洋楽ロック&ポップス名曲1001:1978, Part.3
The Undertones, ‘Teenage Kicks’
ジ・アンダートーンズのデビューシングルで、全英シングル・チャートで最高31位を記録した。
青春パンクというジャンルがあるのだとするならば、その最たる例がこの曲だといえるほどに若きエナジーが迸っている(バズコックスのところでも同じようなことを言っていたような気もするのだが)。
とても魅力的な女性がいて、ただたまらなく抱きしめたいという、ほぼそれだけのことがポップでキャッチーなパンクロックにのせて熱く切実に歌われている。
BBCラジオ1のカリスマ的なDJ、ジョン・ピールはこの曲が好きすぎて、番組で繰り返しかけたり、ことあるごとにこの曲の魅力を語っていたのみならず、自らの墓石にもこの曲の歌詞の一節を刻んだのだった。
Gloria Gaynor, ‘I Will Survive’
グロリア・ゲイナーのシングル「サブスティテュート」のB面としてリリースされたが、この曲の人気が高かったため途中からAB面を入れ替え、全米シングルチャートや全英シングルチャートで1位に輝いた。邦題は「恋のサバイバル」である。
英語以外にも様々な言語でカバーされ、日本では布施明のバージョンがオリコン週間シングルランキングで最高13位、「ザ・ベストテン」では最高9位を記録している。
自分を裏切ったひどい男性との別れにはじめのうちは落ち込んでいたのだが、やがて立ち直るという内容が広く共感を得て、大ヒットとなった。ゲイコミュニティでもひじょうに人気が高い楽曲である。
Sylvester, ‘You Make Me Feel (Mighty Real)’
アメリカのR&Bシンガー、シルヴェスターのアルバム「ステップⅡ」から2枚目のシングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで最高36位、全英シングルチャートでは最高8位のヒットを記録した。
もともとはピアノ主体のミッドテンポのゴスペル曲だったようなのだが、電子楽器を効果的に用いたアレンジが施されることによりオリジナリティ溢れるディスコクラシックが誕生することになった。
シルヴェスターのファルセットボイスが印象的でLGBTQ+アンセムとしても、評価は高まり続けている印象である。
1990年にはブロンスキ・ビートやソフト・セルのボーカリストとしても活躍したジミー・ソマーヴィルによるカバーバージョンが全英シングルチャートで最高5位を記録した。
Earth, Wind & Fire, ‘September’
アース・ウィンド・アンド・ファイアーがシングルとしてリリースした楽曲で、全米シングルランキングで最高8位、全英シングルチャートで最高3位を記録した。
ホーンセクションを効果的に用いたサウンドとファルセットボイスでディスコブームの象徴として日本でもひじょうに人気があったアース・ウインド・ファイアーだが、特にこの曲は代表曲として知られる。
9月にちなんだ楽曲のようだが実際にはクリスマスに9月の出来事を思い返すという内容になっている。
とある新潟を拠点として活動するアイドルグループ(というか、Negiccoなのだが)界隈では「ねぇバーディア」案件としても知られるのだが話すと長くなるのでここではやめておく。
The Doobie Brothers, ‘What a Fool Believes’
ドゥービー・ブラザーズのアルバム「ミニット・バイ・ミニット」からシングルカットされ、全米シングルチャートで1位に輝き、翌年にはグラミー賞で年間ベストレコード賞と年間ベスト楽曲賞を受賞している。AOR/ヨットロックの名曲として知られる。
マイケル・マクドナルドとケニー・ロギンスによる共作曲で、ケニー・ロギンスのバージョンの方が先にリリースされたが、シングルカットはされていなかった。すでに別れてしまったかつての恋人と、いまもまだやり直せると信じている男の愚かさがテーマになっている。
1991年にはマット・ビアンコによる小洒落たカバー・バージョンが、少し話題になっていたような気もする。