邦楽ポップ・ソングス・オール・タイム・ベスト500:80-71

80. 虹の都へ/高野寛 (1990)

高野寛の4枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位の大ヒットを記録した。

トッド・ラングレンがプロデュースした良質なポップスであり、日本のヒットチャートで大ヒットするには下世話さのようなものが足りていないのではないかというような気もしていたのだが、これがよく売れた。

当時、最もトレンディーなスポーツだとされていたスキーウェアのテレビCMに使われ、とんねるずがMCを務めるお見合い番組「ねるとん紅鯨団」の時にガンガン流れまくっていたという。

個人的には夜勤のアルバイトをしていたローソン調布柴崎店の店内BGMとしてかなりの回数聴いたような気もするのだが、それでもまったく飽きることのないとても良い曲である。

79. ラブ・ストーリーは週末に/WHY@DOLL (2017)

WHY@DOLLのシングルのシングル「キミはSteady」にカップリング曲として収録された曲である。

シティ・ポップ的なアイドルポップスでありトゥーマッチ気味のサックスも最高で、初めて聴いた時にはこれはちょっとやりすぎているのではないかと、思わず笑ってしまったレベルなのだが、聴けば聴くほど、そしてライブでのパフォーマンスを見てまたグッとくる。

個人的な好みだけでいうならば1位であってもまったく問題がないというか、かつてそういうランキングを発表したこともあるほど大好きな曲である。

「恋の魔法かけられたみたい」という歌詞は、まさにこの曲が私に及ぼす作用そのものでもある。もちろん夜のムードにぴったりの曲だが、作曲・編曲の吉田哲人氏が明け方の下北沢mona recordsでかけたのをうっとり聴いていた時も最高であった。

78. つつみ込むように・・・/MISIA (1998)

MISIAのデビュー・シングルで、オリコン週間シングルランキングでは、8cm盤が最高11位、12cm盤が最高20位、合算で最高8位を記録した。

この頃は8cmと12cmのCDシングルが混在していたのだ、という思い出はさておき、この曲のヒットによって、日本の流行歌がまたR&B寄りになったなという印象がひじょうに強い。

77. ばらの花/くるり (2001)

くるりの7枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高20位を記録した。

「安心な僕らは旅に出ようぜ 思い切り笑ったり泣いたりしようぜ」というわけで、けして一般的に主役的なポジションではなかったとしても、生きていることの激しさではけして負けやしない、とか勝手にそんな気分にさせられる曲である。

SUPARCARのフルカワミキがコーラスで参加しているが、とてもキュートでかなり良い。

76. 勝手にシンドバッド/サザンオールスターズ (1978)

サザンオールスターズのデビューシングルで、オリコン週間のシングルランキングで最高3位、「ザ・ベストテン」では最高4位であった。

まったく新しい日本語のポップソングという感じで、リリースされた時からもうすでにかなりすごかった。大人たちは何を歌っているのかよく分からないと言っていたが、若者たちは感じていた。

「胸さわぎの腰つき」とは一体何なのか、そして、「砂まじりの茅ヶ崎」とは。この音楽やバンドそのものをどう評価すればよいかもよく分からず、コミックバンドのようにも見られていた。

2003年には発売30周年を記念する盤がリリースされ、オリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。

75. SPARKLE/山下達郎 (1982)

山下達郎のアルバム「FOR YOU」収録曲で、シングルとしてリリースはされていないが、代表曲として知られる。

サントリー生ビールのテレビCMに使われていたので、お茶の間でもかなりおなじみの曲だったような気がする。シティ・ポップの名曲という側面からも再評価せざるをえない。

74. 風立ちぬ/松田聖子 (1981)

松田聖子の7枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで1位、「ザ・ベストテン」で最高2位を記録した。

アルバム「A LONG. VACATION」の大ヒットで勢いに乗りまくる大滝詠一による提供曲で、秋の旅情を感じさせんがらしっかりナイアガラサウンドである。やはり音楽的な楽しみに満ち溢れた収録アルバムもとても良い。

73. Mr. サマータイム/サーカス (1978)

サーカスの2枚目のシングルで、オリコン週間慎ランキングで1位、「ザ・ベストテン」では最高4位を記録した。

フランスのポップソングに日本語詞をつけたもので、不倫の恋についての後悔が歌われている。カネボウ化粧品のCMソングでもあったが、そのクオリティーの高さは素晴らしく、日本のポップ・ミュージック需要のド真ん中においても広く支持されたといえる。

72. 恋は流星/吉田美奈子 (1977)

吉田美奈子の3枚目のシングルで、アルバム「TWILIGHT ZONE」のシングルカット曲でもある。

編曲を山下達郎が手がけていて、大人の恋を歌うクールなボーカルと都会的なサウンドがとても良い。

71. 言い訳Maybe/AKB48 (2009)

AKB48のメジャー13枚目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高2位を記録した。

個人的にはたまたま見に行っていた神宮球場の花火大会で、突然登場したAKB48のチームBがこの曲を披露したことが思い出される。

ロック的なカタルシスをもコンパクトに盛り込んだアイドルポップスは、この時点で最も味わい深い日本のポップソングの1つではあった。そして、「Maybe Maybe 好きなのかもしれない」のところの切なさがたまらなく良い。