1977年の洋楽ロック&ポップス名曲ベスト20

ディスコとパンクが盛り上がったといわれる1977年のポップ・ミュージックの中から、特に重要だと思われる20曲を選んでいきたい。

20. Got To Give It Up, Part 1 – Marvin Gaye

レーベルからの強い要望もあり、マーヴィン・ゲイが流行のディスコ・ミュージックに取り組んだ楽曲だといわれている。邦題は「黒い夜」で、全米シングル・チャートで1位に輝いた。

19. The Passengers – Iggy Pop

デヴィッド・ボウイらとの共同プロデュースで制作されたアルバム「ラスト・フォー・ライフ」の収録曲で、シングル「サクセス」のカップリング曲としてもリリースされた。デヴィッド・ボウイと一緒にツアーを回った時の経験にインスパイアされた曲である。

18. Two Sevens Clash – Culture

ジャマイカのレゲエ・バンド、カルチャーがリリースしたデビュー・アルバムのタイトルトラックである。1977年7月7日、日付に「7」が重なった時に何かが起こるともいわれていたらしく、そのことが歌われているようだ。

17. Uptown Top Ranking – Althea & Donna

ジャマイカを拠点とする10代の女性デュオ、アルシア&ドナがジョークのつもりでレコーディングした曲だというが、イギリスのBBCラジオでジョン・ピールが流したところリクエストが殺到し、全英シングル・チャートで1位に輝く大ヒット曲となった。

16. Watching The Detectives – Elvis Costello

レゲエ調のビートとシニカルな歌詞が特徴的なエルヴィス・コステロにとって初のヒット曲で、全英シングル・チャートで最高15位を記録した。

15. Marquee Moon – Television

ニューヨーク・パンクでも特に知的で文学的なイメージのバンド、テレヴィジョンがリリースしたデビュー・アルバムのタイトルトラック。

14. Trans-Europe Express – Kraftwerk

後にアフリカ・バンバータ&ソウル・ソニック・フォース「プラネット・ロック」で引用されたことでも知られる楽曲で、邦題は「ヨーロッパ特急」である。テクノやシンセ・ポップなどに影響をあたえたドイツ出身の超重要ユニットによる代表曲の1つ。

13. Sex & Drugs & Rock & Roll – Ian Dury

パンク/ニュー・ウェイヴにカテゴライズはされるのだが、ファンクなどの影響も受けたユニークな音楽性で玄人受けもしていた印象のイアン・デューリーがリリースした、メタなタイトルのとてもカッコいい曲。

12. Pretty Vacant – Sex Pistols

セックス・ピストルズの3枚目のシングルで、後に唯一のオリジナルアルバム「勝手にしやがれ」にも収録された。メインのリフはABBA「SOS」からインスパイアされているとのこと。全英シングル・チャートで最高6位を記録した。

11. Complete Control – The Clash

レーベルがバンドには無断でシングルをリリースし、それに対して激怒したことがそのまま曲になっている。パンク・ロック的なアティテュードとコマーシャリズムとの軋轢をテーマにした曲で、全英シングル・チャートでは最高28位を記録している。

10. Oh Bondage, Up Yours! – X-Ray Spex

パンク・ロックバンド、X・レイ・スペックスのデビュー・シングルで、フェミニズム的なメッセージとポジティヴなエネルギーに溢れた素晴らしい楽曲。とうじのこういったタイプのバンドとしてはユニークでもあった、サックスも効果的に用いられている。

9. Sheena Is Is A Pubk Rocker – The Ramones

「シーナはパンク・ロッカー」の邦題でも知られる、ポップでキャッチーな楽曲である。サーフ・ロックやバブルガム・ポップ的なポップ感覚がパンク・ロックのフォーマットで高度に実現されている。

8. Psycho Killer – Talking Heads

トーキング・ヘッズの初期の代表曲で、連続殺人犯が歌詞のテーマになっている。全米シングル・チャートでは、最高92位であった。

7. Dreams – Fleetwood Mac

大ヒットしたアルバム「噂」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで1位に輝いた。2010年にはTikTokがきっかけでリバイバルヒットもしている。

6. Lust For Life – Iggy Pop

アルバム「ラスト・フォー・ライフ」のタイトルトラックで、当時はシングル・カットされていなかった。1996年に映画「トレンスポッティング」のオープニングに使われ、新しい世代のファンを獲得したような気がする。モータウンのヒット曲を思わせるドラムビートが印象的である。

5. Alison – Elvis Costello

エルヴィス・コステロの代表曲だが、当時はヒットしていなかった。人生における失望やそれにまつわる哀感のようなものが、ポップ・ソングというフォーマットでヴィヴィッドに表現された素晴らしい楽曲である。

4. StayinAlive – Bee Gees

ジョン・トラヴォルタ主演でディスコ・ブームを巻き起こした映画「サタデー・ナイト・フィーバー」のサウンドトラックからシングル・カットされ、全米シングル・チャートで1位に輝いた。

3. I Feel Love – Donna Summer

70年代のディスコ・ブームにおいてドナ・サマーがリリースした数々のヒット曲の中でも、特に高く評価されている楽曲である。ジョルジオ・モロダーによるシンセサイザーのフレーズがひじょうに印象的であり、後のポップ・ミュージックにあたえた影響はひじょうに大きいと思われる。

2. God Save The Queen – Sex Pistols

タイトルはイギリス王室の賛歌である「女王陛下万歳」とまったく同じでありながら、内容はひじょうに痛烈なものであり、「ノー・フューチャー」というフレーズが連呼される。これをエリザベス2世の即位25周年でイギリス国内が盛り上がっている最中にリリースし、放送禁止になりながらも全英シングル・チャートで最高2位を記録した。実際には1位だったのだが、何らかの力によって2位にするべく操作されたとする説が信じられてもいる。

1. “Heroes” – David Bowie

デヴィッド・ボウイの代表曲の1つとして知られているが、リリース当時はそれほどヒットしていない。ベルリンでレコーディングされたアルバム「英雄夢語り(ヒーローズ)」のタイトルトラックであり、当時はまだ存在していたベルリンの壁のところで愛を確認し合うカップルの姿にインスパイアされて書かれたといわれている(そのカップルというのは、実際にはプロデューサーのトニー・ヴィスコンティとその恋人であったことが、後に明かされる)。