディスコポップで、回復力を高めてトラウマ的な出来事によって傷ついた状態から立ち直ることの大切さについて歌われている。
37. Billie Eilish, ‘Lunch’
ビリー・アイリッシュの3作目のアルバム「ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト」からリードシングルとしてリリースされた楽曲で、「あの子をランチで食べてもいい」というような言い回しで性愛的な欲望についてわりと直接的に言及しているところが特徴的である。シンプルなミュージックビデオもとても良い。
36. NewJeans, ‘How Sweet’
NewJeansの2024年は音楽そのものやパフォーマンス以外の面での話題の方が目立った印象もあり、状況はいろいろと不透明なままだったりもするのだが、エレクトロクラッシュでマイアミベースなこの曲などはナチュラルでレトロ感覚もありながら、またしてもかなり新しさが感じられたりもしてとても良い。
35. Blondshell, ‘Docket (feat. Bully)’
2023年のデビューアルバムが好評だったアメリカのインディーロックアーティスト、ブロンドシェルがやはりアメリカのインディーロックアーティストによるソロプロジェクト、ブリーをフィーチャーしてレコーディングしたシングル曲で、マイルドにオーセンティックなムードもありながら絶妙にフレッシュなインディーポップチューンに仕上がっている。
34. Magdalena Bay, ‘Death & Romance’
アメリカのエレクトロインディーポップデュオ、マグダレーナ・ベイのとても良いアルバム「イマジナル・ディスク」からリードシングルとしてリリースされた楽曲で、エイリアンのボーイフレンドに失恋した女性の心情がサイケデリックなシンセポップにのせて歌われている。
33. Geordie Greep, ‘Holy Holy’
ジョーディー・グリープはイギリスの有望なポストパンクバンド、ブラック・ミディを率いていた人なのだが、バンドは無期限の活動休止となり、ソロ名義でのデビューアルバム「ニュー・サウンド」からのリードシングルとしてこの曲はリリースされた。ジャジーなムードも感じられるディスコパンクにのせて、歌われるのが場末のロマンティック感覚とでもいえそうなシチュエーションなのも味わい深い。
32. SZA, ‘Saturn’
SZAが大ヒットアルバム「SOS」の再発版である「ラナ」からのリードシングルとしてリリースした楽曲で、現実世界から逃避して土星に移住したいというような心境が歌われている。全米シングルチャートでは最高6位のヒットを記録した。
31. Charli XCX, ‘Von dutch’
チャーリー・XCXのアルバム「ブラット」からリードシングルとしてリリースされた楽曲で、全英シングルチャートで最高26位を記録した。2024年にポップカルチャー的ムーブメントといえるほどの影響力を発揮し高評価を得たあのアルバムを取り巻く現象はこの楽曲からはじまったということができる。タイトルはかつてビースティ・ボーイズの歌詞にも登場したファッションブランドの名称で、チャーリー・XCXはこの曲において他人からの嫉妬に対処すると同時に、自身の富や名声を悪びれずに誇る姿勢を表明している。