洋楽ロック&ポップス名曲1001:2001, Part.2

Jimmy Eat World, ‘The Middle’

アメリカのオルタナティブロックバンド、ジミー・イート・ワールドのアルバム「ブリード・アメリカン」からシングルカットされ、全米シングルチャートで最高5位、全英シングルチャートで最高26位を記録した。

バンドがそれまで所属していたキャピトルレコードから契約を切られた後に書かれた楽曲であり、歌詞にはそういった状況が反映されてもいるのだが、これが最大のヒットとなったのであった。

周囲に溶け込むために自分らしさを失う必要はないというようなことが歌われたこのオルタナティブロックチューンは、テイラー・スウィフトが学生時代に最も気に入っていた楽曲の1つでもあった。

ミュージックビデオには下着姿の若者がたくさん出演していて、主題はそういった状況におけるアウトサイダー感覚ではあるものの、ポップミュージックにとってセクシーさ加減というのはひじょうに重要だという意味でもとても良い。

Jay-Z, ‘IZZO (H.O.V.A.)’

ジェイ・Zのアルバム「ザ・ブループリント」からリードシングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで最高8位、全英シングルチャートで最高21位を記録した。

ジャクソン5「帰ってほしいの」をサンプリングしたこの楽曲をプロデュースしたことによって、カニエ・ウェストはかなり注目されることになった。

タイトルはエホバと同じ意味であり、ジェイ・Zは「ジェイ・ホヴァ」と呼ばれることにもなっていくのだが、ジェイ・Z自身のこれとの絶妙な距離の取り方はひじょうにユニークであり、以降かなり参考にされていったような気もする。

The Strokes, ‘Last Nite’

ザ・ストロークスのデビュー・アルバム「イズ・ディス・イット」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高14位を記録した。

当時のポップミュージックシーンが失っていたクールでセクシーな気分をメインストリームに取り戻したという点において、ザ・ストロークスの功績はあまりにも大きいのだが、そのエッセンスが凝縮された楽曲だともいえる。

Sophie Ellis-Bexter, ‘Murder on the Dancefloor’

ソフィー・エリス・ベクスターのソロデビューアルバム「リード・マイ・リップス」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高2位を記録した。

グレッグ・アレックサンダーが作曲したこの曲は当初はニュー・ラディカルズのデビューシングルになるはずだったのだが予算不足のため実現せず、ソフィー・エリス・ベクスターが詞を書いて歌うことになった。

インディーロックバンド、ジオーディエンスを経て、スピラー「グルーヴジェット」に参加して大ヒットさせた後のリリースであった。

2023年に映画「ソルトバーン」で使われたことによって人気が再燃し、TikTokで人気になったことなどから、全英シングルチャートでふたたび最高2位を記録するヒットとなった。

Kylie Minogue, ‘Can’t Get You Out of My Head’

カイリー・ミノーグのアルバム「フィーヴァー」からシングルカットされ、イギリスをはじめ40ヶ国のシングルチャートで1位に輝いた。全米シングル・ャートでは最高7位であった。邦題は「熱く胸を焦がして」である。

シンセ・ポップ的なサウンドとセクシーなボーカルが絶妙にマッチしていて、中毒性が高いコーラスも印象的である。未来的でありながらマイルドなエロティシズムが感じられるミュージック・ビデをも、とても評判が良かった。

2002年のブリット・アワードでパフォーマンスして、シングル「ラヴ・アット・ファースト・ライト」にカップリング曲として収録された、ニュー・オーダー「ブルー・マンデー」とのマッシュアップもとても良い。