1996年の洋楽ロック&ポップス名曲ベスト20
1996年にリリースされた洋楽ロック&ポップスの名曲から特に有名だったり人気があったりヒットしたり重要だと思えるものなどを20曲選んでいきたい。
20. The Box – Orbital
インディーロックファンにもひじょうに人気があった兄弟テクノユニット、オービタルの4作目のアルバム「イン・サイズ」から先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで最高11位を記録した。夢の中に何度も現れる木製の箱がモチーフになっているという。不思議な謎のサウンドトラック的な雰囲気も感じられてとても良い。
19. Fastlove – George Michael
ジョージ・マイケルの3作目のアルバム「オールダー」からの先行シングルで、全英シングル・チャートで1位に輝いた。パトリース・ラッシェン「フォーゲット・ミー・ノッツ(忘れな草)」をサンプリングしたスムースでアーバンなホワイトソウルという感じでモテそうである。
18. Kandy Pop – bis
スコットランドのインディーポップバンド、ビスの「シークレット・ヴァンパイア・サウンドトラック」EPに収録されていた曲で、キュートでキャッチーでDIYスピリットのようなものが感じられるところが特に良い。
17. If I Ruled The World (Imagine That) – Nas featuring Lauryn Hill
ナズの2作目のアルバム「イット・ワズ・リトゥン」からの先行シングルで、カーティス・ブロウの同名曲がベースとなっている。ローリン・ヒルをフィーチャーし、全英シングル・チャートでは最高12位を記録した。
16. Radiarion Vibe – Fountains Of Wayne
アメリカのオルタナティヴロックバンド、ファウンテインズ・オブ・ウェインのデビューシングルで、全英シングル・チャートで最高32位を記録した。パワーポップ的な魅力に溢れたとても良い曲である。
15. Female Of The Spacies – Space
イギリスのロックバンド、スペースのデビューアルバム「スパイダーズ」からシングルカットされ、全英シングル・チャートで最高14位を記録した。ラテンやラウンジミュージック的な要素も入ったユニークな楽曲である。
14. If I Could Talk I’d Tell You – The Lemonheads
レモンヘッズのアルバム「カー・ボタン・クロス」からの先行シングルで、全英シングル・チャートで最高39位を記録した。ポップでキャッチーなインディーポップなのだが、少し枯れた感じなのがまたとても良い。
13. Wannabe – Spice Girls
世界中に大旋風を巻き起こしたスパイス・ガールズのデビュー曲で、アメリカやイギリスをはじめとするヨーロッパ各国などのシングル・チャートで1位に輝いた。当時のポップカルチャーを象徴する1曲だともいえる。
12. E-Bow The Letter – R.E.M.
バンド本来の良さを取り戻したのではないかなどといわれ、わりと好評だった印象が強いアルバム「ニュー・アドヴェンチャー・イン・ハイファイ」からの先行シングルで、全英シングル・チャートで最高4位を記録した。パティ・スミスのボーカルをフィーチャーした、とても渋いのだがかなり良い曲である。
11. Goldfinger – Ash
この年にリリースしたデビューアルバム「1977」が全英アルバム・チャートで初登場1位に輝いたアッシュのヒット曲で、全英シングル・チャートで最高5位を記録した。スピッツの草野マサムネが大好きな曲としても知られる。
10. Going Out – Supergrass
スーパーグラスがデビューアルバム「アイ・シュド・ココ」以降、最初にリリースしたシングルで、ブリティッシュポップの歴史を継承するべく健全な成長が明らかに感じられる。全英シングル・チャートでは最高5位を記録した。
9. The Man Don’t Give A Fuck – Super Furry Animals
ウェールズ出身のスーパーファーリー・アニマルズはクリエイション・レコード所属アーティストの中でもひじょうにクセが強く通好みの印象があり、デビューアルバム「ファジー・ロジック」の全英アルバム・チャートでの最高位は23位であった。その後にリリースされたこのシングルではスティーリー・ダン「ショウビズ・キッズ」からサンプリングしたFワード連呼が印象的で、全英シングル・チャートで最高22位を記録した。
8. Trash – Suede
ブリットポップ黎明期においてひじょうに重要な役割を果たしたスウェードだが、ギタリストでソングライターのバーナード・バトラーが脱退後、10代のリチャード・オークスが加入していた。これによりポップでキャッチーになった音楽性がメインストリーム化したブリットポップの感じにハマり、全英シングル・チャートで最高3位のヒットを記録した。
7. No Diggity – Blackstreet feat. Dr. Dre
とてもカッコいいR&Bのヒット曲で、全米シングル・チャートで1位に輝いた。特に何度も出てくるピアノのフレーズがひじょうに印象的である。
6. Lovefool – The Cardigans
日本の特に都市部ではかなり人気があったような気もするカーディガンズのアルバム「ファースト・バンドオン・ザ・ムーン」からのシングル曲だが、映画「ロミオ+ジュリエット」で使用されたことによってさらに知られるようになり、全英シングル・チャートでは最高2位を記録した。
5. Ready Or Not – Fugees
大ヒットしたアルバム「ザ・スコア」からのシングルカットで、全英シングル・チャートで1位に輝いた。エンヤとデルフォニックスがサンプリングされている。
4. Setting Sun – The Chemical Brothers feat. Noel Gallagher
ケミカル・ブラザーズの曲にオアシスのノエル・ギャラガーがフィーチャーされ、全英シングル・チャートで1位に輝いた。テクノの一部がインディーロックファンにもわりと人気があったことを象徴するヒット曲だったようにも思える。
3. Firestarter – The Prodigy
初期はもっと匿名的なテクノユニットだったような気もするプロディジーだが、この頃にはしっかりキャラクターが立っていて、ポップカルチャー的にもひじょうに強いインパクトをあたえた。テレビでこの曲のビデオを見た子供が怖くて泣き出したとのクレームが放送局に寄せられたというようなエピソードもあったような気がする。全英シングル・チャートで1位に輝いた。
2. A Design For Life – Manic Street Preachers
マニック・ストリート・プリーチャーズからギタリストで作詞家のリッチー・エドワーズが失踪し、見つからぬまま3人組として再スタートを切ってから最初のシングルで、全英シングル・チャートで最高2位を記録した。インディーロックの枠を超え、国民的バンドに成長していく上でのターニングポイントとなった曲でもある。当時のヒット曲にしてはひじょうに知的かつ政治的であり、労働者階級の新しいタイプのアンセムとしても機能していたような気がする。
1. Where It’s At – Beck
ベックの2作目のアルバム「オディレイ」はフォークやカントリーからロック、ヒップホップ、エレクトロなど、ポップ・ミュージックの玉手箱とでもいうべき素晴らしいオルタナティヴロックアルバムだったわけだが、先行シングルとしてリリースされたこのシングルにもそのエッセンスが抽出されているような魅力がある。全英シングル・チャートでの最高位は35位であった。