洋楽ロック&ポップス名曲1001:2002, Part.2
Clipse, ‘Grindin’’
バージニア州バージニアビーチ出身のラップデュオ、クリプスのデビューシングルで、全米シングルチャートで最高30位、全英シングルチャートで最高41位を記録した。
ザ・ネプチューンズによってプロデュースされた楽曲で、ミニマルでパーカッシブなビートが特徴的である。
この曲のインストゥルメンタルはクリス・ブラウン「ソーリー・イナフ」やビッグ・ショーン「フライデイ・ナイト・サイファー」などでもサンプリングされた。
The Flaming Lips, ‘Do You Realize??’
フレーミング・リップスのアルバム「ヨシミ・バトルズ・ザ・ピンク・ロボッツ」からリードシングルとしてリリースされ、全英シングルチャートで最高32位を記録した。アルバムタイトルの「ヨシミ」とは日本のオルタナティヴ・ロックバンド、ボアダムズのドラマー、YOSHIMIに由来している。
レコーディング中にメンバーのスティーヴン・ドローズがヘロイン中毒を克服しようとしていたのだが、禁断症状に苦しみ、泣いたりもしていたことなどにインスパイアされ、ウェイン・コインが書いた曲だといわれている。
2009年には州民投票により、オクラホマ州の公式ロックソングに認定されたが、後に共和党の知事が就任した際に解除されている。
The Coral, ‘Dreaming of You’
イギリスはマージーサイド出身のインディー・ロックバンド、ザ・コーラルのデビュー・アルバム「ザ・コーラル」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高13位を記録した。プロデューサーはライトニング・シーズなどで知られるイアン・ブロウディである。
00年代前半といえばガレージロック的なサウンドが旬でもあったのだが、ザ・コーラルはノスタルジックだがハイクオリティーなブリティッシュロックを聴かせてくれるバンドとして高く評価されていた印象がある。
「キングオブコント」4年連続ファイナリストの実績を持つ日本の実力派お笑いトリオ、GAGがこの曲を出囃子に使っていることも特筆しておきたい。
LCD Soundsystem, ‘Losing My Edge’
LCDサウンドシステムのデビューシングルで、全英シングルチャートで最高115位を記録した。
キリング・ジョーク「チェンジ」によく似たリズムが用いられ、歌詞にはカン、スーサイド、キャプテン・ビーフハート、ダフト・パンク、ビーチ・ボーイズといったアーティストの名前も登場する。
ジェームス・マーフィーがポストパンクの曲をかけるクールなDJとして一時的に注目されるが、やがて他のDJたちもそれを真似することによって、クールではなくなっていったという実体験を元に、トレンドの移り変わりの速さなどについて語られていく。
ポストパンク的なダンスミュージックということで、ダンスパンクとかディスコパンクなどと呼ばれることもあった。
Coldplay, ‘Clocks’
コールドプレイのアルバム「静寂の世界」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高9位、全米シングルチャートで最高29位を記録した。
貴重な時間が失われていく時間における緊迫した関係や愛をテーマにした楽曲であり、ピアノのフレーズが特に印象的である。
グラミー賞では最優秀レコード賞を受賞し、コールドプレイをイギリスのインディーロックバンドにとどまらぬ、よりグローバルでメインストリームなアーティストとして印象づけるきっかけにもなった。
Queens of the Stone Age, ‘No One Knows’
クイーンズ・オブ・ストーン・エイジのアルバム「ソングス・フォー・ザ・デフ」からリードシングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで最高51位、全英シングルチャートで最高15位を記録した。
フー・ファイターズのデイヴ・グロールがドラマーとして参加していたこの時期のクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジだが、この曲では繰り返されるキャッチーなギターリフもまた印象的である。