洋楽ロック&ポップス名曲1001:2021

Olivia Rodrigo, ‘drivers license’

オリヴィア・ロドリゴのデビューシングルで全米シングルチャートで8週連続1位を記録したほか、イギリスやオーストラリアをはじめ25カ国のチャートで1位に輝いた。当時、17歳だったオリヴィア・ロドリゴは全米シングルチャートでデビューシングルが初登場1位を記録した史上最年少のアーティストとなった。また、この曲はグラミー賞で年間最優秀レコード賞、年間最優秀楽曲賞にノミネートされ、最優秀ポップソロパフォーマンス賞を受賞した。

失恋をテーマにしたバラードで痛切な歌詞とエモーショナルなボーカルパフォーマンスが高く評価され、「ハイスクール・ミュージカル」出身のオリヴィア・ロドリゴはこの1曲でポップセンセーション的な注目をあつめることになった。

運転免許証を取得して車を運転しているのだが、かつてよくそのことについて話し合っていたボーイフレンドはもういない、というようなことが歌われている。オリヴィア・ロドリゴは実際に失恋したときにこの曲を書いたと発言していて、その相手は交際が噂されていた共演者のジョシュア・バセットで、その新しい恋人はサブリナ・カーペンターだと広く信じられている。

こういったゴシップ的な要素もこの曲が大ヒットした要因の1つではあるのだが、とはいえそれ以前に曲そのものがひじょうに魅力的であることには間違いがない。

Olivia Rodrigo, ‘good 4 u’

オリヴィア・ロドリゴがデビューアルバム「サワー」に先がけてリリースしたシングルで、アメリカやイギリスをはじめ23カ国のシングルチャートで1位を記録した。

ポップパンク的なエナジーに溢れた失恋ソングであり、自分自身は失恋をいまだに引きずっているにもかかわらず、すでに立ち直り調子が良さそうな元カレに対してブチ切れるというような内容になっている。

チアリーディング的なコスプレや過激な復讐劇などが見られるミュージックビデオもとても良い。

Wet Leg, ‘Chaise Longue’

イギリスのインディーロックデュオ、ウェット・レッグのデビューシングルで、全英シングルチャートで最高74位を記録した。グラミー賞では最優秀オルタナティブミュージックパフォーマンス賞を受賞している。

クールでシニカルなインディーポップでありながらセクシーなほのめかしを含んでいるところなどが、特にとても良い。タイトルの長椅子はメンバーの祖父から受け継いだもので、それに腰かけながらこの曲は書かれた。

この曲を収録したデビューアルバム「ウェット・レッグ」は全英アルバムチャートで1位となる大ヒットを記録し、マーキュリー賞にもノミネートされた。

Taylor Swift, ‘All Too Well (10 Minute Version)’

テイラー・スウィフトは最初の6作のアルバムについてマスターの権利をめぐってレーベルと争った後、再録音したバージョンを自身のレーベルからリリースすることを発表した。

この曲は2012年のアルバム「レッド」の収録曲としてリリースされていたのだが、自身で再レコーディングするのに際して、約10分間に延長した新たなバージョンを発表した。

全米シングルチャートで1位を記録し、それまでドン・マクリーン「アメリカン・パイ」が保持していた最も長尺の全米NO.1ソングの記録を約50年ぶりに更新した。

テイラー・スウィフト自身が経験し、心に深い傷を負った年上の男性との搾取的ともいえる失恋がテーマになっていて、10分間バージョンでは歌詞のディテールがさらに詳細になり、告発的なトーンも帯びているところなどが高く評価された。

テイラー・スウィフトのシンガーソングライターとしての才能が最も発揮された楽曲として、多くの批評家やリスナーから評価されてもいる。