洋楽ロック&ポップス名曲1001:2007, Part.1

Klaxons, “Golden Skans”

クラクソンズのデビューアルバム「近未来の神話」からリードシングルとしてリリースされ、全英シングルチャートで最高7位を記録した。

インディーロックにダンスビートを取り入れた音楽性からニューレイヴなどと一部ではカテゴライズされたりしていた。アルバムが全英アルバム・チャートで最高2位を記録したり、マーキュリー賞を受賞するなど大いに話題になった。

アルバムや楽曲のタイトルをJ.G.バラードやトマス・ピンチョンといったカルト的にひじょうに人気の高い小説家の作品名から取っているのも特徴であった。

LCD Soundsystem, “All My Friends”

LCDサウンドシステムの2作目のアルバム「サウンド・オブ・シルバー」からシングルカットされ、全英シングルチャートでの最高位は41位とそれほど高くはなかったのだが、ピッチフォークやガーディアンといったメディアが年間ベストトラックの1位に選ぶなどしたことも影響して、しだいに評価が高まっていった。

大人になった現在から若かりし頃を懐かしく思い出し、あの友人たちは今夜どこにいるのだろうと考えたりもする、というようなことが歌われている。

繰り返されるピアノのフレーズが印象的であり、曲が進んでいくにつれてしだいにボリュームが大きくなっていって盛り上がっていく感じもとても良い。

シングルのカップリング曲として、フランツ・フェルディナンドやジョン・ケイルによるこの曲のカバーバージョンが収録されていた。

Rhianna feat. Jay-Z, “Umbrella”

リアーナのアルバム「グッド・ガール・ゴーン・バッド」から先行シングルとしてリリースされ、全米シングル・チャートで7週連続1位、全英シングル・チャートでは10週連続1位など、世界的に大ヒットした。

全英シングル・チャートで10週以上連続連続して1位を記録したのは1994年のウェット・ウェット・ウェット「愛にすべてを」以来、全米、全英いずれものシングル・チャートで5週連続以上の1位を記録したのは1997年のエルトン・ジョン「キャンドル・イン・ザ・ウインド〜ダイアナ元皇太子妃に捧ぐ」以来であった。

苦難や困難が降りかかった時にそれから身を守ってくれる人のことを雨に対しての傘にたとえ、私があなたにとってのそれになるわ、ということが歌われたとても深くて熱いラヴソングである。

ジェイ・Zのラップがとてもカッコよく、リアーナが「アンブレラ」と歌ったあとで「エラ、エラ、エラ」と繰り返すところが印象的でとても良い。

Justice, “D.A.N.C.E.”

フランスのエレクトロニック・ミュージックデュオ、ジャスティスの2枚目のシングルで、全英シングルチャートで最高48位を記録した。

メンバーの2人はマイケル・ジャクソンの大ファンであり、この曲は「今夜はビート・イット」「ブラック・オア・ホワイト」「P.Y.T」やジャクソン5の「ABC」などにも言及した、トリビュート的な内容にもなっている。

また、ラリー・レヴァンがディスコミックスした「スタンド・オン・ザ・ワード」にインスパイアされ、子供たちが歌うディスコソングをつくろうと思い立ったことも大きく、この曲ではロンドンを拠点とするファウンデーションズ・フォー・ヤング・ミュージシャンの小学生たちによるナチュラルなボーカルがフィーチャーされている。

The Cribs, “Men’s Needs”

イギリスのインディー・ロック・バンド、ザ・クリブスの3作目のアルバム「メンズ・ニーズ、ウィメンズ・ニーズ、ホワットエヴァー」からのリードシングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで最高17位を記録した。

ニューウェイヴやインディーロックの良質な部分を継承する、ひじょうに良心的なバンドという印象がある。一時的に元ザ・スミスのジョニー・マーが加入し、脱退したりもしていた。

この曲はフランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノスがプロデュースしていることもあってか、よりニューウェイヴ的なキャッチーさが際立っていて、ザ・クリブズにとって最大のヒットを記録してもいる。ヌードとバイオレンスのせいで放送禁止になったミュージックビデオもなかなか乙なものである。