クリスマスソングの名曲ベスト50

30. Underneath The Tree – Kelly Clarkson (2013)

この曲をケリー・クラークソンと共作し、プロデュースしたのは、2010年代の売れっ子プロデューサー、グレッグ・カースティンである。フィル・スペクターのクリスマスアルバムをはじめ、過去のクリスマスソングの名曲を研究し尽くした上で、それらの現代版をつくろうとしたかのような志の高さが感じられ、軽く感動的ですらある。

29. Santa Claus Is Comin’ To Town – Bruce Springsteen (1982)

クリスマスのスタンダード「サンタが街にやって来る」のブルース・スプリングスティーンによるカバーである。1975年にニューヨーク州ブルックヴィルで録音されたEストリート・バンドのライブ・バージョンで、1982年に「セサミ・ストリート」のコンピレーション・アルバムに収録された後に、1985年にシングル「マイ・ホームタウン」のB面としてもリリースされた。アルバムでいうと「明日なき暴走」の頃のライブということになる。

28. It’s The Most Wonderful Time Of The Year – Andy Williams (1963)

アンディ・ウィリアムスが1963年にリリースしたクリスマスアルバムに収録された曲で、シングル・カットはされなかったのだが、クリスマスのスタンダードとして知られるようになっていった。たとえばアメリカ人にとってクリスマスというのがどういうものなのかということについては、イメージはできても実際にはよく分かってはいないのではないかというような気はする。とにかく1年で最も素晴らしい時であり、具体的にどのようなことがあるかについても歌われているのだが、このゴージャスな感じがたまらなく良い。

27. Peace Of Earth/Little Drummer Boy – David Bowie & Bing Crosby (1982)

「リトル・ドラマー・ボーイ」は1941年に書かれたスタンダードナンバーで、すでにいろいろなアーティストによって歌われていたのだが、このバージョンは1977年に放送されたビング・クロスビーのクリスマス特番のためにレコーディングされたもののようである。メドレーで歌われる「ピース・オン・アーズ」は番組のオリジナル曲とのこと。レコードとしては1982年にリリースされ、全英シングル・チャートで最高3位を記録した。当時、日本のテレビでも映像を見たことがあり、トリックスター的なイメージが強かったデヴィッド・ボウイが「ラパパンパ~ン」などと普通に歌っているのが印象的であった。

26. Driving Home To Christmas – Chris Rea (1988)

クリス・レアといえば1986年の「オン・ザ・ビーチ」という曲がわりと有名で、渋めのボーカルが特徴的である。当時、金持ちの会社員と不倫をしていた知り合いの女子大生が好んで聴いていたのだが、おそらく男の影響だったと思われる。それはまあ良いのだが、この曲は「オン・ザ・ビーチ」と同じ1986年にシングル「ハロー・フレンド」のB面に収録されていたが、1988年には再レコーディングされたバージョンがシングルとしてリリースされた。当時の全英シングル・チャートでの最高位は33位だが、30年後の2018年にはこれを更新する11位を記録している。

25. Santa Baby – Eartha Kitt (1953)

サンタクロースに毛皮のコートやヨットや鉱山の権利書といった高価なプレゼントをねだる女性の思いをマイルドなセクシーさもまぶして歌ったクリスマスソングで、当時のアメリカでもひじょうに売れたようなのだが、クリスマスソングにしては刺激的すぎるのではないだろうかということで、一部地域では放送禁止になったりもしていたようである。もちろん今日ではそんなこともなく、マドンナ、カイリー・ミノーグ、テイラー・スウィフト、アリアナ・グランデをはじめ、これでもかというぐらい多くの女性アーティストによってカバーされている。

24. Sleigh Ride – The Ronettes (1963)

クリスマスアルバムのスタンダード「クリスマス・ギフト・フォー・ユー・フロム・フィル・スペクター」の収録曲である。音を重ねて壁のようにすることによって臨場感を出すウォール・オブ・サウンドの手法が、ここでも大いに用いられている。ザ・ロネッツはポップ・ミュージック史に残る超名曲「ビー・マイ・ベイビー」をヒットさせた年であり、曲は「そりすべり」の邦題で知られるスタンダードナンバーである。

23. I Wish It Could Be Christmas Everyday – Wizzard (1973)

1973年のイギリスといえばグラム・ロックがブームであり、メインストリームのヒット・チャートにも大きな影響をあたえるほどであった。元ムーヴでエレクトリック・ライト・オーケストラの創設メンバーでもあるロイ・ウッド率いるウィザードもこの年に「シー・マイ・ベイビー・ジャイヴ」「エンジェル・フィンガーズ」の2曲で全英シングル・チャートの1位に輝く活躍ぶりであった。クリスマスシングルとしてリリースしたこの曲も、全英シングル・チャートで最高4位のヒットを記録した。

22. Merry Xmas Everybody – Slade (1973)

1973年のイギリスでひじょうに人気があったグラム・ロック・バンドといえば、スレイドの名前も挙げることができ、クワイエット・ライオットやオアシスもカバーした「カモン・フィール・ザ・ノイズ」「スクゥイーズ・ミー、プリーズ・ミー」の2曲が全英シングル・チャートで1位、「マイ・フレンド・スタン」が2位を記録していた。そして、ウィザードと同様にクリスマスシングルとしてこの曲をリリースし、クリスマスNO.1をめぐってグラム・ロック対決とでもいうべきものが起こっていたわけである。結果はスレイドのこの曲が5週連続1位を記録して圧勝となった。

