定番クリスマスソングベスト50(31-40)

31. What Christmas Means to Me/Stevie Wonder (1967)

スティーヴィー・ワンダーもまた素晴らしいクリスマスアルバムをリリースしているアーティストの1人だが、その「想い出のクリスマス」の最後に収録されているのが「私のクリスマス」の邦題がついたこの曲である。

同じタイトルで別のクリスマスソングがいくつかあるのだが、最も有名なのがモータウンの創始者、ベリー・ゴーディの姉、アンナと兄弟のジョージによってつくられたこの曲である。

自分にとってクリスマスとはどのようなものなのかについて歌われていて、ハーモニカソロの演奏などもとても良い。

32. クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)/サザンオールスターズ(1993)

サザンオールスターズのクリスマス的な楽曲といえばシングルが最もヒットしていなかった1980年代初めにリリースされた「シャ・ラ・ラ」があってこれもとても良いのだが、タイトルで明確にクリスマスソングであることをあらわし、オリコン週間シングルランキングで最高3位を記録したのがこの「クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)」である。

フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドのようなことをやろうとしたのだがうまくいかなかったということだが、J-POPのクリスマスソングとしてとても良い感じに仕上がっている。小林武史がアレンジャーとしてかかわった最後の楽曲で、当時はまだ勢いがあったような気がする丸井のCMソングとしても起用されていた。

33. Merry Xmas Everybody/Slade (1973)

1973年のイギリスでひじょうに人気があったグラムロックバンド、スレイドのクリスマスソングである。

この年には後にクワイエット・ライオットやオアシスもカバーする「カモン・フィール・ザ・ノイズ」、そして「スクゥイーズ・ミー、プリーズ・ミー」の2曲が全英シングルチャートで1位に輝き、「マイ・フレンド・スタン」が最高2位を記録する絶好調ぶりである。

そして、この曲も5週連続1位で、ウィザードとのグラムロッククリスマス対決にも圧勝していた。

34. I Wish It Could Be Christmas Everyday/Wizzard (1973)

1973年のイギリスでで大人気だったグラムロックから、元ムーヴでエレクトリック・ライト・オーケストラの創設メンバーでもあるロイ・ウッド率いるウィザードがクリスマスシングルとしてリリースしたのがこの曲である。

「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」「エンジェル・フィンガーズ」の2曲が全英シングルチャートで1位という好調ぶりで、この曲も最高4位のヒットを記録した。毎日がクリスマスだったら、というような当日に仕事が休みの人たちにとっては夢のようなことが歌われている。

35. Driving Home for Christmas/Chris Rea (1988)

クリス・レアといえば1986年の「オン・ザ・ビーチ」が有名で、渋めのボーカルが特徴的である。当時、金持ちの会社員と不倫をしていた知り合いの女子大生が好んで聴いていたのだが、おそらくその男の影響だったと睨んでいる。

それはまあ良いのだが、この曲は「オン・ザ・ビーチ」と同じ1986年にシングル「ハロー・フレンド」のB面に収録されていたが、1988年には再レコーディングされたバージョンがシングルとしてリリースされた。当時の全英シングル・チャートで最高33位、34年後の2022年にはトップ10入りを果たしている。

36. Blue Christmas/Elvis Presley (1957)

ロックの王様、あるいは神様などと崇められたりもするエルヴィス・プレスリーもやはり、オリジナルのクリスマスソングを歌っていた。

クリスマスだというのに報われない恋に心を痛める、ホワイトではなくブルーなクリスマスについて歌われている。

37. Run Rudolph Run/Chuck Berry (1958)

ロックンロールの創始者ともいわれるチャック・ベリーもまた、オリジナルのクリスマスソングをリリースしている。

鈴の音をなどを入れるなど、いかにもクリスマスソングらしい演出は特にないのだが、チャック・ベリーらしいご機嫌なロックンロールでとても良い。

当時の全米シングル・チャートでの最高位は69位だったが、2021年1月2日付のチャートにおいては発売から60年以上経って、初のトップ10入りを果たしている。

38. Santa Claus Goes Straight to the Ghetto/James Brown (1968)

ジェームス・ブラウンが1968年にリリースしたクリスマスアルバムに収録されている、とてもファンキーでソウルフルなクリスマスソングである。

これ以外にも数多くのクリスマスソングを発表したジェームス・ブラウンだが、1990年代には貧しい子供達にプレゼントを贈る「ザ・ジェームス・ブラウン・トイ・ギヴアウェイ」を行ったりもした。惜しまれながら天国へ旅立ったのも2006年のクリスマスであった。

39. Peace on Earth/Little Drummer Boy/David Bowie and Bing Crosby (1982)

「リトル・ドラマー・ボーイ」は1941年に書かれたスタンダードナンバーで、すでにいろいろなアーティストによって歌われていたのだが、このバージョンは1977年に放送されたビング・クロスビーのクリスマス特番のためにレコーディングされたもののようである。

メドレーで歌われる「ピース・オン・アーズ」は番組のオリジナル曲で、レコードは1982年にリリースされ、全英シングル・チャートで最高3位を記録した。

当時、日本のテレビでも映像を見たことがあり、トリックスター的なイメージが強かったデヴィッド・ボウイがピアノの前で「ラパパンパ~ン」などと普通に歌っているのが印象的であった。

40. Merry Christmas (I Don’t Want to Fight Tonight)/Ramones (1989)

本当にいろいろなジャンルのアーティスト達がクリスマスソングをリリースしているものだが、パンクロックではラモーンズのこの曲である。

とはいえ、1989年のアルバム「ブレイン・ドレイン」の収録曲であり、ラモーンズはすでにベテランの域に達している頃である。ビートパンクからの流れで、当時は「宝島」を読んでいるような日本のキッズたちの中にもパンクファッションに身をつつみ、ラモーンズなども聴いている人たちも少なくはなかった。

クリスマスなので今夜は争いたくはない、というようなことが歌われている。