定番クリスマスソングベスト50(11-20)

11. 白い恋人達/桑田佳祐(2001)

桑田佳祐のソロアーティストとしては7作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで1位、2001年の年間シングルランキングでは6位の大ヒットを記録、「第43回日本レコード大賞」で金賞、「第16回日本ゴールドディスク大賞」でソング・オブ・ザ・イヤーを受賞してもいる。

コカ・コーラのCMソングとして起用され、特にクリスマスソングというわけでもないのだが、この季節にふさわしい純度が高めなラヴソングである。

サザンオールスターズの初期に衝撃を受けた世代にはどうも後の桑田佳祐のソロ楽曲などを軽視しがちな傾向もあるように感じられるのだが、実際のところ大衆ポップスとしてのクオリティーは素晴らしく、特に2001年は「波乗りジョニー」と共に夏、冬の定番ソングを世に送りだしているのがとにかくすごい。

12. Everything/MISIA(2000)

MISIAの7作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで1位に輝いた。

特にクリスマスソングというわけではないのだが、主題歌として起用されていたフジテレビ系の月9ドラマ「やまとなでしこ」の終盤がクリスマスシーズンだったこともあり、その印象がひじょうに強い。

とはいえ、実際にドラマを見ていなかった人たちにとってもMISIAの素晴らしいボーカルや冨田恵一のゴージャスなアレンジが醸しだす聖なる雰囲気で、冬に聴きたい曲にしてクリスマスの定番曲として広く認識されているような気もする。

13. Christmas (Baby Please Come Home)/Darlen Love (1963)

多くのポピュラー音楽ファンからクリスマスアルバムの定番にして最高傑作として評価されがちな「クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター」に収録されている楽曲である。シングルでもリリースされたが、当時は特にヒットしてはいない。というか、アルバムそのものが現在でこそ名盤として知られているものの、当時はリリースのタイミングでジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたことにより、当時のアメリカの国民感情的にクリスマスを祝うどころではないような雰囲気だったという。

とはいえ、後に正当な評価を得ることになり、特にダーレン・ラヴのパワフルでエモーショナルなボーカルがフィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドと相まって気分を盛り上げてくれるこの曲は人気が高く、U2やマライア・キャリーをはじめ様々なアーティストたちによってカバーされている。

14. Jingle Bell Rock/Bobby Helms (1957)

アメリカのカントリー歌手、ボビー・ヘルムズが1957年にリリースしたクリスマスソングである。

「ジングルベル、ジングルベル、ジングルベルロック♪」と歌われる歌詞に特に深い意味はなく、ただただリラクシン良い感じの楽曲だということができる。

雑貨店などでよく売られているサンタクロースが腰を振って踊るタイプの人形にBGMとしてプリセットされていがちな印象もあるのだが、もしかすると気のせいかもしれない。

15. This Christmas/Donny Hathaway (1970)

アメリカのソウル・アーティスト、ダニー・ハサウェイによって1970年にリリースされたクリスマスソングだが、当時はそれほど注目されていなかったという。

1968年にリリースされたコンピレーションアルバム「ソウル・クリスマス」が1991年に再発されるにあたってこの曲も追加され、それから少しずつ知名度を上げ、モダンクラシック化していったようである。

偶然にふと耳にしただけでなんだかゴージャスでリッチな気分になれたりもする、とても良い楽曲である。

16. Christmas Wrapping/The Waitresses (1981)

クリスマスソングというとよりオーセンティックなジャンルの楽曲が多くなりがちという印象があり、おそらく実際にもそうなのだろうが、ニューウェイブ系でいうならば、断然この曲であろう。

アメリカのニューウェイブバンド、ザ・ウェイトレスィズがレーベルのクリスマスアルバムのために提供した曲で、イギリスではシングルがリリースされ、翌年の再発時に全英シングルチャートで最高45位を記録した。デジタルストリーミング時代以降、再評価されているような印象がある。

クリスマスについて煩わしく感じている独り身の女性が今年はたった一人で過ごそうと自分用の小さなローストチキンを焼くのだが、クランベリーを買い忘れていたことに気づき、24時間営業のスーパーに行くと、数ヶ月前に出会って気に入っていたもののその後は会えずにいた男性とバッタリ出くわし、ハッピーエンドという内容である。音楽的にはシック「グッド・タイムス」のベースラインや、ボーカルにはラップミュージックからの影響が感じられる。

17. 雪が降る町/ユニコーン (1992)

ユニコーンの8作目のシングルで、オリコン週間シングルランキングで最高4位を記録した。

「あと何日かで今年も終わるから」と歌われているように、クリスマスソングというよりは年末ソングである。とはいえ、当初はクリスマスソングとしてつくりはじめた曲らしくそんな感じはじゅうぶんに出ている。

当時、この曲を井上陽水の息子が気に入ってよく聴いていたらしく、それがきっかけで奥田民生に手紙を書いて送り、そこから交流がはじまったという。

18. Underneath the Tree/Kelly Clarkson (2013)

人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」出身のシンガー、ケリー・クラークソンによるクリスマスソングで、全米、全英のシングルチャートで共に最高12位を記録している。

この曲をケリー・クラークソンと共作し、プロデュースしたのは、2010年代の売れっ子プロデューサー、グレッグ・カースティンで、フィル・スペクターのクリスマスアルバムをはじめ、過去のクリスマスソングの名曲を研究し尽くした上で、それらの現代版をつくろうとしたかのような志の高さが軽く感動的である。

19. The Christmas Song (Merry Christmas to You)/Nat “King” Cole (1961)

このひじょうに有名なクリスマスソングは、熱い夏の日にメル・トーメとボブ・ウェルズによって書かれ、1946年にナット・キング・コールが歌うバージョンがリリースされた。

その後、何度か再レコーディングされているが、1961年に初めてステレオ録音されたバージョンが、最も親しまれているようだ。

20. Santa Baby/Eartha Kitt (1953)

サンタクロースに毛皮のコートやヨットや鉱山の権利書といった高価なプレゼントをねだる女性の思いをマイルドなセクシーさもまぶして歌ったクリスマスソングで、当時のアメリカでもひじょうに売れたようなのだが、クリスマスソングにしては刺激的すぎるのではないだろうかということで、一部地域では放送禁止になったりもしていたようである。

もちろん今日ではそんなこともなく、マドンナ、カイリー・ミノーグ、テイラー・スウィフト、アリアナ・グランデをはじめ、これでもかというぐらい多くの女性アーティストによってカバーされている。