21. Jingle Bell Rock – Bobby Helms (1957)

クリスマスシーズンになるとよく売られている、腰を振って踊るタイプのサンタクロースの人形にプリセットされていがちな楽曲という印象がある。ロックンロール時代のトレンドを取り入れつつも、リラックスしたムードが最高である。

20. Chrismas In Hollis – Run D.M.C. (1987)

RUN D.M.C.が「ウォーク・ジス・ウェイ」をヒットさせた翌年、1987年にリリースされたチャリティー・アルバム「クリスマス・エイド」に収録された曲である。タイトルに入っているのは、メンバーが生まれ育ったニューヨーク州クイーンズ地区の地名である。「フロスティ・ザ・スノーマン」「ジングル・ベル」といったスタンダードソングのフレーズが挿入されているのも楽しい。ミュージックビデオはマイケル・ジャクソン「BAD」を抑えて、「ローリング・ストーン」誌の年間ベスト・ビデオに選ばれた。

19. 2000 Miles – The Pretenders (1983)

アメリカではシングル「ミドル・オブ・ザ・ロード」のB面に収録されていたが、イギリスではシングルA面としてリリースされ、全英シングル・チャートで最高15位を記録した。歌詞はクリスマスシーズンに遠く離れた恋人同士のことを歌っていると解釈することができるが、実際にはこの前年に急死したジェイムス・ハニーマン・スコットについて書かれているようである。

18. The Christmas Song (Merry Christmas To You) – Nat “King” Cole (1961)

このひじょうに有名なクリスマスソングは、熱い夏の日にメル・トーメとボブ・ウェルズによって書かれ、1946年にナット・キング・コールが歌うバージョンがリリースされた。その後、何度か再レコーディングされているが、1961年に初めてステレオ録音されたバージョンが、最も親しまれているようだ。

17. Santa Claus Go Straight To The Ghetto – James Brown (1968)

ジェームス・ブラウンが1968年にリリースしたクリスマスアルバムに収録された、とてもファンキーでソウルフルなクリスマスソングである。これ以外にも数多くのクリスマスソングを発表したジェームス・ブラウンは1990年代には貧しい子供達にプレゼントを贈る「ザ・ジェームス・ブラウン・トイ・ギヴアウェイ」を行ったりもした。亡くなったのも2006年のクリスマスであった。

16. Blue Christmas – Elvis Presley (1964)

ロックの王様や神様などといわれたりもするエルヴィス・プレスリーもやはり、クリスマスソングをリリースしていた。クリスマスだというのに報われない恋に心を痛めている状態について歌った、ホワイトではなくブルーなクリスマスソングである。

15. Rockin’ Around The Christmas Tree – Brenda Lee (1958)

この曲をレコーディングした時、ブレンダ・リーはまだ13歳だったという。ロックンロール時代のムードが感じられるリラクシンなこの曲は1960年に全米シングル・チャートで最高14位を記録するが、デジタルストリーミング時代に入ると2015年以降毎年、クリスマスシーズンになるとランクインするようになり、2019年と2020年には最高2位にまで上っている。

14. I Saw Mommy Kissing Santa Claus Last Night – The Jackson 5 (1970)

ジャクソン5が1970年にリリースしたクリスマスアルバムは毎年シーズンになると、CDショップのクリスマスコーナーに並んでいたような印象がある。有線放送のクリスマス特集やクリスマスのプレイリストなどで選曲されがちなのは、1952年にトミー・コーナーのバージョンによって初めてリリースされた「パパがサンタにキスをした」のカバーである。サンタクロースの正体はパパだったというのがその真相なのだが、まだ幼い声のマイケル・ジャクソンのボーカルによくマッチしている。

13. What Christmas Means To Me – Stevie Wonder (1967)

同じタイトルの別のクリスマスソングがいくつも存在するが、スティーヴィー・ワンダーのクリスマスアルバムに収録され、多くのアーティストによってカバーされているこの曲は、アレン・ストーリーとモータウンの創始者、ベリー・ゴーディの姉、アンナ・ゴーディと兄弟のジョージ・ゴーディによって書かれている。

12. This Christmas – Donny Hathaway (1970)

アメリカのソウル・アーティスト、ダニー・ハサウェイによって1970年にリリースされたクリスマスソングだが、当時はそれほど注目されていなかったという。1968年にリリースされたコンピレーション・アルバム「ソウル・クリスマス」が1991年に再発されるにあたってこの曲も追加され、それから少しずつ知名度を上げ、モダン・クラシック化していったようである。

11. Do They Know It’s Christmas? – Band Aid (1984)

エチオピアの飢饉を救うためにブームタウン・ラッツのボブ・ゲルドフとウルトラヴォックスのミッジ・ユーロによって企画されたチャリティーシングルで、全英シングル・チャートで1位を記録した上に、USAフォー・アフリカ「ウィ・アー・ザ・ワールド」、「ライヴ・エイド」といったポップ・ミュージックとチャリティーの関係性に大きな影響をあたえた。デュラン・デュラン、カルチャー・クラブ、ワム!、U2、ザ・スタイル・カウンシルといった当時の人気バンドのメンバーや、スティングやフィル・コリンズといった有名アーティストが参加したことで話題にもなった。当時は楽曲そのもののクオリティーがそれほど高くはないのではないかというような意見も少なくはなかったが、いまやすっかりスタンダード化した印象がある。