最高のポップソング500選(洋楽編)Part.3:1956

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Elvis Presley, ‘Heartbreak Hotel’ (1956)

サン・レコードから何枚かのシングルをリリースし、すでにアメリカ南部では人気があったエルヴィス・プレスリーが新たなレーベル、RCAビクターから最初にリリースしたシングルで、全米シングルチャートで1位に輝きミリオンセラーを記録したのみならず、カントリー&ウェスタンチャートやR&Bチャートでも上位にランクインするクロスオーバーヒットとなった。歌詞は絶望した男の「孤独な道を歩いている」という言葉にインスパイアされ、これはホテルの窓から投身自殺をした男の遺書に書かれていたといわれていたが、近年ではそのような事実はなく、実際には酒屋に強盗中に射殺された男の手記に記されていたという説が有力なようだ。いずれにせよその深い悲しみを感じさせるパワフルなボーカルが心に響くこの楽曲の大ヒットで、エルヴィス・プレスリーはポップシーンに一大センセーションを巻き起こした。

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Johnny Cash, ‘I Walk the Line’ (1956)

ジョニー・キャッシュの代表曲の一つでカントリーチャートで1位に輝き、ポップチャートにも初めてランクインして最高17位を記録した。当時の妻であるヴィヴィアン・リベルトに忠誠を誓う楽曲だったが、やがてジョニー・キャッシュはジューン・カーターと出会い、一緒に仕事をする中で恋におち、ヴィヴィアン・リベルトとは離婚することになる。その後、ジューン・カーターと再婚すると、2003年に彼女が亡くなるまで添い遂げ、その関係性を描いた2005年公開の映画「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」にはこの曲のタイトルが付けられた。

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Gene Vincent and His Blue Caps, ‘Be-Bop-a-Lula’ (1956)

エルヴィス・プレスリーに匹敵するシンガーを探し求めていたキャピトル・レコードと契約したジーン・ヴィンセントはデビューシングルとなったこの曲をヒットさせ人気を得るのだが、その後は2曲のトップ40ヒットを記録するのみにとどまった。しかし、ポール・マッカートニーが初めて買ったレコードであり、ジョン・レノンがアルバム「ロックンロール」でカバーし、凶弾に倒れる当日に受けていたインタビューでも大好きな曲として言及していたこの曲のみでも、ジーン・ヴィンセントをポップミュージック史における重要アーティストの一人と見なすにはじゅうぶんである。たまらなくクールでセクシーなのだ。

Elvis Presley, ‘Hound Dog’ (1956)

1952年にブルース歌手のビッグ・ママ・ソーントーンが歌ってR&Bチャートで大ヒットした楽曲の、エルヴィス・プレスリーによるカバーバージョンである。オリジナルよりもスピードアップしてロックンロール的なアレンジを施されたサウンドとエルヴィス・プレスリーのパフォーマンスが大いに受けて、全米シングルチャートで11週にわたって1位に輝いた。特にテレビ出演時の激しいアクションが保守的な人たちを怒らせる一方で、そうでない人たちの支持は獲得することになった。オリジナルがヒットしたわりにじゅうぶんな報酬を得ることができなかったという説などから、搾取的な側面で批判されたり、音楽的にもオリジナルの方が優れているのではないかというような評価も強まってはいるのだが、エルヴィス・プレスリー版のポップソングとしての圧倒的な強度にも、依然として抗いがたいものがあるといわざるをえない。

Screamin’ Jay Hawkins, ‘I Put a Spell on You’ (1956)

スクリーミン・ジェイ・ホーキンスは当初、この曲をより穏やかな失恋バラードとしてレコーディングしたのだが、再レコーディングの際にはプロデューサーたちがミュージシャンに大量の食べものや酒などを用意し、パーティー的な雰囲気がつくられたという。スクリーミン・ジェイ・ホーキンス自身も当日のことはよく覚えていないというような状況でレコーディングされたバージョンは激しいシャウトが特徴であり、ほとんどのラジオ局で放送禁止になったのだという。それもあってか、当時のヒットチャートにはランクインしていないのだが、次第にカルト的な人気を獲得することになる。1980年代後半、日本のミニシアターでも大ヒットしたジム・ジャームッシュ監督の映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」では登場人物の一人がラジカセで繰り返しこの曲ばかりを聴いている。ステージでは棺桶の中に入ったり、棒の先に付いた頭蓋骨を振り回したりとシアトリカルなパフォーマンスも特徴的であり、こういったタイプの先がけ的な存在としても評価されがちである。

Fats Domino, ‘Blueberry Hill’ (1956)

ニューオリンズ特有のユニークなサウンドを世に広めたことで知られるファッツ・ドミノの数あるヒット曲の中でも特に有名な楽曲だが、オリジナルは1940年に書かれていて、全米シングルチャートで最高2位を記録したグレン・ミラー楽団のバージョンを含め、すでに様々なアーティストによってレコーディングされていた。それが理由でファッツ・ドミノがこの曲をレコーディング際には難色を示されたりもしたというのだが、結果的に全米シングルチャートで最高2位、R&Bチャートでは11週1位の大ヒットを記録した。

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