洋楽ロック&ポップス名曲1001:2017

BTS, ‘Spring Day’

韓国の音楽グループ、BTSのアルバム「WINGS」のリパッケージ版「YOU NEVER WALK ALONE」に収録された楽曲である。

いまここにいて欲しい人がいないことについての悲しみや切なさというのは多くの人々が経験しているがゆえに共感しやすいテーマだとは思うのだが、それがポップソングというフォーマットにおいて最もヴィヴィッドに表現された例の1つなのではないかというような気がする。

それを冬の季節にたとえているのだが、それでもずっと終わらない季節はないので、やがて春の日が訪れるだろうという希望的な見解をも盛り込んでいる点が、実際にはどうであれ少なくとも束の間のファンタジーとしては限りなく正しい。

Lorde, ‘Green Light’

ロードのアルバム「メロドラマ」からリードシングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで最高19位、全英シングルチャートで最高20位を記録した。

ピアノの演奏をバックに失恋の痛みを歌ったバラードのようにはじまるのだが、別れた恋人がサメに食べられてしまえばいいなどと歌われた後、しだいに解放感溢れるダンスポップへと移行していく。

タイトルは青信号のことであり、失恋を振り切って新しい日常を生きはじめようとしている主人公を肯定するものの象徴として描かれている。

ミュージックビデオやテレビでの初披露時に見せて賛否両論を呼んだというユニークでエモーショナルなダンスもとても良い。

Cardi B, ‘Bodak Yellow’

カーディ・Bのメジャーデビューシングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで3週連続1位に輝いた。女性ラッパーのソロ楽曲が全米シングルチャートで1位になるのは、1998年のローリン・ヒル「ドゥー・ワップ」以来、19年ぶりのことであった。

ストリッパーであった過去を回想したりしながらも、ラッパーとして成功をおさめた現状を満喫するような痛快なラップが最高である。それでいて、どこか不穏なムードも感じさせるダークなトラックがまたとても良い。