最高のポップソング500選(洋楽編)Part.7:1964

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Dinonne Warwick, ‘Walk On By’ (1964)

ポップミュージック史に数多くの名曲を残したバート・バカラックとハル・デヴィッドのゴールデンコンビの楽曲を最も印象深く歌ったシンガーといえば、ディオンヌ・ワーウィックかもしれない。特に別れた恋人を偶然に見かけるが声をかけず、悲しみをこらえる女性の心境を描いたこの曲は全米シングルチャートで最高6位のヒットを記録したのみならず、アイザック・ヘイズ、グロリア・ゲイナー、ストラングラーズをはじめ様々なジャンルのアーティストたちによってカバーされた。2台のグランドピアノを同時に演奏したというピアノのサウンドもひじょうに印象的で、この曲にただよう悲しみのトーンを深めているように感じられる。

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The Beatles, ‘A Hard Day’s Night’ (1964)

ビートルズの初主演映画「ハード・デイズ・ナイト」のオープニングテーマソングで、イギリスやアメリカをはじめ数多くの国々のシングルチャートで1位に輝いた。印象的なギターのイントロではじまるこの曲は、ポップセンセーションを巻き起こして多忙をきわめるビートルズの日常を描いているようでもあるが、タイトルもそんなある日を振り返ったリンゴ・スターの言い間違いに由来している。日本では「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」の邦題で長く知られていたが、2001年に改められている。

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Martha and The Vandellas, ‘Dancing in the Street’ (1964)

モータウンのソングライターだったマーヴィン・ゲイ、アイビー・ジョー・ハンター、ウィリアム・“ミッキー”・スティーブンソンによって書かれたこの楽曲は、夏に水道栓をあけて水遊びをする人々にインスパイアされた純粋なパーティーソングだったのだが、公民権運動の盛り上がりという時代的な背景もあり、やがて抗議行動のアンセムとして知られるようになっていった。キンクスやヴァン・ヘイレンといったロックバンドにも後にカバーされるのだが、1985年にチャリティーシングルとしてリリースされたデヴィッド・ボウイとミック・ジャガーのバージョンは全英シングルチャートで1位に輝いた。

The Kinks, ‘You Really Got Me’ (1964)

キンクスの3枚目のシングルで全英シングルチャートで1位に輝いたこの曲は、レイ・デイヴィスがダンスフロアで踊っているのを見た好みの女性にインスパイアされているという。そして、それ以上に重要なのはデイヴ・デイヴィスがギターアンプをカミソリで傷つけることによって、ファズと呼ばれる歪んだサウンドを発明したことである。このヘビーなリフを主体としたロックチューンは後のハードロックやヘビーメタルの原型になったともいわれる。

Roy Orbison, ‘Oh, Pretty Woman’ (1964)

哀愁がただようボーカルに定評があり、エモーショナルなバラードにも代表曲が多いロイ・オービソンだが、最もポピュラーな楽曲といえばアメリカやイギリスをはじめいくつかの国のシングルチャートで1位に輝いたこの曲であろう。妻のクローデットが買物に出かける際、口にした言葉にインスパイアされたという歌詞はロイ・オービソンのどこか悲しげで切なさも感じさせるボーカルと相まって、恋のはじまりとそれにまつわる期待と不安が入り混じった感情を絶妙に表現しているように聴こえる。1990年にはジュリア・ロバーツとリチャード・ギアが主演したロマンティックコメディ映画「プリティ・ウーマン」で使われ、より若いリスナーたちの間でも広く知られるようになった。

The Shangri-Las, ‘Leader of the Pack’ (1964)

当時のガールグループの中でも不良っぽいクールなイメージが特徴だったシャングリラスの代表曲で、全米シングルチャートでは1位に輝いた。「黒いブーツでぶっとばせ!」といういかした邦題も付いていたこの楽曲は、バイクギャングのリーダーの男の子に恋をするが、親からの反対で仕方なく別れることになり、その帰路に彼はバイクの事故で亡くなってしまうというティーンエイジャーの苦悩を凝縮したような内容になっている。イギリスではモッズとロッカーズとの抗争を助長する可能性があるという理由からかラジオで放送禁止になったりもして、全英シングルチャートでの最高位は11位だったが、放送禁止が解除されて以降、1972年から翌年にかけてリバイバルヒットして、最高位を3位に上げている。

The Righteous Brothers, ‘You’ve Lost That Lovin’ Feelin’’ (1964)

「ふられた気持ち」の邦題でも知られるこの楽曲は、音楽プロデューサーのフィル・スペクターがウォール・オブ・サウンドという制作手法を駆使した重層的でドラマティックなサウンドとエモーショナルなボーカルパフォーマンスが見事にマッチした失恋バラードで、全米、全英いずれのシングルチャートにおいても1位に輝く大ヒットを記録した。イギリスでは先にリリースされていたシラ・ブラックのバージョンと共に、2位と3位に別々のアーティストによる同じ曲がランクインする週もあった。1980年代の初めにはダリル・ホール&ジョン・オーツのカバーバージョンも全米シングルチャートで最高12位とそこそこヒットするのだが、それ以降により大きなヒットを連発する時代が訪れたためあまり目立っていないような気がする。

The Temptations, ‘My Girl’ (1964)

モータウンの人気グループ、テンプテーションズの大ヒット曲で、作詞作曲は同じレーベルに所属するミラクルズのメンバー、スモーキー・ロビンソンとロナルド・ホワイトであった。デヴィッド・ラフィンが初めてリードボーカルを取ったこの多幸感あふれるラブソングで、テンプテーションズは全米シングルチャートで初の1位に輝いた。イギリスでは全英シングルチャート最高位は43位とそれほど振るわなかったのだが、1991年にマコーレー・カルキン主演の映画「マイ・ガール」で使われるとリバイバルヒットし、最高2位を記録した。

Sam Cooke, ‘A Change Is Gonna Come’ (1964)

サム・クックはロマンティックなラブバラードや陽気なパーティーソングなど、すでに数多くの楽曲をヒットさせていたのだが、ボブ・ディランの「風に吹かれて」に衝撃を受けて以降、より社会的なメッセージを含んだ曲を書かなければいけないという意識になり、そうしてできあがったのがこの楽曲であった。歌詞ではサム・クック自身がそれまでに受けてきた人種差別の経験が語られ、それでも変化は訪れるだろうというポジティブなメッセージが訴えられている。この曲はアルバム「エイント・ザット・グッド・ニュース」の収録曲としてリリースされた約10ヶ月後にシングルカットもされるのだが、その約2週間前にサム・クックはモーテルのオーナーに射殺された。「シェイク」のシングルのB面に収録されたこの曲は全米シングルチャートで最高31位と、ヒットの規模としてはサム・クックのキャリアを通してそれほど大きい方ではないのだが、プロテストソングとしての評価は時を経ると共に高まり、抗議活動のアンセムとしても広く知られるようになった。

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