オリヴィア・ロドリゴのベストソング10選(The 10 Essential Olivia Rodrigo’s songs)

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オリヴィア・ロドリゴは子役としてキャリアをスタートさせた後、Disney+のドラマシリーズ「ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル」への出演で人気者となるが、2020年にゲフィン・レコードと契約し、音楽活動に重心を移していく。

2021年の初めにリリースされたデビューシングル「ドライバーズ・ライセンス」は全米シングルチャートでいきなり初登場1位を記録し、失恋をテーマにした楽曲の内容も高く評価された。

以来、アルバムやシングルをリリースする度にヒットを記録して、デビューから数年間のうちにポップシーンにおける重要アーティストの1人として認識されるようになった。

メインストリームのポップミュージックでありながら、オルタナティブロックへの愛着が根底にある点などが音楽性の大きな魅力なのだが、Z世代特有の感性をおそらくはヴィヴィッドに反映しながらも、普遍的なポップ感覚を有しているところなどもとても良い。

アルバムは「サワー」「ガッツ」とシンプルなタイトルが続いたのだが、2026年6月12日にリリースされる3作目には「恋に落ちた女の子にしては、なんだかとても悲しそうだね」といううれしい邦題まで付いている。

リードシングルの「ドロップ・デッド」もヒットしたこのタイミングで、これまでのベストソングスについて振り返っていきたい。

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Drivers License (2021)

オリヴィア・ロドリゴのデビューシングルにしていきなり大ヒットを記録した失恋バラードである。タイトルはもちろん運転免許証のことなのだが、本来は「Driver’s License」であるべきなので、そこは間違えているらしい。

それはそうとして、この曲がリリースされた当時、オリヴィア・ロドリゴはまだ17歳だったわけだが、実際に経験した失恋をテーマにしていて、自宅のリビングで泣きながら書いたなどとも語られている。

運転免許証を取得したら恋人の家まで車で行こうと楽しみにしていたのに、いざ取得できたときにはもう別れていながらも、まだ気持ちを引きずっていてしんどい、というような内容の楽曲である。

そして、この恋人というのが「ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル」で共演していたジョシュア・バセットで、歌詞に登場する金髪で年上の女性というのがサブリナ・カーペンターなのではないかというようなゴシップ的な話題もまたこの楽曲の魅力をさらに引き立てたような気もする。

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Deja Vu (2021)

「彼女があなたと一緒にいるとき、あなたはデジャヴを感じる?」というフレーズをオリヴィア・ロドリゴはスマートフォンのメモに残していたらしく、プロデューサーであるダン・ニグロと曲のアイデアについて話し合っているときに、思い出したようである。

つまり、すでに別れてしまった元恋人が新しい恋人と付き合うに際し、かつて自分にしたのと同じようなことをしているのではないか、というようなことを歌っている。たとえばマリブまでドライブしたり、ストロベリーアイスクリームを1本のスプーンで一緒に食べたり、「glee/グリー」の最終回を見たりといったことである。

大ヒットした「ドライバーズ・ライセンス」と同様にすでに別れてしまった元恋人のことを引きずっているのだが、この曲ではそれほど深刻に悲しげではなく、マイルドにユーモラスで皮肉っぽいニュアンスも感じられる。

また、ビリー・ジョエル「アップタウン・ガール」にも言及されているのだが、おそらく新しい恋人とも一緒に聴くのだろうが、ビリー・ジョエルを教えてあげたのは自分だということを彼女は知らない、などと歌っている。

それで、オリヴィア・ロドリゴは後にビリー・ジョエルのマディソン・スクエア・ガーデンのライブにゲスト出演し、この曲と「アップタウン・ガール」で共演したのであった。

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Good 4 U (2021)

「Good for You」のことを「Good 4 U」と表記するセンスにはもちろんプリンス的なニュアンスを感じざるをえないのだが、音楽的には軽快で生命力に満ち溢れたポップパンクである。

この年の年末に音楽批評メディアが発表した年間ベストソングのリストでは「ドライバーズ・ライセンス」よりもこの曲の方が高く評価されていたような印象がある。

とはいえ、この曲もまた「ドライバーズ・ライセンス」などと同様に別れた元恋人のことを歌っていて、余程ヘビーに引きずっていたのだろうと推測できるのだが、当時、オリヴィア・ロドリゴはまだティーンエイジャーだったわけであり、それも仕方がないことだったのかもしれない。

自分自身はまだしっかり落ち込んでいるというのに、元恋人の方は新しい相手と楽しげにやっている、というようないかんともしがたい状況をパンキッシュに表現ている。

この曲もアメリカやイギリスのシングルチャートで1位を記録する大ヒットとなり、「ドライバーズ・ライセンス」のような失恋バラードのイメージにイメージが固定化するのを防ぐ役割を果たしたともいえる。

Traitor (2021)

オリヴィア・ロドリゴのデビューアルバム「サワー」に収録されたバラード曲で、シングルではリリースされなかったのだが、多くのリスナーによってストリーミング再生されたことにより、アメリカやイギリスのシングルチャートでトップ10入りを果たした。

タイトルの意味は「裏切り者」であり、これもまた別れた元恋人のことを歌った楽曲である。オリヴィア・ロドリゴはデビューシングル「ドライバーズ・ライセンス」が大ヒットしている状況下で、やはりこの曲を泣きながら書いたようである。

