洋楽ロック&ポップス名曲1001:1997, Part.2

The Chemical Brothers, ‘Block Rockin’ Beats’

ケミカル・ブラザーズのアルバム「ディグ・ユア・オウン・ホール」からシングルカットされ、全英シングルチャートで1位に輝き、グラミー賞では最優秀ロック・インストゥルメンタル賞を受賞した。

バーナード・パーディー「チェンジズ」のドラムス、スクーリーD「グッチ・アゲイン」のラップをはじめ、様々なレコードからのサンプリングが効果的に用いられている。

エレクトロニックミュージックの中でもヘビーなブレイクビーツを強調したビッグビートというサブジャンルを代表するヒット曲となった。

Hanson, ‘MMMBop’

オクラホマ州タルサ出身の3人兄弟バンド、ハンソンのデビューシングルでアメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリアなど27カ国のシングルチャートで1位に輝いた。邦題は「キラメキ☆MMMBOP」である。

元々はインディーズ時代のアルバムに収録されていたバラードだったが、プロデューサーのダスト・ブラザーズによってヒップホップ的なスクラッチなども入ったアップテンポなポップソングとして生まれ変わった。

このシングルがリリースされた当時、メンバーは16歳から11歳であり、そのフォトジェニックなルックスも手伝って、一躍人気者になった。

歌詞は人生において本当に大切なものを持ち続けることをテーマにした、わりと奥深いものになっている。

The Notorious B.I.G., ‘Hypnotize’

ノトーリアス・B.I.G.のアルバム「ライフ・アフター・デス」からリードシングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで1位、全英シングルチャートで最高10位を記録した。

ハーブ・アルパート「ライズ」をサンプリングしたトラックにのせて、ノトーリアス・B.I.G.が自分の才能を称賛するライムをラップし、トータルのパム・ロングが「ビギー、ビギー、ビギー、分からないの? 時々あなたの言葉が私を催眠術にかける」などと歌う。

このシングルがリリースされた5日後に、ノトーリアスB.I.G.は銃撃を受けて死亡することになる。

Missy “Misdemeanor” Elliott, ‘The Rain (Super Dupa Fly)’

ミッシー・エリオットのデビューシングルで、全英シングルチャートで最高16位を記録した。

アン・ピープルズ「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」がベースになっていて、コーラスではサンプリングもされている。

サブタイトルの「スゥパ・ドゥパ・フライ」はカーティス・メイフィールド「スーパーフライ」をさらに飛翔させたイメージであり、この曲を収録したアルバムのタイトルにもなっている。

プロデューサーのティンバランドをはじめ、ショーン・コムズ、リル・キム、SWVのタマラ・ジョンソン・ジョージ、ヨーヨー、トータルなども出演したミュージックビデオにおいては、ミッシー・エリオットの巨大に膨らんだ衣装がとても印象的である。

Foo Fighters, ‘Everlong’

フー・ファイターズのアルバム「ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ」からシングルカットされ、全米オルタナティブソングチャートで最高3位、全英シングルチャートで最高18位を記録した。

このアップリフティングでエモーショナルなラヴソングは、精神的にも肉体的にも深いレベルでつながった、永遠の愛などというものはありえないとは分かっていながらも、実はこれがそうなのではないかと束の間でも信じてしまいそうになるような状況について歌っている。

フー・ファイターズがライブで最も多く演奏した楽曲で、バンドの代表曲としても知られるが、2022年に亡くなったドラマーのテイラー・ホーキンスが生前最後に演奏したのもこの曲であった。