洋楽ロック&ポップス名曲1001:1999, Part.2

Super Furry Animals, ‘Northern Lites’

スーパー・ファーリー・アニマルズのアルバム「ゲリラ」から先行シングルとしてリリースされ、全英シングルチャートで最高11位を記録した。

赤道付近の海面水温が高くなるエルニーニョ現象にインスパイアされた内容になっていて、音楽面ではスティールドラムなどを用いたカリプソ的なサウンドが特徴的である。

The Flaming Lips, ‘Race for the Prize’

ザ・フレーミング・リップスのアルバム「ザ・ソフト・ブレティン」からシングルカットされ、全英シングルチャートで最高39位を記録した。

以前はより前衛的で難解な音楽をやっていた印象もあるザ・フレーミング・リップスが、このアルバムではひじょうに分かりやすくなっていて、より多くのリスナーにアピールすることになった。

きらびやかでポップなサウンドが印象的なこの曲は、科学者同士の競争というポップソングとしてはなかなかユニークなテーマを扱っている。

とある日本語のサイトで結婚披露宴のBGMにふさわしい曲として挙げられているのを見て、おそらく曲の雰囲気だけで選ばれていたと思われるのだが、こういった受容のされ方もまたポップソング冥利には尽きるわけであり、乙なものといわざるを得ない。

Destiny’s Child, ‘Say My Name’

デスティニーズ・チャイルドのアルバム「ライティング・オン・ザ・ウォール」からシングルカットされ、全米シングルチャートで1位、全英シングルチャートで最高3位を記録した。

この頃にデスティニーズ・チャイルドではメンバーチェンジが行われていて、ミュージックビデオには新ラインナップのメンバーが出演しているが、音源は旧ラインナップによるものとなっている。

Ol’ Dirty Bastard feat. Kelis, ‘Got Your Money’

ヒップホップグループ、ウー・タン・クランのメンバーでもあるオール・ダーティ・バスタードのソロアルバム「ニガ・プリーズ」からシングルカットされ、全米シングルチャートで最高33位、全英シングルチャートで最高11位を記録した。

後にソロ・アーティストとして「コート・アウト・ゼア」「ミルクシェイク」などをヒットさせるケリスは、この曲でレコード・デビューを果たした。

また、この曲はファレル・ウィリアムスとチャド・ヒューゴによるプロデューサー・チーム、ザ・ネプチューンズの初期のヒット曲でもある。

Kelis, ‘Caught Out There’

ケリスのデビュー・アルバム「カレイドスコープ」から先行シングルとしてリリースされ、全英シングルチャートでは最高4位のヒットを記録したが、全米シングルチャートでは最高54位とそれほどでもなかった。

「I hate you so much right now」というフレーズの繰り返しが何といっても印象的であり、フェミニストアンセム的にもインパクトが強い上に長持ちがするタイプの楽曲となっている。

ホモソーシャル的な文化や有害な男性性に対する異議申し立てとして機能するポップカルチャーひじょうに有意義であることには間違いがないが、これもまたそのうちの俄然強めな1曲だということができる。

Primal Scream, ‘Swastika Eyes’

プライマル・スクリームのアルバム「エクスターミネーター」からの先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで最高22位を記録した。

高度資本主義社会に対する痛烈な批判を含んだこの楽曲でプライマル・スクリームは、音楽的にはよりテクノに接近していて、ケミカル・ブラザーズによってミックスされてもいた。