そのきっかけになったのは、とある失恋した少女がTikTokに投稿した動画であり、それを視聴して感情移入しているうちに自分自身の気持ちがはっきりしてきたのだという。

Vampire (2023)

オリヴィア・ロドリゴの2作目のアルバム「ガッツ」からのリードシングルとしてリリースされたこの楽曲は、アメリカやイギリスのシングルチャートで「ドライバーズ・ライセンス」「グッド・フォー・ユー」に続く3曲目の1位に輝く大ヒットとなった。

ピアノバラードからはじまり激しく展開していくこの楽曲は、オリヴィア・ロドリゴのそれまでの代表曲と同様にうまくいかなかった恋愛について歌っているのだが、この曲ではより怒りの感情が根深く感じられるようになっている。

この曲もまたオリヴィア・ロドリゴの実体験に基づいているとするならば、おそらくそれは「ドライバーズ・ライセンス」「グッド・フォー・ユー」などで歌われていたよりも後に経験した年上の男性との恋愛についてだと思われる。

振り返ってみると年齢差を利用して自分を精神的にコントロールしようとしていた元恋人はまったくもって有害な存在であり、それをタイトルである「ヴァンパイア」すなわち吸血鬼にたとえている。

Bad Idea Right? (2023)

アルバム「ガッツ」から2曲目のシングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで最高3位のヒットを記録したこの曲もまた、オリヴィア・ロドリゴのいくつかの代表曲と同様に、別れた元恋人について歌っている。

しかし、これは失恋バラードではなく、破局から時間が経った後の不意な誘いに抗うことができない、というような危険で間違っていると分かってはいるのだがいかんともしがたい絶妙に微妙な感情をパンキッシュに表現した楽曲である。

このマイルドにユーモラスで遊び心すら感じさせる余裕のようなものに、オリヴィア・ロドリゴのアーティストとしての進化を実感させられるのであった。

All-American Bitch (2013)

オリヴィア・ロドリゴのアルバム「ガッツ」の1曲目に収録された楽曲で、シングルカットはされなかったのだが、アルバムのリリースに先がけて公開され、全米シングルチャートで最高13位を記録した。

タイトルはアメリカの作家、ジョージ・ディディオンの1979年の著書「ホワイト・アルバム」で使われていたフレーズに由来している。

社会的に若い女性が期待され、無意識的に強要されているイメージへの反発や静かな怒りがこの楽曲の根底にあり、それがポップパンク的なサウンドとボーカルで見事に表現されている。

「サタデー・ナイト・ライブ」出演時、ディナーテーブルの上で激しく踊り、ステージを破壊した後に、血のように赤いケーキを突き刺して顔に塗るパフォーマンスも話題になった。

Get Him Back! (2013)

オリヴィア・ロドリゴのアルバム「ガッツ」に収録された楽曲で、全米シングルチャートで最高11位、全英シングルチャートでは最高7位と通算7曲目のトップ10ヒットを記録した。

これもまた失恋をテーマにした楽曲なのだが、別れた元恋人に対して激しい怒りを覚えていて復讐したいと感じているのだが、その一方でよりを戻したくもあるという矛盾した想いがヴィヴィッドに表現されている。

人生におけるヘビーめなフェイズの記憶としてこの曲のテーマに共感を覚えるリスナーも少なくはないと思えるのだが、激しく辛辣でありながらユーモラスなセンスが痛快である。

Drop Dead (2026)

オリヴィア・ロドリゴの3作目のアルバム「恋に落ちた女の子にしては、なんだかとても悲しそうだね」からのリードシングルとしてリリースされた楽曲で、アメリカやイギリスのシングルチャートで1位に輝く大ヒットとなった。

失恋ソングのイメージが強いオリヴィア・ロドリゴであり、さらにアルバムについては悲しいラブソングが多く収録されているなどとインタビューで話したりもしているのだが、この曲については恋がはじまったばかりの幸福なドキドキ感に満ちあふれている。

歌詞にはザ・キュアー「ジャスト・ライク・ヘヴン」に言及されてもいるのだが、陰鬱な印象の強いバンドの一般的に最も有名で多幸感に溢れた楽曲として知られているのみならず、オリヴィア・ロドリゴは2025年のグラストンベリー・フェスティバルにおいて、ザ・キュアーとこの曲で共演していたのであった。

The Cure (2026)

アルバム「恋に落ちた女の子にしては、なんだかずいぶん悲しそうだね」に先がけてリリースされたシングル第2弾がこの楽曲で、全英シングルチャートでは初登場2位を記録した(全米シングルチャートはこれを書いている時点でまだ発表されていない)。

この前のシングル「ドロップ・デッド」の歌詞でザ・キュアー「ジャスト・ライク・ヘヴン」に言及されていて、この曲のタイトルが「ザ・キュアー」なのだが、オリヴィア・ロドリゴ本人によるとこの曲とバンドのザ・キュアーとは特に関係ないらしい。

オリヴィア・ロドリゴがこの曲を書いたのは2025年9月頃であり、人生で初めて本当のロマンティックな恋愛を経験した時期だとも話している。

そして、この曲のテーマは誰かと恋に落ちればそれですべての問題が解決するかのような期待はまったくもって真実ではない、というビターな内容である。

「ドロップ・デッド」の多幸感に対してこの曲の深刻な現実認識というギャップがすでにアルバムへの期待を高めてくれるわけだが、オリヴィア・ロドリゴはこの曲こそがアルバムの主張でありクライマックスだとも話している。

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