2021年間ベスト・アルバム・トップ50

今年も楽しい年末がやってきたので、年間ベスト・アルバムを決めていきたい。対象は2021年にリリースされたすべてのアルバムで、ミニアルバムやミックステープ、EPを含む。コンピレーションやライブアルバムも対象だが、今年は入っていないような気もする。

50. For Those I Love – For Those I Love

ダブリンのプロデューサーにしてソングライターのデヴィッド・バルフェによるデビュー・アルバム。幼なじみで音楽仲間でもあった友人の死によって訪れた悲しみをいだき、解放するための必然として生まれた美しいアルバムである。

49. Flu Games – AJ Tracey

イギリスのラッパー、AJトレイシーの2作目のアルバム。T-ペイン、ディガDなどのゲストを迎え、より音楽的なレンジを広げた印象があり、全英アルバム・チャートでも最高2位とヒットした。バスケットボール絡みの言い回しがわりとある。

48. CLAWLER – IDLES

イギリスはブリストル出身のパンクロックバンド、アイドルによる4作目。より内省的になった音楽性が特徴的で、バンドのターニングポイントになりそうな予感もする。全英アルバム・チャートで最高6位を記録した。

47. If Orange Was A Place – Tems

ナイジェリアのシンガーソングライター、テムズのメジャーレーベルから初めてリリースされたEP。ウィズキッドやドレイクの作品への参加でも注目された、ボーカルの素晴らしさが堪能できる6曲、約24分間である。

46. We’re All Alone In This Together – Dave

ロンドン出身のラッパー、デイヴの2作目のアルバムで、マーキュリーアワードやブリットアワードを受賞したデビューアルバム「サイコドラマ」に続いて、全英アルバム・チャートで1位に輝いた。内省的なラップにさらに磨きがかかっているような印象である。

45. Spare Libs – Sleaford Mods

イギリスはノッティンガム出身の2人組パンクバンド、スリーフォード・モッズの7作目のアルバム。政治的や社会的な問題に対してのプロテストを含み、アティテュード的にもパンクロックなスピリットが宿っている。

44. 30-Adele

アデルの6年ぶり通算4作目となるアルバムで、アメリカ、イギリスをはじめ多くの国々のアルバム・チャートで1位に輝いた。やはりボーカルが個性的にして圧倒的なのだが、ニュアンスがより豊かになっているような気がする。

43. Seventeen Going Under – Sam Fender

イギリスのロックアーティスト、サム・フェンダーによる2枚目のアルバムで、楽曲にもパフォーマンスにもより深みが増している。全英アルバム・チャートではデビューアルバムに続いて1位に輝いた。

42. Solar Power – Lorde

ロードの3作目のアルバムで、音楽的にはそれまでのシンセポップ的な感じからよりオーガニックでアコースティックな方向に向かい、賛否両論あった。全英アルバム・チャートでは最高2位を記録している。

41. Tyron – Slowthai

イギリスのラッパー、スロウタイの2作目のアルバムである。高評価されているにもかかわらずやらかして信用を失った過去などについての後悔や反省が率直にうかがえるなどすることによって、音楽的な深みが増したような印象がある。全英アルバム・チャートでも初の1位に輝いた。スケプタ、エイサップ・ロッキー、ジェイムス・ブレイクといった豪華ゲストも参加している。