The 500 Greatest Songs of All Time : 370-361

370. Alright – Supergrass (1995)

スーパーグラスのデビュー・アルバム「アイ・シュド・ココ」からシングルカットされ、全英シングル・チャートで最高2位のヒットを記録した。

映画「クルーレス」のサウンドトラックにも使われた、ポップでキャッチーという形容がまさにピッタリな素晴らしい曲である。

ミュージック・ビデオにも若さがはち切れんばかりの魅力が満ち溢れていて、これを見たあのスティーヴン・スピルバーグ監督はスーパーグラスでモンキーズ的なテレビ番組を制作したいと考えオファーまでしたが、バンドはこれを断ったという。

369. Papa’s Got a Brand New Bag – James Brown (1965)

ジェームス・ブラウンの特に有名な楽曲の1つで、全米シングル・チャートでは最高8位と初のトップ10入りを果たした。R&Bチャートでは1位に輝いている。

ファンキーなサウンドに特徴があるこの曲は、ダンスフロアで踊る年老いた男に敬意を表す内容になっている。タイトルにも入っている「Bag」とは、流行やスタイルというような意味を表しているようだ。


368. Won’t Get Fooled Again – The Who (1971)

ザ・フーのアルバム「フーズ・ネクスト」からの先行シングルで、全英シングル・チャートでは最高8位を記録した。邦題は「無法の世界」である。

初期のビートバンド的なイメージからこの頃になるとかなり変わっていたようで、ピート・タウンゼントの髪は長くなり、バンドのサウンドはよりハードロック的になっている。そして、シンセサイザーを効果的に用いているところも特徴である。

いわゆる革命のようなものに対する失望が歌われていて、いかにもこの時代らしいのだが、これが保守系メディアによって保守的なロックソングNO.1に選ばれたことに対して、ピート・タウンゼントはブチ切れていた。

テレビドラマ「CSI:マイアミ」のテーマソングにも起用されていた。

367. Don’t You Want Me – The Human League (1981)

ニュー・ウェイヴというかシンセ・ポップバンド、ヒューマン・リーグの大ヒット曲で、邦題は「愛の残り火」である。1981年に全英シングル・チャートで年間1位に輝いたのに続き、翌年の夏には全米シングル・チャートでも3週連続1位を記録した。

それまでの全米NO.1ヒットとは明らかにテイストが異なった、どこか湿った感じがひじょうに印象的であった。これ以降、いわゆる第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンが本格的に盛り上がっていったような気がする。

いわゆる色恋沙汰について歌われた男女デュエットであり、90年代にはインディー・ダンス系のザ・ファームもカバーしていた。

366. Purple Haze – The Jimi Hendrix Experience (1967)

「紫のけむり」の邦題でも知られるジミ・ヘンドリックスの代表曲で、全英シングル・チャートで最高3位を記録した。

サイケデリックなドラッグソングとして知られ、タイトルはマリファナのことを指しているようだ。とにかくギターのサウンドにオリジナリティーがあって、とてもカッコいい。

ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのデビュー・アルバム「アー・ユー・エクスペリエンス?」はイギリス盤とアメリカ盤とでは内容に違いがあり、この曲はアメリカ盤の方にだけ収録されていた。

365. Public Image – Public Image Ltd (1978)

セックス・ピストルズを脱退したジョニー・ロットンことジョン・ライドンがジャー・ウォブルや元ザ・クラッシュのキース・レヴィンらと結成したバンド、パブリック・イメージ・リミテッドのデビュー・シングルで、全英シングル・チャートで最高9位を記録した。

ジョン・ライドンのオリジナリティーに溢れたボーカルとポスト・パンク的なサウンドとの組み合わせが独特なポップ感覚を実現していてとても良い。

80年代には渋谷陽一の「サウンドストリート」でよく取り上げられがちだったり、「宝島」の表紙に載ったり、来日公演やその音源を収録したライブアルバムの発売などもあって、日本のいわゆるトンガリキッズ的な人たちにもひじょうに人気があった。

364. Birthday – Sugarcubes (1987)

ビョークがかつて所属していたアイスランド出身のニュー・ウェイヴバンド、といった方がおそらくいまでは分かりやすいのだが、当時はこのシュガーキューブスそのものも一部ではひじょうに盛り上がっていた。

とはいえ、代表曲である「バースデイ」が「NME」「メロディー・メイカー」でシングル・オブ・ザ・ウィークに選ばれたり、ジョン・ピールの年間ベスト50で1位に輝いたりといったタイプのそれで全英シングル・チャートでの最高位は65位であった。

やはりユニークなボーカルが最大の魅力であり、ひじょうに強いインパクトがあった。いわゆるインディー・ロック全般にそれほど勢いがなくなっていた頃でもあり、それだけによく取り上げられがちだったような気もする。

363. Oh, Pretty Woman – Roy Orbison (1964)

ロイ・オービソンはファルセットがひじょうに特徴的なシンガー・ソングライターであり、1960年代前半にヒット曲を連発したのだが、ブルース・スプリングスティーンらに影響をあたえたアーティストとして知られ、1980年代後半にはジョージ・ハリスン、ボブ・ディラン、トム・ペティらとの覆面バンド、トラヴェリング・ウィルベリーズのボーカリストとして活動したり、久々のアルバム「ミステリー・ガール」をヒットさせるなどした。

この曲は1960年代にアメリカでもイギリスでもシングル・チャートで1位に輝いた大ヒット曲なのだが、1980年代にはヴァン・ヘイレンがカバーしてヒットさせたり、映画「プリティ・ウーマン」の主題歌に使われることによって、新たなリスナーを獲得していた。

ロイ・オービソンが妻であるクローデットにインスパイアされて書いた曲だといわれている。

362. For Tomorrow – Blur (1993)

ブラーのアルバム「モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ」から先行シングルとしてリリースされ、全英シングル・チャートで最高28位を記録した。

マッドチェスターやインディー・ダンスのフォロワー的なヒット曲「ゼアズ・ノー・アザー・ウェイ」で注目されるようになったブラーだが、その後は大きなヒットも生まれず、このまま一発屋的に終わってしまうのではないか、とも予想されがちだったような気もする。

そして、あえてデフォルメしたイギリスらしさのようなものを前面に押し出した、この曲および収録アルバムが高く評価されることになった。当時のグランジロックやアメリカのオルタナティヴ・ロックブームに対するカウンター的なところもあり、それはアメリカツアー中のホームシックにも起因している。

この少し後にひじょうに盛り上がったブリットポップを振り返るうえでも、とても重要な楽曲でありアルバムのような気がする。

361. Groovejet (If This Ain’t Love) – Spiller (2000)

ソフィー・エリス・ベクスターをボーカリストとしてフィーチャーした音楽プロデューサー、スピラーのヒット曲で、全英シングル・チャートで1位に輝いた。

最初はインストゥルメンタル曲だったのだが、ボーカルを入れたバージョンがリリースされると大ヒットを記録した。いわゆるディスコソングの進化型だということもででき、グルーヴと同時に切なさも強く感じられるところがとても良い。