洋楽ロック&ポップス名曲1001:1956, Part.2
Gene Vincent and His Blue Cats, ‘Be-Bop-a-Lula’
ジーン・ヴィンセントが1956年にリリースしたシングルで、全米シングルチャートで最高7位、全英シングル・ャートでは最高16位を記録した。
エルヴィス・プレスリーに続くスターを発掘しようと期待をかけられ世に送り出された数多のシンガーのうちの1人だと思われるが、この曲は特にカッコよくてとても良い。
エルヴィス・プレスリーのレコードは1枚も無かった親のレコードライブラリーに、当時のロックンロールではなぜかこの曲のシングルだけはあり、幼少期から訳も分からず「ビーバッパルーラ♪」とレコードに合わせて歌っていたことが思い出される。
Chuck Berry, ‘Roll Over Beethoven’
激しく勢いのあるギターリフが印象的なこの曲は全米シングルチャートで最高29位、R&Bチャートでは最高2位のヒットを記録した。
チャック・ベリーの1歳年上の姉、ルーシーが家のピアノでいつもクラシック音楽を弾いていたことにインスパイアされた楽曲で、「ベートーベンをぶっ飛ばせ」の邦題でも知られる。
ビートルズが1963年のアルバム「ウィズ・ザ・ビートルズ」でカバーしたことによって、さらに知名度が上がっていくのだが、1973年にはエレクトリック・ライト・オーケストラもカバーしている。
Fats Domino, ‘Blueberry Hill’
ファッツ・ドミノの最大のヒット曲で全米シングルチャートで最高2位(R&Bチャートでは8週連続1位)、全英シングルチャートで最高6位を記録した。
オリジナルはサミー・ケイによって1940年にリリースされ、グレン・ミラー・オーケストラのバージョンが全米チャートで2位を記録するなど、アメリカではすでに有名な曲であった。
ルイ・アームストロングのバージョンを通じてこの曲を知っていたファッツ・ドミノはレコーディングセッションで演奏し、プロデューサーからはすでによく知られている曲だからという理由で反対されるもののリリースしたところ、最も有名なこの曲のバージョンになった。
Elvis Presley, ‘Hound Dog’
エルヴィス・プレスリーが1956年7月にリリースしたシングルで、全米シングルチャートで11週連続1位の大ヒットを記録した。
ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーのコンビによって書かれた楽曲で、ビッグ・ママ・ソーントンが歌ったオリジナル・バージョンはR&Bチャートで1位に輝いている。その後、様々なアーティストによってカバーされているが、エルヴィス・プレスリーが参考にしたのはラスベガスの公演で見たフレディ・ベル&ベル・ボーイのバージョンである。
オリジナルは女性を主人公にした歌詞だったのだが、それは少し変えられている。
Elvis Presley, ‘Don’t Be Cruel’
エルヴィス・プレスリーのシングル「ハウンド・ドッグ」のB面としてレコーディングされたのだが、あまりにも出来が良かったことからアメリカでは両A面シングルとしてリリースされ、全米シングルチャートで11週連続1位を記録した。
軽快なロカビリーサウンドにのせて、邦題のとおり「冷たくしないで」と愛する人に懇願する楽曲になっている。
1988年にはチープ・トリックによるカバーバージョンが全米シングルチャートで最高4位のヒットを記録した。
Screamin’ Jay Hawkins, ‘I Put a Spell On You’
スクリーミン・ジェイ・ホーキンスのカルト的に人気がある楽曲で、全米シングルチャートやR&Bチャートにもランクインしていないのだが、ひじょうに良く知られている。
より穏やかな失恋ソングとして当初は書かれていたようなのだが、それがあなたを手に入れるために呪いをかけてやる、というような激しめなものに変わっていった。
80年代ミニシアターブームの象徴的なジム・ジャームッシュ監督のロードムービー「ストレンジャー・ザン・パラダイス」で繰り返し使われていたことでも知られる。