ホイットニー・ヒューストンの名曲ベスト10

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8月9日はホイットニー・ヒューストンの誕生日だということなので、高校を卒業し、東京で一人暮らしをした初めての秋、渋谷駅前のよく分からない露店のようなもので売られていたデビュー・アルバムの輸入盤カセットテープを確か千円で買い、生まれて初めてのウォークマンで聴きながら公園通りやセンター街を一人で歩いた私としては、特に良い曲を10曲選んでカウントダウンしていくしかないだろうと思い立ち、実際にそうすることにした。

10. Where Do Broken Hearts Go (1987)

「ホイットニーⅡ~すてきなSomebody」から4曲目のシングルとしてカットされ、邦題は「ブロークン・ハート」である。この曲によってホイットニー・ヒューストンは全米シングル・チャートで7曲連続となる1位を達成し、この記録はいまだに誰にも破られていないという。とはいえ、ホイットニー・ヒューストン自身はこの曲をまったく気に入っていなく、レコーディングすることに乗り気ではなかったのだが、必ずヒットするからと説得されて渋々歌ったと後に語っているようだ。

9. I’m Your Baby Tonight (1990)

90年代になってから最初のアルバム「アイム・ユア・ベイビー・トゥナイト」のタイトルトラックにして先行シングルで、全米シングル・チャートで1位に輝いた。売れっ子のLA&ベイビーフェイスをプロデューサーに迎え、時代のトレンドに寄せた感じがあらわれている。アメリカとヨーロッパとでは別々のバージョンがシングルとしてリリースされた。

8. My Love Is Your Love (1999)

元フージーズのワイクリフ・ジョンらをプロデューサーに迎え、ヒップホップのビートを取り入れたR&Bチューン。全米シングル・チャートでは4位を記録し、当時、ここ数年で最も成功している曲などと評価されていたようだ。

7. Greatest Love Of All (1985)

デビュー・アルバム「そよ風の贈りもの」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで1位に輝いた。元々はモハメド・アリをテーマにした映画のために書かれ、ジョージ・ベンソンが歌っていた曲のカバーである。当時、多くの人々にとってなんとなく聴き覚えのある曲だったと思われるが、新人アーティストであったホイットニー・ヒューストンの見事なボーカルパフォーマンスが新たな息吹をあたえたような気がする。ビデオにはホイットニー・ヒューストンの実母で歌手のシシー・ヒューストンも本人役で出演している。

6. Saving All My Love For You (1985)

「そよ風の贈りもの」からシングル・カットされ、ホイットニー・ヒューストンにとって初の全米NO.1ヒットとなった。邦題は「すべてをあなたに」で、家庭のある男性との恋愛をテーマにしていると思われる。マリリン・マックーとビリー・デイヴィスJr.が歌っていた曲のカバーだが、このバージョンがヒットして以降はすっかりホイットニー・ヒューストンの曲として認知されているような気がする。素晴らしいボーカルパフォーマンスとサックスが最高な80年代的なサウンドプロダクションが絶妙な化学反応を起こしているように思える。当時、日本のテレビでフローリングの部屋に直接置くタイプのマットレス的な寝具のCMに使われていたような気がなんとなくしているのだが、記憶が定かではない。

5. How Will I Know (1985)

ホイットニー・ヒューストンというとデビュー当時からバラードのイメージが強いのだが、2曲目の全米NO.1ヒットはアップテンポなこの曲だった。ポップ・デュオ、ボーイ・ミーツ・ガールとしても知られる(80年代後半に「スタート・トゥ・フォール」が全米シングル・チャートで最高5位のヒットを記録した)ジョージ・メリルとシャノン・ルビカムのソングライターチームによって、当初はジャネット・ジャクソンに提供したのだが却下されたのだという。邦題は「恋は手さぐり」で、歌詞もそういった初々しい内容になっていてとても良い。

4. I Have Nothing (1992)

初の主演映画「ボディガード」のサウンドトラックアルバムからシングル・カットされ、全米シングル・チャートで最高4位を記録した。力強くエモーショナルなボーカルが生かされているのだが、洗練されたサウンドプロダクションによって、全体的にそれほど暑苦しくはなっていないところがとても良い。海外ではアマチュアが出演するオーディション番組などでもよく歌われる曲となっているようだ。

3. Didn’t We Almost Have It All (1987)

「ホイットニーⅡ~すてきなSomebody」からシングル・カットされ、全米シングル・チャートで1位に輝いた。邦題は「恋のアドバイス」である。ほとんどすべてを手に入れていたが、それはすでに失われてしまったようにも思える。しかし、希望をつなぎ留めようとすることしかできない。なぜなら、それだけが生きることの価値のように思えるから、というような身に覚えがあったりなかったりするであろうリスナーに感動や感傷をあたえるとても良い曲である。

2. I Will Always Love You (1992)

初主演映画「ボディガード」のサウンドトラックからのシングルで、全米シングル・チャートで当時の新記録であった14週連続1位に輝いた。おそらくホイットニー・ヒューストンで最も有名な曲であり、パロディーなどにもされがちなような気もするが、聴いてみるとやはりとても良い。当初はジミー・ラフィンの「恋に破れて」をカバーする予定だったのだが、別の映画「フライド・グリーン・トマト」のサウンドトラックでポール・ヤングがカバーしていたことによって、別の曲を探すことになった。ドリー・パートンが歌っていたこの曲を提案したのは、「ボディガード」での共演者、ケビン・コスナーだったらしい。まったくの余談だが、明石家さんまの髪型は「ボディガード」出演時のケビン・コスナーをモデルにしている、という話題が「ヤングタウン土曜日」では話されることがある。

1. I Wanna Dance With Somebody (Who Loves Me) (1987)

「ホイットニーⅡ~すてきなSomebody」からの先行シングルで、全米シングル・チャートで1位に輝いた。バラードのイメージが強かったホイットニー・ヒューストンが、2作目のアルバムの先行シングルとして、この80’Sポップスの良いところが凝縮されたようなダンス・チューンをリリースした時には、これは本気で売りにきているな、という印象を持ったりはした。当時、コンテンポラリーなヒットソングとしてナチュラルでフラットに接していたにすぎず、当時はレコードすら買っていなかったのだが、しばらく経ってから相模原の橋本という街で偶然に耳にして、なんて良い曲なのだろうと感じてからずっと大好きである。

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